ふりかえり 第三章までの登場人物・舞台設定等
舞台設定
余呉地区
滋賀県長浜市に含まれる地域。田畑と山林、そして湖水に囲まれた里山であり、今でも古くからの家屋が建ち並んでいる。
山を越えれば日本海であり、冬には季節風の吹きだまりになる国内屈指の豪雪地帯でもある。
かつては余呉町という人口3500人ほどの自治体だったが、2010年に長浜市に編入された。
余呉湖
琵琶湖の北部に位置する淡水湖。琵琶湖とは賤ケ岳によって隔たれている。
国内最古の羽衣伝説が伝承されており、湖岸の柳の木に天女が羽衣をかけたとされている。
フナやワカサギ、ナマズなど多様な魚が生息するが、近年はブラックバスなどの外来魚も捕獲されている。冬には湖面が凍結し、氷上でのワカサギ釣りを楽しむこともできる。
面積1.97㎢と小さいが断層湖であるため、最大水深13.5m、平均水深7.4mと意外と深い。大昔は琵琶湖の一部であったが、3万年ほど前に地殻変動によって切り離されたと考えられている。
長浜市
滋賀県北東部に位置する湖北地区の中心都市。
中心街は琵琶湖沿岸で、かつては北国街道の宿場町として栄えた歴史深い町。豊臣秀吉の築いた長浜城や国内最古の駅舎など名所も多い。
2006年以降周辺自治体との合併により、現在は滋賀県内2位の面積となった。人口は2019年7月現在約12万人で県内3位。
登場人物
大八木創太
本作の語り手で、30歳独身男。職業はイラストレーターで、ライトノベル『盗賊姫と時計塔の魔術師』など人気作のイラストも担当している。ペンネームは八幡創。
アニメ専門学校卒業後、フリーランスのイラストレーターをしており、複数の企業とも契約があるため収入には余裕がある。実家は蒲田のマンションで、東京では押上に1Kのマンションを借りて暮らしていたが、部屋が手狭になったこと、アニメや映画を通して以前から田舎での生活に憧れていたことから、思い切って余呉の古民家を購入した。
幽霊の少女
この小説のもうひとりの主人公で、青白い顔をした黒髪ボブカットのセーラー服姿の少女。登場当初は頭から血を流していた。一言もしゃべらないが筆談は可能。基本的に創太しか姿を見ることはできない。
昔の女性らしく家事が得意で創太の古民家生活を大いに助けている。疲れ知らずで夜も眠る必要は無く、一晩中家の掃除をするのが日課になっている。
数十年封印されていたであろう部屋から現れた幽霊だが、過去のことはほとんど思い出せないようで本名も不明。おそらくは1960年前後の没年と思われる。
久野瀬美里
創太のご近所さんで、均整の取れた美人顔の中学2年生。
親しくない人には素っ気ない態度を取るが、『盗賊姫と時計塔の魔術師』のファンであり、創太が担当イラストレーターとわかるとたちまち積極的になった。
久野瀬さん夫婦
親切なご近所さんで、里美の両親。元は大阪で暮らしていたが、引っ越してきた移住組である。
菫坂祷
現在創太が仕事を共にしているライトノベル作家。
大学在学中に新人賞を受賞したデビュー作が大ヒット、アニメ化まで実現した。今年大学を卒業したばかりで、創太をイラスト担当に据えた新シリーズを書き始めている。