旦那
義母の件が落ち着き、また自宅でホームパーティーを行うことになった。彼の小学生時代の同級生がたくさん集まった。
「克也、久しぶり!あんなやんちゃしてたお前が今や公務員やって綺麗な奥様捕まえてるなんてな。」
「羨ましい身分なもんだな。」
「淳、両平、篤哉も久しぶりだな。」
「こうやって集まるの3年ぶりくらいだな。両平は骨折してからどうなったんだ?」
「あれから会社から労災受けてしばらく自宅待機してた。ライブ配信で知り合った女の子と付き合ってすぐ別れたな。」
かなり盛り上がっていた。
「あの人達誰?」
娘が私に聞いた。
「パパの同級生よ。」
中には小学生くらいの子もたくさんいた。
「舞、お前も家庭持ってもスタイル保ってるじゃん。」
「克也、この人は?」
「小学校、中学校と同級生なんだ。」
「宮内舞です。」
彼女は同い年くらいの娘と中学生くらいの娘がいた。
「そう言えば私達こう見えて付き合ってたのよ。」
「え?」
「おい、舞、それは話すなよ。」
「だって事実でしょ。それに過ぎた話よ。もしかして奥様、不安になりました?うちら今はただの友達なので。」
「そうだな。お前は男友達のような感じだからな。」
「何それ?やめろし!うちは女子だっつーの。」
2人は仲良さそうに笑っていた。
「お邪魔したようね。2人で楽しんでて。」
私はキッチンで洗い物をした。
「ママ、洗い物手伝うよ。」
娘が私のもとに来た。
「ママばかり大変でしょ。」
「あやちゃん。余計な心配ばかりかけてごめんね。気持ちだけで十分だよ。あやちゃんはお友達と話してて。」
「あの子達、私のこと嫌いなんだと思う。」
「あやちゃん、そんなことないよ。」
「ママには分からないよ。私にはあの子達の眼差しや態度を見れば分かるの。とんでもないものを見てしまった目で見るから仲良くできると思わない。」
「もちろんママはあやちゃんに無理は言わないわ。もしあの子達が冷やかすようなことを言ったら私が容赦しないから。遠慮なく言って。」
「やっぱり頑張ってあの子達に話しかけて見る。いつもママに助けられてばかりだもん。」
私は離れていく娘を何も言わずに見守った。
「ねえ、私も大富豪したい。入れてくれない?」
旦那の同級生の子供達に娘は声をかける。
「何か聞こえなかった?」
「何かいるんだけど。」
「もしかして幽霊とか?」
「怖いんだけど。」
「ねえ、聞こえてるんでしょ。」
「ここってもしかして事故物件?」
「そんなはずないよ。文香、悪霊に取り憑かれてるんじゃないの?」
娘は表向き笑っていても心の中で苦しんでる様子は私には分かる。娘が彼ら彼女達にいったい何をしたと言うのだろうか?
「あやちゃん…」
「私、部屋戻ってるね。どうやら私あの子達の邪魔しちゃったのかも。」
「そんなことないよ。」
娘は急いで部屋に戻る。
「あやちゃん。」
娘を冷やかしたあの子達が内心許せなかった。
「ねえ、大富豪は楽しい?うちはウノとかもあるけど。」
娘を冷やかした子に声をかけた。
「あー、楽しいですよ。おばさん誰なの?」
「私はこと家の主人の妻よ。そしてさっきあなた達に声をかけた彩葉の母親よ。」
「彩葉?そんな子いたんですか?知らないです。」
「それほど大富豪が楽しかったようね。どうせ勝てるはずないのに。」
「さっきから何言ってるんですか?」
「思ったことをそのまま言ったの。気分を害したかしら?お詫びだけど、宮内さんの奥さんから貰ったお菓子よ。皆で分けて食べてね。あやちゃんの分はもう取ってあるから気にしないで。」
私はたくさんのお菓子を彼に渡した。
「克也、お前の奥さん綺麗で羨ましいな。俺もあんな奥さんいたら幸せなのにな。」
「馬鹿!何言ってるのよ。このスケベ野郎!私がいて目移りするな。」
「確かにあんなにスタイルも良くて美人で気がつかえる奥さんなんてそうそう探してもいないもんな。」
「私が男なら結婚してるかもね。」
「お前は女だろ!」
「例え話よ。」
「胸もよく見ると結構あるよな。」
「何それ?ウケるんだけど。」
「お前ら好き放題言うなよ。お前らだってそれくらいの奥さん捕まえられるだろ。」
「それにしても舞も負けないくらい綺麗だよな。」
「俺達のクラスのマドンナだったからな。」
「何その古い言い回し。」
「舞が一つ上の匠海さんと結婚してすぐ子供産むとは思わなかったよな。」
「SNSでもめちゃくちゃ幸せそうだよね。羨ましいわ。」
「あの、お茶のおかわりいる方いますか?」
私は話してる中旦那と同級生に聞く。
「私飲みたいわ。」
「俺も。」
どんどんお茶をついでいく。
「私はここで失礼します。」
楽しいそうなホームパーティーも終わりの時間を迎えた。
「克也、今日はありがとう。また何かあったら集まろうな。」
「また飲みに行こうぜ!」
家の中を見ると食べ残しと汚ればかりだった。床にはお茶の染みとか出来ていた。
「ママ、もう終わったの?」
「うん。あやちゃん、楽しくなかった。」
「何だか楽しめなかった。片付け何か手伝うよ。」
「あやちゃん、良いの。」
「だって、こんなにいつも散らかったり、汚れないでしょ。」
「ありがとう。それならあやちゃんには食器洗いお願いしようかな。」
「うん。」
どんどん部屋を綺麗にするが旦那は中々帰ってこない。
「パパは?もう30分くらい経ってるけど。」
娘が私に聞いた。
「電話するよ。」
「何かお腹痛い。」
「僕も。」
「大変だわ。すぐにトイレに行くよ。」
子供達はお腹を壊していた。
「俺達3人で飲まないか?克也。」
「いや、明子が片付けしてるから。」
「良いだろそんなこと。」
旦那の携帯が鳴る。
「もしもし、明子。」
「克也、今どこなの?」
「悪い。なりいきでこれから同級生と飲むことになったんだ。」
「そう。それはしょうがないわね。」
旦那は電話を切った。
「あの時みたいにはっちゃけようぜ。」
旦那も同級生も学生時代に戻ったような感じだった。
「パパはどうなったの?」
「同級生とカフェで話すことになったの。」
「何で突然?」
「パパも色々あるのよ。きっと誰かの悩みでも聞いてるの。」
「そうだよね。」
私と娘は無音の空間でどんどん片付けて行く。
「これで綺麗になったわね。あやちゃん、ありがとう。御駄賃よ。」
「ありがとう。」
「これくらい大したことないの。あやちゃん、これから夕飯作ってお風呂は沸かすからゆっくり休んでね。」
簡単夕ご飯を作り、娘と一緒に食べた。しばらくしたら旦那が帰宅して戻って来た。
「ただいま。」
「おかえりなさい。ずいぶん遅かったわね。」
「怒ってるのか?」
「ここだとあやちゃんに聞こえるから向こうで話しましょう。」
私達は違う所に移動した。
「今日の克也、変よ。」
「まだ怒ってるのか。悪かった。」
「私とあやちゃんで1人で片付けたんだよ。それにあの人達呼んで欲しくないの。あやちゃんのこと無視する子もいるし、わざと汚して謝らない人もいるし。」
「俺のダチのことまで悪く言うことはないだろ。」
「私からしたら他人よ。どうでも良いのよ。」
「今日は同級生と会ったから気が緩んでたんだよ。悪かったな。それなら今度明子も同級生に会いに行けよ。家のこと俺に任せて良いからさ。」
「それと宮内舞って人とも関わって欲しくないの。」
「嫉妬してるのか?」
夫は私を見てからかった。
「嫉妬なんかしてないの。友達のわりにやけに距離感が近いから。宮内舞には良くないものを感じるの。今後家に呼ばないで。」
「気分悪くしたら悪かったな。お詫びに今日もするか。」
「そう言う気分じゃないの。」
夜が過ぎた。
「ママ、今日友達が家に来るの。」
「今日も来るのね。それは楽しみね。」
私はお菓子を用意した。
「お邪魔します。」
「お邪魔します。」
「お邪魔します。」
3人の友達が娘の部屋に向かった。真理子、理恵、美咲の3人だ。
「あやちゃん、久しぶりね。」
「昨日、ホームパーティーやったの?」
「うん。パパの同級生がたくさん来たの。それと私と同い年くらいの子達も来たの。だけど中々仲良くなれなくて。」
「どうして?」
「私は初対面の時からあやちゃんと仲良くなりたいと思ったよ。」
理恵が言った。
「そう言われると照れるじゃん。でもあの子達、私が声かけると全員で無視したの。最初は気のせいだと思ったんだけど、何だかわざと無視してる感じで。何か私したのかな。」
「何それ、感じ悪い!彩葉、その子達の名前分かる?私がまとめて怒ってやりたいわ。」
「まりちゃん、もう過ぎたことだから良いんだよ。それに名前すら知らない子よ。世の中って仲良くなれない人もいるし、人を冷やかさないと気がすまない人達がいるのよ。だけど私以外の誰かがそんな扱い受けるなら私もはっきり言うよ。もちろんまりちゃんが不遇な扱い受けた時だってそうするつもりだよ。」
「彩葉。でも私は彩葉みたいな良い子にそんなことする連中許せない。直接会ったらにらみつけてやりたいわ。」
「真理子は敵に回さないほうが良いわね。」
美咲が言った。
「それにしてもこの部屋ぬいぐるみ増えたんじゃない?」
「勉強頑張ったからママに買ってもらったの。皆は学校は楽しい?」
「学校なんて勉強ばかりでそんなに楽しくないよ。彩葉みたいな家庭学習も憧れるけどね。」
「そうだよね。あやちゃんみたいな家ってどこ行っても見ないよね。でもそう言う選択肢もありだと思う。」
娘の友達は教育方針を尊重している。理恵と真理子と美咲とは私がかつて開いた子供編み物教室で知り合った。私も色々落ち着いたら自宅で編み物教室を開く予定だ。
「皆がいるから学校に行かなくても立派な思い出があるし。私は卒業アルバム貰えなくてもこの4人で過ごす幸せを貰うことは出来るよ。」
「あんた普段幼い感じなのに、たまに結構大人びたこと言うわね。」
真理子が言った。
「そうかな?」
「そうよ。でも私はあんたのそう言う所好きよ。」
「ありがとう。卒業制作とかもう作ってるの?」
「うん。私達は皆で時計作ってるんだ。」
「楽しそうで良いね。」
「そうだ。それならうちらでも卒業制作で何か作らない?」
「良いね。何が良いかな?」
「時計以外にしようよ。同じもの作ると飽きるでしょ。」
「あやちゃん、皆、入って良いかな?」
私はノックした。
「ママ、良いよ。」
私は娘の部屋に入り、お菓子とジュースを娘と友達に渡した。
「ありがとうございます。」
「お邪魔したかしら?」
「大丈夫ですよ。むしろこっちがお邪魔してる立場なんで。」
旦那が開いたパーティーの時と比べて娘がとても楽しそうで私は安心した。
「うわ!」
「おばさん、どうしたんですか?」
「何でもないの。気にしないですぐ出るわ。」
私はミヤ子と言う人形と目が合いビックリした。目が動いてるようだった。明日もミヤ子との日々がやって来る。




