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07 盗聴


 「……まぁこれは、全部ステパンさんに聞いたんだけどね。」


 そう狼頭の彼は苦笑しながら言った。私は、


 「……ねぇ、もしかしてそのステパンさんの目的って……?。」


と言う、すると彼は、


 「……復讐だって、言ってた。あと、僕たちの事を世界に認知させる為だって……。」


と言った。それを聞いた私は、


 「……そう。でもこれは、正義だと思う。」


と言った。

 そしてそれから少しして彼は、


 「……ココア、冷めちゃったね。淹れてくるよ。」


と言って立ち上がる、私は彼に、


 「ありがと、……えっと、何て呼べば良いかしら?。」


と聞く、すると彼は笑って、


 「ナジェージダ、母さんがつけてくれた名前なんだって。」


と言った、私は、


 「私はエリーザベト・フェルベルマイヤー、みんなエリーザって呼んでるわ。」


と言う、するとナジェージダは笑って、


 「それじゃ。エリーザさん、ですかね。」


と言った。



 ………



 「……なるほど、な……。」


 私の見張りはナジェージダからステパンへと変わった。

 そして私はステパンにある計画を伝えた。

 ローレンス隊長――、彼は国連と深い繋がりを持っている、だから隊長を通じて国連軍にここから救助してもらい、世界にアドリアンのクソッタレ野郎の悪事をバラそう、と提案したのだ。



 ――私は正直ステパンは憎しみに捕らわれていて恐らくこの作戦は駄目だろうと思っていた。……しかし、


 「……分かった。」


 そうステパンは言ったのだ、それからステパンは驚いている私に向かって、


 「……だがそれは、鼠を退治してからだ。」


と言って私に持っていたライフルを突きつけた。


 「……なっ、何を?。」


 そう私はステパンに聞く、すると彼は、


 「……その軍用靴、何処で手に入れた?。」


と聞いてきた、私は正直に、


 「今日軍隊から支給されたのよ……。」


と言う、するとステパンは、


 「……脱げ。」


と言った、仕方なく私は言われた通りに靴を脱ぐ、するとステパンは靴を調べ、突然靴底を剥がしたのだ。


 中から出てきたのは黒色のボディの薄型携帯電話端末ほどの大きさの機械――、赤色のランプが点灯していた。

 ステパンは、


 「……盗聴機か。」


と呟き、その機械を握り潰す、そして、


 「……恐らく盗聴されていれば奴等は国連が介入する前に俺たちを始末する筈だ。その国連と繋がりのある奴の名前はまだ言っていないだろう?。……とりあえず身体検査したら無線機は返す、早く連絡しろ。」


と言った。




 ――その同時刻、ロシア軍仮設移動式発令所では、アドリアン・ログネンコが、「クソッ!。」と呟きながら机を叩いた。

 あの女の靴底に盗聴機を仕掛け、作戦中に不慮の事故としてワイヤーが切れて落ちる、そして彼女は捕まり、女の靴底に仕掛けた盗聴機から色々な事が分かると思っていた。


 ――しかしステパンのクズは、盗聴機を見抜いたのだ。


 「流石は戦場の英雄……、か。」


アドリアンはそう呟く、それから部下に、


 「おい!、突入部隊編成はまだなのか!?。」


と聞く、すると部下は、


 「……すみません、あと一時間程で完了します!。」


と言う、アドリアンは鼻をフン、と鳴らすと、


 「……クズが、使えないな。」


と言った、そしてそれからアドリアンは部下に、


 「数を集めればいいんだ、ロシア警察の特殊部隊も使え!。」


と怒鳴った。

 その時部下はギュッと血が滲む程手を握り締めていたのだが、アドリアンは気がつかなかった。

 ついに突入するロシア軍。

 エリーザを守ろうとするナジェージダ。

 そして……。


 次回『Мертвец』

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