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突然ですが、貴方は異世界に召喚されたいですか?  作者: 十三月
第一章――屍を拾う者と拾われる者
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第五話――動き出した屍

現在俺は柄にもなく地べたに正座している。


ちなみに特に意味は無い。


ただ、ゾンビとなった事で痛覚が少々麻痺しているらしく、なんと、正座しても足が痺れなくなったのである。


べ、別にそんなことが嬉しくてやったんじゃないんだからねっ!



はい、どうでもいいことですいません。



「で、つまり」


なので、どうでもよくない事を話すことにする。


「俺は、ゾンビとなって生き返ったと」


何を今更と言ったそこの君。


この事象の重要性は果てしないですよ?


何せ、今俺が生きてるのか死んでるかの超重要ボーダーラインですから。



ちなみに、私の中ではゾンビ(非腐敗に限る)、幽霊(美少女に限る)、吸血鬼化(美青年は爆発しろ)は、生き返ったので死人扱いじゃないです。


ええ、とりあえず魂的な何かを感じますから。たぶん生きてるカテゴリーに入れてあげた方がいいでしょう。


というわけで、ゾンビなら生還ですよ。生き返りです。



「うん、ボクの超天才的技術で、具体的には<命の珠>の無限魔力回路を死んでしまった心臓の回路の代わりにすることで疑似生命体として活動できるように…………」


はい、というわけで良くわからない話が続き始めましたが、生き返り確定ですよ。


ちなみに、この何故か始まった自慢話はデフォでついてきます。


さっきから話を聞いていたのだが、何故か生き返らせた技術に関して聞くと、押し売りのようなアピールが始まるのである。


いや、なんでかは知らんけど。あえて聞かないけど。聞いちゃいけない気がするけど。


「で、今の俺はどうなったんだ?」


「で、つまりこの死んでしまった肉……あ、うん。ええっっとー…………多分、生き返った。以上」


「短っ! なんかこう、無いの?」


取説みたいなヤツは。


「なんかって?」


「例えば、ほら。元の筋力の10倍UP! とか、死んでも死ななくなったぜ! とか」


「うーん」


何故そこで頭を傾げる。


いや、頭をちょっと傾けた考えている姿は誠に可愛らしいので良いのですが。


ケドネ、可愛いは正義でも、正義が勝つとは限らぬのよ?


だってほら、身体強化とかなんとか言ってたし!


「多分、身体能力とか、五感がぱわーあっぷしてるとは思うんだけどねー」


そこひらがなにされると信用性が薄くなる気がするのですが。


「ああもぅ、うるさい! とりあえず色々突っ込んだからたぶん強くなってる! はず」


逆ギレされました。



で、とりあえず自分の体については最低限の保証のみのちょっと危険という事以外にわかりそうな事が無いので、今後の予定を聞いてみる。


多分、というか絶対ハルは何も考えてないけど。


「で、どうすればいいの?」


一応、聞いてみる。


「へ? 何が?」


「今後の予定」


「…………」


はい、予想通りでした。


まぁ予定なんてないだろうね。ハルって見るからにマッドなサイエンティストだからな。


彼らの頭に不可能と常識とこの後どうするかの文字は無いのです。


となると、ゾンビとして生き返ってみたはいいものの、やる事が無いのですよね。


俺も、なんか異世界から飛ばされてそれっきりだし。



というか、あの女神今度会ったら殺してやる。


ドラゴンの真ん前とか。ハルが居なかったら生き返れなかったじゃねぇか。


思い出したら、なんとなくムカついてきました。


こんな時は――飯が一番だな。



「ま、飯にでもするか」


というか、この体が飯が食えるのか気になって仕方ないのですよ。


人間の三大欲求は! 食欲! 睡眠欲! 食欲! ですから。


ええ、性欲なんて無いですよ。健全な青年ですから、花より団子できればみたらし。


さて、食べられるものは――


大部屋A:人体実験室

部屋に有る物リスト

・人肉(腕)

・人肉(足)

・人肉(脳味噌)

  :

  :

  :



すいません、人肉しかないです。


「食料部屋は……別にあるよな?」


「ボクをなんだと思ってるのさ!」



はい、それでは。


食料を求めて、ハルの家宅捜査開始!





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