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何故か王様になっちゃった件について。  作者: 白玉 ショコラ
第三章
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お風呂編 Part1 ~はじめ~

 ヴェクが帰り、わたしたちは少し遅めの入浴をする。まずはユフィアナからだ。するとユフィアナは、軽くセーリーラの服を引っ張った。


「なんだ、ユフィアナ殿」

「いっしょにはいろ、セーリーラ」

「……っ、あぁ、あぁ構わないぞユフィアナ殿!共に神々の祝福の聖水を全身に浴びようではないか!」

「何セーリーラって詩癖的なのあるの?」


 ユフィアナは、セーリーラを連れて風呂場へ歩いて行く。残るはわたしとララノラだけだ。ふと彼女を見ると、ララノラはとろりとした目でわたしを見つめていた。


「ねぇ、食事ってどうするの?」

「学園内にぃ、食堂があるよぉ?すっごい豪華なのぉ。だからぁ、そこで食べるんだよぉ。みんなお風呂が終わってからぁ、一緒に行こうねぇ」

「へぇ、そうなんだ。何食べようかな。お刺身とかあるかな?焼き魚定食もいいかも。あ、待って。米!米食べたい!」

「お米ならあると思うよぉ?」

「ひゃっぴーっ!二年ぶりの米だぃ!いやっほー!やったね颯!――って、あれ?颯?」


 わたしは、いつもなら「米だ米だ!うっひー、やったな水樹!」と言ってハイタッチでもしてきそうな颯の姿が見当たらない。周りを見回すと、ララノラが苦笑したように言った。


「ミズちゃん、ここにはハヤトちゃんはいないよぉ?ハヤトちゃんはぁ、別の部屋なんじゃないかなぁ」

「ぁ」


 そうだった。颯は今隣の部屋で、凛子とさやかとレーイレアとかいう女性と四人で楽しく話してるんだろう。


俺一人だけ男ってどうなのよって苦笑いをしつつ、レーイレアと仲良くなって、相変わらず凛子とさやかとわいわいやって。


……馬鹿颯。ヴェクみたいにこっちには遊びにも来ないで。女の子に囲まれて楽しくやってるんでしょ?ホント……なんだかなぁもぉ。


「出たぞ、二人とも」

「あったかかった。きもちかった」

「お、なら次、わたしが入るよ。早いから大丈夫」

「じゃぁ、ララ待ってるねぇ。いってらっしゃぁい」


 ひらひらと手を振ってくるララノラにわたしも手を振り返し、「思ってたほどヤバい人じゃないじゃん」と心の中で零す。


ララノラはもっとキョーレツキテレツボバーンドッカーンジャジャーンドデーンビッカーン、って感じだと思っていたのだ。正直度肝を抜かれてドビックリだ。


「ぅわぁ、広い……」


 浴室の扉を開けると、大理石のような床や壁が広がり、優雅でだだっ広い洗面所があった。バスマットの側の洗濯機(現実的だね……)に洋服を入れると、わたしは風呂の扉を押した。


「……あれ?」


 扉が動かない。力を入れて押しても駄目だ。引いてみる。駄目。どうすればいいんでしょうか。わたしはすぐに洗濯機から服を拾ってもう一度着、リビングに駆け戻った。


「お風呂の扉が開かないの!」

「あ」


 わたしが叫ぶと、ユフィアナが小さく反応した。


「ユフィアナたん、何か知ってる?」

「ユフィアナがさいごにでたでしょ、セーリーラ」

「あぁ、そうだな」

「ユフィアナがドアしめたとき、なかなかしまんなくて、えいってやったらおもかったの。だからたぶん、それ」

「あー」


 わたしは三人を連れ、風呂場に向かう。さきほどと同じように4パターンやってみる。やはり微動だにしない。


「結局、入れたのは己たちだけか。その、すまないな」

「ユフィアナがぐいってやったから。ごめん」

「ううん、全然いいんだけど……どうしよっか」


 再びわたしたちはリビングに戻り、相談をしていた。そこで、ララノラが明るい顔で「でもぉ」と口を挟む。微かな希望を感じ取り、わたしはバッとララノラの方に顔を向ける。


「でも、何⁉」

「この学園にはねぇ、公共共有のお風呂があってぇ、そこで入れると思うよぉ?」

「行こう!」


 わたしは椅子を蹴飛ばしてガタッと立ち上がった。そしてバスタオルや着替えやら何やらを引っ掴み、部屋のドアを開ける。廊下を駆け抜ける寒々しい風。でも!わたしは負けない!お風呂に、入るのだ!


「ミズちゃん、ララも入るんだから待ってよぉ」

「己たちも着いて行くぞ」

「おふろのまえのベンチでまってる。セーリーラ、そのときパフェ」

「分かった。ユフィアナ殿の頼みならば聞くほかない」

「やった」


 両手をあげて万歳をしながら喜ぶユフィアナの頭をそっと撫で、風呂場の位置を知っているらしいララノラに着いて行く。


※えろっちぃのは出ませんすいません

 女風呂だからってねぇ美少女だからってねぇエロイのボーンって話じゃないんだよ。

 新作?エロ?出る、かなぁ。趣違いすぎて断言できません!

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