03 異形のもの
次回、投稿遅れます。
――「……銃を下ろしなさい!。」
まだ痺れは残っていたがエリーザはスナイパーへと拳銃を向けた。
スナイパーはライフルを下ろす。それからエリーザの方を見ると、
「……警察か。」
と呟いた。エリーザは、
「つべこべ言ってないで!、銃を床において、手をあげな――。」
と、そこまで言った時だった。
頭に固いものが押し付けられたのだ、それからカチャン、と言う音。
―――拳銃の撃鉄を下ろした音だ。
そうエリーザは判断した。
次にくぐもった声で、
「…抵抗しなければ、手荒な真似はしない。……銃を、下ろしてくれませんか?。」
と言う声が後ろから聞こえる、エリーザが銃を下ろすとスナイパーがエリーザの銃を取り上げた。
―――それから2分後、エリーザは全ての武器を取り上げられ、椅子に縛りつけられていた。
スナイパーは何処かに行ってしまい、居るのは自分に銃を向けた男だけだ。
男は深々とフードをかぶり、顔を仮面で覆っていた。
仮面には模様は何も書かれておらず、口の辺りは長く延びている、後は目のための穴が開けられていた。
「…すみません、こうしないと暴れられる思ったので…。」
仮面の男はすまなさそうにエリーザに向かい言ってきた。エリーザは、
「……別に、私もあなたの立場ならそうしてるわ。」
と素っ気なく言った。仮面の男は、
「…すみません。」
と言った。それから仮面の男は、
「…縄、きつくないですか?。」
と聞いてきた、エリーザは、
「…少し、痛いわね。」
と言う、すると仮面の男は、
「…ちょっと待ってください。」
と言ってエリーザに近づく、そして仮面の男がエリーザの縄を緩めると、エリーザはそのまま立ち上がり、仮面の男の頭を蹴りあげた。
「ッ!?。」
声にならない悲鳴をあげ、仮面の男は倒れる。
エリーザは素早く仮面の男こ拳銃を拾うと、仮面の男に突きつける。
仮面の男の仮面は、取れていた。
―――しかしその顔は、人では無かった。
狼、その男は人間の身体に狼の頭部を持っていたのだ。
「……ほ、本物よね…。」
エリーザは激しく動揺した。
あり得ない。けど実際にそれは事実なのだ。
そして動揺しているエリーザの隙をついて、仮面を被っていた狼頭はエリーザを押し倒した。
『自由革命隊』の目的、仮面を被った異形の正体、そして謎のスナイパーの正体、軍が裏で行った実験、それらの真実を、エリーザは知ることになる。
次回、『Wahrheit der Finsternis Ⅰ』