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元冒険者と元魔王様が営む三ツ星☆☆☆(トリプルスター)SSSランクのお店『悪魔deレストラン』~レストラン経営で世界を統治せよ!~  作者: 雪乃兎姫
第6章 ~経営指南編~

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第117話 二人のお姉さんとの出会いと生足インパクト

「(マジかよマジかよ。一体俺が何したって言うんだよ? 何でお姉さん、俺の方に一直線に来ちゃってるわけ)」


 俺は逃げ惑うこともせず、ただそこに突っ立ち困惑の傍観をすることしかできずにいた。何故ビッチビチのお姉さんが俺に向かって歩いてくるのか? しいてその原因を挙げるならば、きっと興味を惹いたのはその場に乱入したことくらいかもしれない。


「…………」


 カッカッカッ……。人が多いにも関わらず、誰も言葉を発しようとせずにお姉さんの歩く音だけが響き渡っていた。そしてついに……お姉さんが俺の目前へと姿を見せる。


「…………」

「あの、そのぉ~……俺に何か用でもある、わぁ~っとっ!」


 グイっとこれまた胸倉を掴まれて、そのまま首を締め上げられてしまう。ビッチお姉さんは力が強いのか、男の俺を軽々と片手一つで持ち上げてしまい、俺は文字通り地に足が着いていない状態になってしまう。


「ぐ~っ。く、苦しい……ちょ、ちょっと落ち着いてぇ~……」


 ググググッ。だがそう口にすると更に本気で殺さんばかりに力を入れられ、次第に意識が遠のいていく。まさかこのまま殺されてしまうのだろうか?


「ちょっとアリッサ、何をしているのよ貴女は! 無関係な人になんてことを!!」

「……ちっ」

「ごほっごほっ……た、助かった……のか」


 突然そのお姉さんの背後から、名前を呼ぶ声が聞こえたかと思うと舌打ちされ、意識が堕ちるその寸前でどうにか突き放され、難を得る。俺は極度の酸欠と首の圧迫感から、急ぎ酸素を二酸化炭素へと換える作業に没頭する……まぁ苦しくてただ息をしているだけである。


「あのね、アリッサ。私は『ちょっとここで待っててね』って、ちゃんと言ったわよね?」

「……あー、確かそんなことも言ってたかもしんないねー」


 知り合い同士なのか、その人とお姉さんは親しそうに話をしている。そして既に地面と化している元店主を踏みつけると、その女性はこれまた地面とお友達になる寸前の俺の方へとやって来た。


「ぐぼっ!? ご褒美、あ、ありがとうございまーす!」

「ごほごほっ……」

(に、逃げなきゃ……)


 ビッチお姉さんの仲間が増え、俺は考える暇も無いほどの生命の危機を感じて逃げ出そうとするのだが、こう声をかけられ見上げると逃げられなくなってしまう。あとなんでか知らないけれども、お姉さんに踏まれた店主が感謝の言葉を述べたのは何故だろう? ご褒美とか言ってるし……そっちの趣味でもあんのか?


挿絵(By みてみん)

「キミ大丈夫? ごめんなさいねぇ~、ツレが粗相をしちゃったみたいで」

「…………」

(……生足! 生の足と書いて生足! まさかのビッチお姉さんの次は優しそうなお姉さんだと……マジかよ)


 俺はそのお姉さんの足から目を離させなくなっていた。ま、俺が地面に倒れ込んでいるため、見上げるとちょうどお姉さんの足がダイレクトに脳脊髄へと刺激を送っているだけなのだ。そのインパクトと言えば「生足生足……」っとナマハゲの親戚の如く、呟いて文字表現しかできないほどであった。


「んっ」

「えっ??? ……あっ、すみません!」


 そのお姉さんから右手を差し出されて「一体何を?」と一瞬思考が止まり、そこで改めて自分の置かれた状況を確認して「立ったらどう?」っと手を差し出されている事だと気がついた。


「よっと」

「おわっ……あっ、ありがとうございます」


 俺の右手を何の躊躇も無く握ってグイっと引っ張られて、ようやく立つことができた。だがしかし、男である俺を軽々と引っ張ったお姉さんは只者ではないと感じてしまう。そのお姉さんはとても異国情緒溢れる雰囲気の服装をしていた。


 青色と緑色の中間色のような長い髪を二つに別けてその途中で小さなバンダナのような物で縛り、赤茶色の瞳にピンクを基調とした羽織着を身に纏い、上部は半袖……いや、バンダナと同じ柄の布を下着の代わりとし、下は生足と魅力ある太ももをこれでもかっ! っと強調した短いズボン……いや、端がゴワゴワに切れているので元は長ズボンを加工したものなのかもしれない。


 また頭には髪が目に入らないようにとヘアバンドをして、髪や首周りにも羽をあしらった装飾品が綺麗な物を身に付けていた。また雰囲気としても、先程のビッチお姉さんとは対象的にどこか柔らかそうな感じの優しいお姉さんと言った感じである。


「いいのよいいのよ。お礼なんていらないわよ。むしろ私のツレの方が酷い事しちゃったみたいだし……さ」

「ぅぅっ」


 お姉さんは俺に声をかけながら、隣にいるビッチなお姉さんをギロリっと睨んでいた。何も言い返せないのか、ビッチお姉さんはバツが悪そうな顔で頭を掻いていた。


「あの、貴女は一体……」

「あっ、ごめんごめん。名前がまだだったわね。私の名前は……」

「あーっ! アリアだーっ!!」 


 俺がお姉さん達についてを聞こうとし、またお姉さんも自分の名前を口にするその寸前、突如として野次馬の中から大声と共に俺が知っている奴らが顔を覗かせるのだった……。



 新たなキャラはお姉さん二人! 果たして主人公を取り巻く環境はどうなってしまうのか! などと囃し立てつつも、お話は第118話へつづく

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