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何故か王様になっちゃった件について。  作者: 白玉 ショコラ
第三章
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サイコお嬢

お久しぶりです!

いきなりですみませんが、ペンネーム変更いたしましたので、ご報告。

「詩雨」です。

今までのは適当だったので、ちゃんと。

「ねぇっ!やっぱりさ、颯はわたしのこと、好きなんじゃないのかなっ!」


 朝。早朝でございますよ。体内感覚で朝六時前。ルームメイトの皆様はまだ寝ていらっしゃる。その中!昨日の夜からテンションMAXで碌に寝ていない二十歳が一人。幸福で気持ちいい雄叫びを上げている。


 嘘。さすがに部屋の中でそんな迷惑なことやれない。もちろんここは学園の庭。誰もいない噴水の前で、恋愛完全大勝妄想を頭に広げている。……聞き覚えがあるメロディが流れてきた。替え歌になっている。


 恋。キラキラきらめいてていいね。若い頃の青春に戻ったみたいだよ。……露河に来る前もこんな可愛らしいドキドキキュンキュンなトキメキラブなんてしたことなかったですけれどもね!うっさいわぁっ!


「……あら?」


 不意に、背後から可愛らしい澄んだ年頃の女の子の声が聞こえてきた。


「もしかして、麗しき姫騎士様?」

「ふぇ?あぁ、はい、そうですけど。わたしが寝起きの姫騎士でふ」

「ふふっ、姫騎士様でも噛まれたりするんですね」


なっ、なんて可愛い子っ!


 目の前に現れたのは、見つめるだけで目の保養になりそうな美しさと可愛らしさを兼ね備えた女の子だった。薄い紫色のミディアムの髪を揺らし、ふわりとスカートをなびかせて近寄ってくる。


もう制服に着替えてるんだ。早いなぁ。


「わたくし、フィスティアと申します。姫騎士様と同じ、一年生です。よろしくお願い致しますね。ふふっ」


 フィスティアは、髪より少し濃いアメジスト色の瞳を細めながら柔らかく笑った。わたしの周りには、尋常じゃないくらい可愛らしい子ばかりが集うようで、なんて良い所なんだと思ってしまう。


 右を見ても左を見ても前にも後ろにも美男美女!最高過ぎると思わぬか諸君。


「フィスティアさん、ですか。素敵なお名前ですね。わたしは羽葉澤水樹ことレムーテリンことリーミルフィです」

「まぁ、お名前が沢山おありなんですね。それは有名で素晴らしいことの証ですわ。ではわたくし……リーミルフィさん、と、呼ばせて頂きますわね」


 最近、リーミルフィと呼んでくれる人があまりいなくて悲しかったため、とても嬉しい。さりげなく心の中でほくそ笑んでいると、フィスティアが心配そうに顔を覗き込んできた。


「リーミルフィさん?どうなさいました?」

「いえ、全然大丈夫ですよ。その制服、とても似合ってます。色っぽい紫に、優等生のような紺色。こんなに萌える図を見たことがないものですから、うふふ」

「まぁっ、ふふっ、お世辞がお上手ですわね、リーミルフィさんは。……良かった。わたくしにもお友達が出来ました」


 フィスティアは、可愛く微笑みを漏らした後、両手を胸の前で組んで軽く顔を空に向けた。


「それって、フィスティアさん……」

「えぇ、わたくし、今までお友達がいなくて。下位領地出身なものですから、皆からは冷たい視線ばかりを浴びるのです。リーミルフィさんは、そのようなこと関係なくお付き合いをされるのですね。わたくし感動いたしました。……そういえば勝手にお友達と言ってしまいましたが、御不快でした?」


なんて可愛い子なのっ!気遣いの仕方が、上目遣いだなんてっ!


 わたしは一人でぷるぷる震えながらなんとも可愛いお嬢様っ子フィスティアを見つめていた。いや、見下ろしていた。


「全然構いませんけれど、フィスティアさんにお友達がいらっしゃらなかったなんて、ビックリですね」


 ふと、返事をしながらわたしはフィスティアの文字を振り返る。


……ちょっと待って。今気づいたんだけど、フィスティアさんにもわたし見放されてないですか⁉結局わたしは仲間はずれですか⁉


 解説しよう。名前の最後の文字の話である。


フィスティア。名前の最後がア行なんてのじゃなくて、もうアだ。……皆いいなぁ。名前の最後がア行で。


「そうだ、フィスティアさんは何の講義をとってらっしゃるんです?わたしは魔物学だけですけど」

「わたくし、ですか?経営学と生物学、芸術学ですわ」


 今経営学が流行っているのだろうか。勇者もお嬢様も経営学を取ってるなんて……わたしも取ってみようか。と考えていると、フィスティアがまた笑い出した。


「さすがは姫騎士様ですわ、ちゃんと魔物学を取っていらっしゃるなんて。怖くて取れませんもの」

「それなら、生物学で動物とかの解剖をする方がわたし怖いですけど……」


 わたしは解剖の実験が苦手だ。カエルの解剖の時、夢に解剖したカエルが出てきて、わたしをいたぶった。


 その他の動物でも、解剖させられたところの解説をしてきたり、とにかく憤慨してわたしの平和な夢を荒らして帰っていったり、散々な目にあうのだ。


 もちろん、実験中の災難も付きまとう。二人ペアの解剖実験なのだが、抵抗する時は必ずわたしの手に噛みついたりナイフを狂わせたりする。毎回保健室行きだ。


ごめんなさい。生き物は大切にするべきだよね。はい。


「あらまぁ、解剖?今、今解剖と仰いました⁉ね‼」

「……?……⁇」


 なのだが、この魔物が怖いお嬢様は、解剖と聞いた瞬間頬を薔薇色に染め、興奮しだしたのだ。なんて怖いの。可愛いサイコパスは最高であり最悪よ。


「ぁいや、でも、解剖するとは限りませんよ?わたし、生物学が苦手で遠ざかっているくらいですから。そういえば定期テストも一番成績悪かったっけなぁ……テストの成績と言えば颯、講義の予習復習してんのかな?また2時まで遊んでないかな?」

「リーミルフィさん、またどこかに飛んでしまわれました?」

「うぃっ!あ、あぁいえいえ、大丈夫ですよ」


 ついつい颯の成績に頭が飛んでしまったが、可愛い美少女ヒロインみたいな子に見つめられたら、そりゃもう現実に戻るしかない。


なんだか、わたし、可愛い女の子大好きみたいな奴になってる?違うのよ、こんなわたしでもこうなるくらい可愛い子たちってだけなんだから。そういう性癖ないからぁ~っ!


 フィスティアは、楽しそうに笑いながら、噴水の方に歩いて行って、手を差し伸べた。冷たいと言いながら水と戯れている。


「リーミルフィさんも、一緒に遊びません?」

「わぁお、それが遊び……お嬢様の勉強漬けの日々が想像できる……」


 お嬢様清楚系のサイコパス・フィスティアと出会った朝は、とても楽しかった。噴水の水で手をぱちゃぱちゃさせながら8歳みたいに遊んだのもいい経験である。


 フィスティアがどこの部屋なのか知らないが、セーリーラに聞けばフィスティアを知っているかもしれない。今度聞いてみよう。







 朝のお遊戯を終え、部屋に戻ると、そこには颯とルームメイトが大集結していた。


「あれ、颯、皆、おはよう。なんで颯がここに?」


 皆が立っているのでわたしも座ることはせず、深刻そうな顔をしている颯を見た。颯は、唐突にわたしが戻って来た事に驚いたのか、少し面食らった表情をしたが、すぐに曇らせて俯いた。

え、昨日のキスの事かな。わたしの顔を見てそんなに落ち込むって、それしかないよね?


 わたしは不安になって、もう一度「颯……?」と呼びかける。


「ミズキ殿、早起きだな。実は己等もまだハヤト殿から詳しい話を聞けていないのだ。まとめて聞かせて頂きたい、ハヤト殿」


 リーダーぶりを発揮したセーリーラが、うまく沈黙を打ち破って会話を続けようと試みてくれた。それはとても有難いし嬉しい。それに便乗して、わたしもコクリと頷いた。


 前に立つ颯は、一度拳をギュッと握った後、決心したように顔をあげた。妙に凛々しい。


うん、格好いいね。


「これは早めに言っておかなくちゃだよな。よし。まず水樹、今黙ったのは無視じゃねぇよ?安心してくれ」


 あぁ良かった、と思いながらふにゃっと笑って見せると、颯は少し安心したような笑みをみせ、すぐにキリッとした。


「本題だな。……七愚の魔物が、復活した」




それと、この小説、正直クズ過ぎて。

一年くらい出したら、非公開にします。

よろしくです。

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