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元冒険者と元魔王様が営む三ツ星☆☆☆(トリプルスター)SSSランクのお店『悪魔deレストラン』~レストラン経営で世界を統治せよ!~  作者: 雪乃兎姫
第7章 クランの設立と開業編

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第167話 使えるものは例え旦那様だろうと無賃金で使い倒せ!

「そういえばシズネさん、少し気になったんだけどさ……宿屋の方は準備しなくてもいいのか? 明日アリッサ達の店と同じく、オープンなんだろ?」

「あっ、そちらの方はアリアやもきゅ子、アマネ達が準備を既に整えてくれています。と言っても、やることと言えばベットメイクや掃除くらいですからね。それほど時間はかからないのですよ」


 どうやら宿屋の方も準備に抜かりは無い様子。これならば明日、三店舗同時にオープンすることができるだろう。

 そうして遅い昼食を食べ終えた俺達はレストランの仕事と並行しながら、アリッサとジャスミンの店と共に宿屋の準備を終えて忙しいその一日を終えるのだった。



 そしてあくる日の朝、新たに『道具屋』『武具屋』『宿屋』という異業種四店舗体制という新たな業態で幕を開けることとなった。


 最初は新しい店で知名度も無いから客なんて来ないだろうと考えていたのだが、そこはそれシズネさんに抜かりは無かった。


 いつの間に依頼したのか、またもやアヤメさんにチラシを描いて貰っており、俺達は朝っぱらからチラシ配りの宣伝広報をやらされることになったのだ。


 また前回と同様にウチのメイン顧客ターゲットである冒険者ギルドの依頼板やその店の入り口、冒険者の背中にまでチラシを貼り付けたり、果てはライバル店であるギルド直営の『道具屋』『武具屋』『宿屋』の店先の至る所にまでウチのチラシを貼り付けたのだと、アヤメさんは何故か自慢げに話してくれた。


「それは果たして本当に大丈夫なのか? ウチのライバル店なのに……」と一応口を挟むのだが、アヤメさんは「まぁそこはそれです。それにお嬢様の婚約者であるユウキさん関連のお店、つまりはギルドにも関わりがあるのです!」などと、強引なこじ付け理由で大丈夫とのこと。


 別に俺としてはダシ(・・)に使われようが良いのだが、シズネさんあたりは気にしないのだろうか? だが当のシズネさんは「別に良いのではないですかね? ワタシどもに利益こそあれ、不利益はありませんしね。それに使えるものは例え旦那様でも使え……もちろん無賃金で!! と言いますしね。この際ですので、利用できるだけ利用してやりましょう♪」っと、むしろ意気揚々と言ったホクホク顔でそれを受け入れたのだった。

 

 冒険者達もこれだけの宣伝、しかもライバル店であるギルド直営店にまで「今話題沸騰中の一大スポット! 食事するついでに武具や道具を買っちゃうおう♪ 行かない冒険者は死罪ですからね!!」な~んてデカデカと書かれた宣伝チラシが至る所(冒険者自身の背中等々にまで)に張られていれば、行かないにはいかなかった。

 また新規の店と言うこともあり、好奇心旺盛な冒険者達の注目も惹き、俺達の店は開店初日から大盛況となった。


 もちろん主な業務はレストランである。特にお昼時などは外にまで行列ができ他に手を回せないほど大盛況なので、お客達には自由に武具屋や道具屋を見て回ってもらい、欲しい商品があれば必ず近くにいる店員へと声をかける『声かけ販売』を推奨した。


 これならば常に各店先へと従業員を遊ばせておく必要性もなく、またお客達も気兼ねなく店内にある商品を見て回れるので「店に来たら必ず買わなければいけない」などとの気負い心理状態から解放され、食事がてらに見て回れる気軽に立ち寄れるお店と評判になった。


 だが一見すると声かけ販売には問題点もあるように思えた。良い客ばかりならばいいのだが当然中には悪い客などが訪れ、店員に声をかけずに店の商品を盗む輩が出てくるような懸念事項もあったのだ。だがそれもあることで杞憂に終わってしまう。


 そこはそれ……番犬ならぬ番竜の冥王であるジズさんが文字通り赤い目を光らせているため、万引き等々の窃盗は起こる隙も皆無だったのだ。むしろ店から商品を外へと持ち出せば嫌でもジズさんの目に留まり、餌を(つい)ばまれるように頭をガブリっとされてしまうことだろう。


 まさかシズネさんは最初からそこまで見越して、ジズさんを宿屋の玄関へと押し込めたのだろうか?


 また「兄さん、ワテもこうして仕事を貰えて、なんや兄さんらの一員になれたようで嬉しいんですわ」とジズさんも労働の喜びに目覚めたのだが、その言葉を聞いた通りすがりのシズネさんは「あっジズも旦那様同様、もちろん無賃金ですからね。ほんと貴方の使い道にほとほと困っていたところですよ。いやぁ~宿屋に押し込めたはまでは良かったですが、どうオチに使おうかと迷っていました。ですがこうして有用な使い道を得られて良かった良かった。HAHAHAHA」などと、実は何にも考えずにジズさんを押し込め、すべては偶然の産物だったと暴露したのだった。


 それを聞いたジズさんは「兄さん、ワテ……ワテ……たった今、兄さんの気持ち痛いほど理解しましたわ……」っと、何故か俺への哀れみの言葉をかけてくれたのだった。……というか、アンタまで普段から俺をそんな目で見ていやがったのかよ!? 同情して損した! っと毎度毎度、俺をダシとオチに使われるところまでがお約束だったわけだ。



 そうして忙しくも慌ただしい新しい一日が終わり、店の片付けをし終えて、今はいつもより遅い夕食をみんなで取っている最中だ。


 もちろん話題は新しい店への問題点や課題点を話し合いなのは言うまでも無いだろう……。



 ……とか言いつつも実は問題点や課題点、何それ??? 状態なので、それを次話までに思いつきながらも、お話は第168話へつづく

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