ゴブリン徹底活用
ゴブリン。
人間や亜人種にとっては、忌むべき敵対種族のひとつである。
社会性があり、十頭前後の群れを作って行動する。
背丈は成人した人間の半分程度だが、意外に体力があり侮れない。
知能も高くはないものの、貧相ながら武器も使い罠も用い、策を弄する。
一頭二頭ならばまだそれほど脅威でもないが、恐れるべきはその繁殖力。
生まれてから成熟するまで三か月ほどしかかからず、しかも多産だ。
悪食で、その辺の生物なら死骸や腐肉まで平気で口にし消化する。
見過ごせば家畜や畑が簡単に全滅するし、下手すると人里も危険になる。
過去には村が襲われ、住民は全滅、ゴブリン共の食糧と化していた。
生き延びて数年経つと、年数に応じて知能も体格も上がっていき、
今まで確認された個体では、大柄な人間より大きな体格のものもいた。
その時は数百の群れとなっており、殲滅までに多大な犠牲が出たという。
記録によれば、本能で原始的な魔術を使う個体まで確認されていた。
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しかし、この村では。
ゴブリンは資源として様々に活用されている。
肉や内臓は細かく刻まれ、発酵させて肥料に。筋は乾かし釣り糸に。
皮はなめされ、羊皮紙の代替品に。骨は各種道具の素材に。
かつて村の孤児院にいた少年が、孤児院の畑に大規模な罠を仕掛け、
畑に来る害獣に混ざって仕留められた四十頭前後のゴブリンを見て、
埋めるにしても焼くにしても益はないのに労力は要る、と考えたのち、
別の動物の活用方法を参考にして資源化したのである。
当初は村人達も気味悪がった。だってゴブリンである。人型である。
しかし実際に製品として使ってみると、使い勝手が予想外に良い。
嫌々はじめてみたものの、正体を明かさず他の村で売ってみると、
これまた評判が良かったため、村人達もつい色気を出した。
今では少年考案の罠を、ゴブリンが出現しそうな場所に次々と設置し、
獲物が減少すれば、少年考案のゴブリン専用魔物寄せでおびき寄せ、
この村一帯の安全性は飛躍的に向上した。
ゴブリン徹底活用の件は他の地域に公表しなかったものの、
罠と魔物寄せの知識は少年も了承の上で近隣の村々にも無償提供した。
農作物や家畜が襲われるのは、彼ら共通の悩みだったからである。
この出来事がきっかけの一つとなり、
村長と孤児院の院長は少年を王立中央学院へ特待生推薦で送り出した。
向こうでもとんでもない事をやってくれるか、やらかしてくれるか。
大きな期待と大きな心配を混ぜこぜにしながら。
ある意味愉快犯ではなかろうか。
サイコパスぽい少年。周囲も巻き込むタイプ。
あ、この世界のゴブリンはR18行為に加担しません。残虐行為はやってます。




