掲示板。
掲示板。
それは先生が生徒に対して伝えることがある時に主に使用するものだ。
うちの学校にはそれとは別に、大きな生徒用の掲示板が設置されている。
それは生徒ならば誰もが使用できるもので、他者に迷惑をかけない限り掲示物に制限はない。
貼ってあるものを勝手に剥がしてはいけないことと、人が不快に思う物でなければ何を貼ってもいい。そんな掲示板だ。
その掲示板は毎月1日に学校側によってリセットされるのだが、その翌日には掲示板が見えなくなるほどのプリントで埋め尽くされてしまっている。かくいう今日は14日。バレンタインでもホワイトデーでもないが掲示板の人気は変わらない。あいもかわらず、てんこ盛りだ。
色とりどりのプリントが幾重にも折り重なり平安時代の女性たちが愛用していた十二単のようになった掲示板は色鮮やかではあるが、そこに張り出された内容は一切読み取れない。
なぜ?と問われれば、袖口から中に重ねた着物がわかるように端しかその存在を認識できないからだ。これでは掲示した意味がない。
最近はいらない物を掲示板にかけては、わらしべ長者よろしく顔も知らないであろう誰かとの物々交換が盛んになってしまっている。昨日はボールペンだったものが、今日には単三電池に変化している姿をみるとその経緯が少し気になってくるものだ。
ん?なになに。
今日の学食の数量限定かぼちゃプリンが絶品!早い者勝ちだ、急げ!!
だって!
これは急がねば。
こんな風に生徒間での情報共有の場としても使われているし、便利で万能な掲示板さ。