表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/21

思案王子

その後、自分の部屋に戻り、

なにかとルミアのことを決め、侍女を紹介し、

別々の部屋で寝た。


今まで別々だったことは一度もないが、


侍女にも少しは心を許したようだし、大丈夫だろうと思った。



そして、寝る。



***翌日。


ピチピチピチィイ、・・ばさばさっ、

ピチピチチィイー


鳥のさえずり。それは朝を思わせた。

羽の羽ばたく音と一緒に聞こえる。


ピカァーーー


朝日が窓から差し込んで、俺は目を覚ました。

時計の指す時刻は九時。


とりあえず、身支度する。


「----」


隣の部屋の気配を探った。


「まだ、寝てるか」


無理もない。昨日は、ずっと馬車に揺られて

そのまえは、歩きと宿泊の長旅。

それのまえは野宿だ。


相当体力は削られ、疲れ果てただろう。

今日は一日休ませよう。


だったら、

その間に俺のできることはーーー




ーーーーーーー準備。




王は魔力を取り戻すための準備をしろといった。


簡単に言ってくれるが、それは至難の業だ。


おそらく魔力を感知するのはまだ簡単なほうだろうが、

それでも難易度は高い。


ある程度の距離なら気配を探れる。

しかし、それ以上となると、話は別だ。


魔道具がどうしても必要になる。

しかも、強力なやつを。

ルミアの魔力は大きく強大だから、感知して壊れる可能性がある。


それに、魔力を取り返すというのはもっと大変だ。


一番ぶつかる大きな問題だろう。


魔物が保持しているのだ。


生け捕りなど、こっちの身が危ない。


また体を消し飛ばすことも魔力を消すのと同じことになってしまう。


「・・・・」


食事の間にいき、朝食を用意させ、考えた。

悶々と方法を考えあぐねていると、


「リオミヤ様、食事が口に合いませんでしたか?」


と、侍女の一人が聞いてきた。

茶色のかかった髪をもつ女だ。


聞いてくるそいつを一瞬見て、ルミアの侍女ユラだと悟った。


「ユラ、か。

いや、食事はまずくない。口に合う。

他に考え事をしてただけだ」


ユラとは面識があった。

とても聡明な侍女だ。権力も侍女の中では有力な方。


そこまで正直に言って、

彼女ならなにか案を出してくれると思い当たった。


「他の、ですか。

それは、ルミア様のことで??」


案の定、するどく確認してきた。


「あぁ。魔力を魔物から取り返す方法を、少しな」


そう言って食事を終えて、彼女に話す。


「--・・魔力ですか」


そうつぶやいて、俺の剣の鞘を侍女は見る。


「剣・・、リオミヤ様、

剣に魔力を吸収する力を与えれば、あるいは」


思案顔で、侍女は答えた。


その言葉は考えの渦に光をさした。


「!そうか。その手があったか」


剣にその力をあたえれば、魔物も倒せ、魔力を奪える。

その魔力をルミアに与える・・それならーー!


俺は頭の中ですばやく考え、実行することにした。


「すっきりいたしましたか」

「あぁ。すっきりした。」


俺は立ち上がり、剣を手に、扉に向かう。


「ユラ、礼を言う。

さっそく鍛冶屋に頼みに行くことにした。」


「今からですか?」


「あぁ。善は急げというからな。ルミアのことは頼んだぞ。

あいつは不安がるだろうからそばにいてやってくれ。

夜までには帰る」


「はい。承知いたしました。

お気をつけて」


「あぁ」


俺はそうして、朝早くに城を出たのだった。


幸い、鍛冶屋やマジックショップは“あて”がある。

これで全部うまく解決するはずだーーー!


嬉々として城下に俺は向かった。


だから。

城を出たとき、何者かに見られたことに気づかなかった。




****城下町。とある裏町で。


がやがや、わいわいと、騒ぐ表の道。


そこには入らず、俺は裏道を通って

裏口から、俺の通う鍛冶屋に入った。


外からは工場のような鉄の壁と、入り口はお店のようになっているが

奥は鍛冶をする場所が設けられていた。



ボォゥワァアアーーー、

キンッ・・キンッ!


燃え盛る火炎で鉄を溶かし、形を成すためにたたく。


炎のバチバチと燃える音と金属音がその場には響いていた。


邪魔にならないようにそれを見つつ、歩き、カウンターに近づくと、


「おお、殿下じゃないかっ、いらっしゃい。

今日は何用で?」


と、店主が声をかけてきた。

それなりに年老いた熟練者だった。


俺の剣を何度も俺のリクエスト通りに造ってくれる。


「俺の剣のスペアを前に頼んだはずだ、あるか?」


「へい、ありますぜ、これでしょう?」


剣の鞘ごとそのロングソードを店主は持ってきた。


俺の剣は

切るたびに切れ味がよくなる魔法を呪印で刻まれている。


今回それも刻まれていた。


「あぁ、それに追加して

獲物を切るとある種の魔力に反応してそれだけ吸収し

俺の意思に従ってそれを解放できるように、できないか?」


われながら無茶な頼みをしていると思う。

だが、金を貢げばこのくらいはーーー


「それはまた至難の業物になりそうな注文だぁ。はっはっ」


眼を見開いて店主は豪快に笑った。


「できるか?」


この俺に不可能などない、みたいな表情をされたので

そのまま、真剣に問いかけた。


「へい、その種の魔力の根源さえ、わかれば。

お金はもちろん高くつきますぜ」


「金は気にするな。討伐で俺がどれだけ稼いでいるか知ってるだろう。

そうだな、魔力の根源か。少し待て」


俺はうなった。

魔力か。

実際、ルミアが俺に触れたことがある。

この服にも、魔力の痕跡はあるだろう。


そこから魔力の識別は俺ならできるはずだ。


俺は上着を脱いで、ちょうど昨日彼女が触れたあたりを

眼に魔力をこめて、みた。


「!」


すると、そこには、魔力の痕跡:色とオーラがうっすらと残っている。


よくよく見れば、魔力の根源である魔力糸が、文字になって浮かび上がった。


「これだな。

店主、これは他言無用にしてくれ。」


俺は上着を店主に見せた。ちょうど魔力の痕跡部分を見せる。


「!これは・・。

へい、これはオイラだけでやるしかないですなぁー。」


店主はうなずいた。

ものわかりがよくて助かる人だ。


鍛冶においては城下で右に出るものはいないだろう。

魔法に関してもトップにつける実力の持ち主だ。


「あぁ、よろしく頼む。

あまり急ぐことではないが、早いほうがいい。

いつごろできる?」


「・・・術式にてこずれば、一ヶ月。

そうでなくても、三週間はかかりますぜ」


「あぁ、一ヶ月ぐらいなら待てる。

一ヶ月半、それだけたったらまたくる。それまでに頼んだぞ」


「へい!」


「じゃあまたな」


俺はそうして、次の場所へと赴いた。


侍女登場!

あら、侍女とルミアの会話がない。

よし!あとがきに書こう。


***別々の部屋に入った後の話***


リオミヤが部屋に入ってしまい、

ルミアはなんとなくそちらに眼を向けた。



「ルミア様、貴方の侍女になりました、ユラです。

どうぞ末永くよろしくおねがいします」


そこにすっと抵抗なく侍女は挨拶をした。

深く頭を下げて忠誠を示す。


侍女はルミアの事情を王子から聞いていた。


「・・ユラ、--よろしく」



ルミアは侍女をちらっとみてうなずいた。

少し表情を緩ませる。


やはり同姓は落ち着くのか。


「はい。ルミア様。

これからは私になんでもお任せくださいね」


侍女がそう言ってふんわり笑えば、


「うん」


と、彼女はうなずいた。


だが、視線はやはり、どうしても王子の方に向いてしまう。


「ルミア様、お風呂に行きましょう」

「-うん」


そうして侍女につれられてルミアはお風呂に入り、

侍女は侍女で仕事をこなしていくのだった。


そんなことが隣であることも露知らずに王子は先に寝てしまったのだった。


ちゃんちゃん。


作者から一言。


だから、王子のほうが起きるの早かったんだ!!w

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ