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何故か王様になっちゃった件について。  作者: 白玉 ショコラ
第一章
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シロップ漬け

この世界の人ってそんなに甘いものお好き⁉さっき言ってた時、ビックリしたんだよ、柔らかい甘みとかほんのり甘いとか!いや、結構甘いよね、パフェって⁉で、グラブジャムンは甘くするのにちょうど良い程度⁉あれめっちゃ甘いよ、グラブジャムン!


 えっと、グラブジャムンというのは、北インドからパキスタンにかけて良く流通している死ぬほど甘いスイーツで、小さな丸ドーナツを何個か、二口目を食べるかどうか考慮するほど甘いシロップに浸して食べるスイーツ。あー、あれだ、サンダーアンダーギーを激甘シロップ漬けしたみたいな味なのだ。ちなみに100g250カロリーだとか。一回外国旅行のお土産でもらったことがあるんだけど、グラブジャムンを知っていたわたしは、頑張って食べた。一ミリ角くらい。いや、食べた、食べた!食べたからね!


「グラブジャムンはやめましょう!クィツィレア様!」

「グランジャン?ジャメルナでは?ジャメルナは美味しいですのに」


 クィツィレアはすねたような顔をして唇を尖らせるが、わたし、わたし!考案者摂食不可能のスイーツとか、流行らないからね!わたし、グラブジャムンパフェは食べないよ!







 そしてわたしの耳には、新たなビッグニュースが飛び込んできた。リスタート・騎士特訓のジムが出来たらしい。今日は早く寝て、明日ジムを王と女王、クィツィレアと凛赤とわたしで見に行くことになっている。


「では、おやすみなさいませ、レムーテリン様」

「えぇ、おやすみなさい」


 わたしは布団にくるまってすぐに眠りについた。







「おはようございますわ、今日はジムに行くのですから、側近は男性を連れて行きたいです。煌紳、泰雫、笑照、あとは珠蘭。この四人で行きましょう」

「おはようございます、レムーテリン様。畏まりました」


 側近たちの良い返事を聞いて、わたしは気合を入れるためにユッチェントブレッドをほおばる。甘酸っぱいユッチェントが口の中で弾けながら、香ばしいパンと絡み合って行く。最高だよね!このパン!


「では、参りましょう」


 わたしは自分の部屋を出て、城の大広間で四人と落ち合った。







「おぉ、来たか、レムーテリン」

「おはようございますわ、王、女王」

「おはようございます」


 部屋には、王と女王がいた。姿勢をピンと伸ばして豪奢な椅子に座っている。権力は凄い。わたしは、二人から一つ離れた席に座る。間はクィツィレア、わたしの左隣は凛赤らしい。なんだかわたしの方が凛赤より身分が高い設定になっていそうだけれど、きっと年齢とか、リスタート・騎士特訓の考案者だからとか、そういう理由だ。うん。


「皆様、おはようございますわ、クィツィレアでございます」

「おはよう、心梨」

「おはようございます、心梨」

「お待ちしておりましたわ、クィツィレア様」

「お父様、お母様、レムーテリン様」


 クィツィレアの華のある笑顔が、ドアから飛び込んできた。わたしたちの顔を見て、顔をほころばせていく。わたしと目が合うと、にっこり笑ってくれたので、わたしも笑みを返す。


「遅れて申し訳ありません!ネーリンワーナですわ」

「来たな、ネーリンワーナ」

「おいでなさい、凛赤」

「おはようございますわ、ネーリンワーナ様」

「お久しぶりですわね、凛赤様」


 身分順に挨拶をしていく。凛赤がわたしの左の椅子に座って、ふうと息を吐いた。目の前にある紅茶に手を伸ばし、優雅にコクリと一口飲み、幸せそうに笑う。


どうやらおませさんじゃないみたいなんだよね。紅茶、ホントに好きみたい。ふふっ、可愛い♪


「では、行くか。準備が出来たものはついてこい」

「分かりました」


 わたしはもう紅茶も飲み終えたから、すぐに立ち上がる。凛赤も早めにお茶を飲んで、すぐに立ち上がった。


「魔法陣で飛べる。城の魔法陣に行くぞ」

「畏まりました」



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