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何故か王様になっちゃった件について。  作者: 白玉 ショコラ
第一章
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レルロッサム

第二十三話を大幅に編集しました。是非、ご確認ください。

「おはようございますわ、お二人とも」

「おはようございます、レムーテリン様」

「おはようございますわ」


 わたしは、王の城の一角、「面会室」というところに集まった。面会室に連絡してあったように、既に作業用のテーブルが出ている。


 従姉妹と友達が、ドアを開けて入って来たわたしに、ニコリと暖かい笑みを向けてくれる。

でも、ちょっぴり、怖いんだよね、凛赤様。ホントの笑みですか?みたいな。でも、お友達だもん。


あ、待って。厳密に言えば、親戚だ。従姉妹の従姉妹だもん。


「今日はわざわざお集まりいただき、有難うございます。わたくし、お二人にご紹介いたしたいものがありますの。ご覧になって下さいますか?」

「えぇ、もちろん。わたくしたちはそのために参ったのですから」

「あたくし、ミズキ様が何をなさるのか、本当に楽しみでなりませんの」


 ドキドキワクワクとした、楽しそうな笑顔をしている乙女な二人に対して、わたしはツタツタと道具をテーブルの上に並べていく。わたしがナイフを取り出したところで、二人の顔が一瞬にして引きつった。


お貴族様なのに、感情バレバレですわよー、おほほほほ。


「ミ、ミズキ様、何をなさるおつもりですの?」

「羽根ペンを実際に作って見せますわ」

「ハ、ハネ、ペン?」

「えぇ、ペンの先に羽根を取り付けた、豪奢なペンですわ。流行間違いなしですっ!……と言えるようにするために、生粋の貴族であるお二人に羽根ペンを見て頂きたいのです」

「あぁ、なるほど、そういうことですか。あたくし腕が鳴りますわ」


 凛赤は、ニヤリと笑ってわたしを見つめる。ナイフに多少怯えてはいるようだが、凛赤は器用だと思う。逆に、心梨はどうだろうか。


こういうタイプって逆に、不器用だったりするんだよねー。小説でもあるあるのパターンじゃん。


「クィツィレア様、ナイフは、大丈夫ですか?」

「えぇ、そうですね、頑張りますわ」


 わたしは、レルロッサム先生に教わった作り笑いを必死に出して、「嫌だったら思いっきり拒否っちゃって。別の時でも全然大丈夫」という意味の言葉を必死に返す。


「クィツィレア様、胸の中の嵐が納まる時を待ち、海が凪ぎ、山が笑うような思いに心を包まれたとき、再びわたくしどもと共に、歩みを共になさったらいかがでしょうか?」


 そうそう、レルロッサム先生はとっても良い先生。何より美人!赤をピンクが混ざったような少しだけ薄い色の髪をふわふわにカールさせて、高めの位置でポニーテールに結んでいる。そのポニーテールが、頭全体にふわりと広がって、それがとても綺麗なのだ。また、光に当たるとキラキラ光る紫のカチューシャとシュシュがとても綺麗で可愛くて、思わず自慢したくなる。うちの子、凄いのよ!って。


 しかもレルロッサム先生の教えてくれる授業は、とても分かりやすい。オーヴォシュリ先生とは大違いだぜ、へっ!って言いたくなるくらい楽しい。思い返してみると、わたしは自分では分かっていなかったけれど、彼に対して、相当な拒絶反応を示していたみたいだ。


 「レムーテリン様、先生です」という声が聞こえた瞬間、自動的にビクッと体が震えて、汗を出すための穴(何て言うんだっけ?)がブワッて広がって、嫌な汗が全身を流れて、笑顔も動きもぎこちなくなって、カコカコとしたロボットのような動作しか出来なくなっていた。


 でも、レルロッサム先生の柔らかな笑顔を見た瞬間にその緊張と拒絶反応は解け、ふわりとした暖かい笑みを浮かべることが出来た。今でも鮮明に思い出せる。


「お初にお目にかかります、レムーテリン様。わたくしが新しい専属教師、レルロッサムですわ。どうぞこれから、よろしくお願い致しますね」

「初めまして、レルロッサム。わたくしは水樹ことレムーテリン。お好きに呼んで下さいませ、レルロッサム先生?」

「まぁ、レムーテリン様はお可愛らしいお方ですこと。わたくし、レムーテリン様のために、誠心誠意お仕えいたします」

「仕えなくて良いのですわ、お勉強を教えて下さいませ。そうそう、わたくしは社交がてんで駄目なのです。お願いしますね」


 そのときに浮かべた心からの楽しそうな笑顔が、わたしは忘れられない。あれは、確実にわたしへの想いを込めた大切な笑顔だ。あれを踏みにじらないように、わたしは日々、懸命に勉強し、レルロッサム先生が言ったことを貪欲に吸収してブラックホールのように吸い込んでいっている。側近にも、「レムーテリン様は急成長なさいましたね」と驚かれるくらいなのだ。えっへん!


「まぁ……レムーテリン様。えぇ、そうですわね。海と山を待ち、再び貴女方と歩みを共にする時を思います」


 クィツィレアは、本当に嬉しそうな顔でそう言った。


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