きゅん
で、なんだかんだで。王様から借りた部屋で、わたしたち三人は、特産品の一つ、パフェを作っていた。作っているのはもちろん、わたしから説明を受けるリッフェルヴィとユーザンドだ。
だって、わたしには作れないもん、ピッツァ以外。でも、二人に作ってもらった方が両方美味しくなるんだろうな、プロの料理人だからね。もちろん頼むつもりでいるよ?
「出来ましたわ、レムーテリン様」
「どうでしょうか」
二人が、椅子に座っているわたしの前のテーブルにパフェを置く。右にはクィツィレア、左には凛赤がいる。わたしは、添えられたスプーンに手を伸ばし、ふわっとしたクリームとみずみずしそうな果物を掬う。
「美味しいわ、二人とも。大成功と言って良いでしょう。感謝していますよ」
「有難うございますわ、レムーテリン様!」
「恐悦至極に存じます」
二人は興奮しながら見つめ合って笑う。ふんふん、いーんじゃなーい?パフェもだけど、それよりもいーんじゃなーい?ピッツァよりもおアツいんじゃなーい?んむふふ。
「レムーテリン様、わたくしにも食べさせて下さいませ」
「あっ、あたくしも食べたいですわ!」
「あぁ、そうですね。では身分から言って、クィツィレア様からですわね」
わたしはぷぅっと頬を膨らませている凛赤を見て出来るだけ申し訳なさそうに笑う。
あーもう、凛赤ちゃん可愛いー。
「わぁ……美味しいわ、わたくしたちご婦人には、このきゅんとくる甘みが好きな方は多いと思いますわ。ネーリンワーナ様、どうぞ」
「有難うございますわ!はむっ……」
凛赤は、本当に嬉しそうに両手でパフェカップを受け取った。頬が林檎のように真っ赤に染まっている。そして、凛赤はパフェを口の中にあくまでも上品に入れて、ゆっくりと味わった。が、突如目を見開いて、もの凄い速さでガバッと私の方を見ながら立ち上がり両手を拳にして叫んだ。
「まぁーっ、ずるい、ずるい、ずるいですわーっ!」




