お話
最後、変なところで切れています。急いで、次を投稿するので気にしないでください。
0003
「さあ、最上くんも立って、ちょっと話をしようか」
綉は、彼女が飛び降りたことをを知っているようだが、それについては、不思議に思っていないみたいだ。・・・そうだ、「怪異の気配がするなー」とか、言ってたから、また怪異が関係しているのだろう。
綉が来たおかげで怖さが消え、安心さえ感じる――いや、たぶん誰でもよかったんだろう、中年おじさんでも、子供でも、かわいい女性でも、死んでしまった祖先の人でも――いや、最後のは気絶してしまいそうだな。
僕は、綉に言われた通りに立ち上がる。
「ここで、話すのもなんだから少し歩きながら話そうか。ほら、止まってないで、女子ちゃんも、もしかしたら君の問題を解決できるかもしれないよ」
綉が「君の問題」と言った瞬間――彼女は顔をあげる。
あげた顔はかわいらしく整っており、僕は彼女のことを知っている―― 睦月せいら 新学期から変わってしまった、不思議な女子だ。いや、これが普通の彼女で1年生の彼女は、ただ、僕の妹のように演じていただけだろうか――いや、僕の妹は例外か。
反応した、彼女を見て綉は歩き出し、睦月は綉についていくそれに続いて、いやいや、しぶしぶ僕もついていく。この件については、僕も無関係ではない。
0004
校舎から校門に続く道を僕、綉、睦月せいら、が静かに歩いている、何も知らない人が見ると不思議な組み合わせだろう。
校門を出た直後、しばらく保たれていた沈黙が破られる。それを破ったのは、また、 綉 だった。
「じゃあ、まず、自己紹介をしようか。互いのことがわからないと、話が進まないからね。じゃあ、最初は僕から、僕の名前は 綉じん 人にとりついた怪異を専門に追い払っている。この容姿は・・・気にしないでくれ、人間見た目100%って、わけではないからね。次、最上君」
綉 の簡単な自己紹介は終わり、僕の方へ番が回ってきた。
「僕の名前は、 最上 空 です。睦月さん、僕も怪異については少しは理解しているのでよろしくお願いします」
「最上君、君はおかたいなー、もっと、最初から馴れ馴れしく話さないと仲良くなれないよ」
僕の自己紹介は、自分でも堅いと思うが、 綉 みたいにいきなり、話せるほど僕のコミュニケーション能力は高くできていない。
軽く自己嫌悪したところで僕の自己紹介が終わる。
そして、この不思議な3人組ができた。原因の彼女に 綉 は、目を向けて、会話の流れ通りの言葉を投げかける。
「じゃあ、次、 睦月 ちゃん」
「・・・ 睦月 せいら・・・です。・・・これで・・・何がわかるんですか?」
睦月の簡単な自己紹介が終わり、また、沈黙が流れ、それを破るのは、綉だと思っていたが、沈黙が流れる前に話を進めたのは、意外にも 睦月 だった。3度目の正直というやつか。
「特に意味は、ないよ――いや、君が僕と最上君、僕が君を、 最上君 が君を、表がどうゆう人間なのか理解する場と考えれば、これは、必要だね」
綉 が「僕が君を、 最上君 が君を」と、つまり、綉が睦月を、僕が睦月を――なぜ、僕と綉が互いに知っているかというと、昨日――細かく言うと、昨日と今日、日を渡って起きた出来事なのだが、彼女、僕の妹――自分の妹に、彼女というのは、変かもしれないけど――実際には、それがあっていると思う。妹に怪異がついた期間は、妹が高校に入る前から、昨日まで、だいたい一か月と半月ほど、とりついた怪異は、思ったことと逆のことをしてしまう怪異、普通の人にとりついたら、人間関係が崩れてしまうのだが――妹の場合は違った。言っていなかったが、僕の妹は、すごく性格が悪い、家の中だけのことなら、普通の人なのだが、どこに行っても性格は、悪いまま、だから、彼女はすごく性格が良くなった。それだけで終わればいいのだが、終わらず、妹は、自分の考えている事と逆のことをしているのだから、ストレスが溜まる。そして、妹のストレス発散しているところに運悪く――いや、運良く出会い、綉の協力があってその件は、終わった。その時に、今と同じことをした。だから、綉は僕のことを知っている、そして、僕は綉のことを知っている。それだけ。
つづく
妹についての話は、また今度書きます