第2章 後ろ盾
この世界から戦争をなくす組織…この組織を支える企業とは?
今この傭兵団を支える企業は4つ存在する。
VolyaTech社、StahlFrieden社
ZvezdaIndustria社、
Neue Ordnung AG社だ。
これらの企業一つ一つがこの傭兵団を支えている。
Volya Tech社はサイボーグや義体技術の開発、生産を補う企業で、各企業でサイボーグの開発が急がれる中初めて軍事利用を促進した企業。傭兵団に自由を与え、今はアンドロイドたちの修理などの仕事、飛行機などの修理。つまり整備士を派遣している。
スローガンは「旧き束縛を断ち、新たな進化を。」
次にStahlFrieden社だ。この会社では兵器製造、戦術支援を行っている。
Volya Tech社の子会社で戦略兵器、AI制御戦闘ドローンの製造を行っている。
傭兵団のアンドロイドたちに適した兵器の開発、生産を行っている。
この会社には子会社がありそこで銃弾の製造などが行われている。
スローガンは「鋼鉄が守る、静寂の未来。」
次はZvezdalndustria社だ。ここでは軌道兵器や軍用衛星ネットワークを管理、維持している。
傭兵団の拠点はこの軍事衛星が見つけたもので他の衛星からは非常に発見されにくい場所を
特定した。この会社では敵国の戦争情報を宇宙から探知、その情報を「No Flag」に共有している。スローガンは「宇宙が教える、我らが導く未来を。」
最後に紹介するのがNeue Ordnung AG社だ。この会社なしでは「No Flag」の活動はできないと言っても過言ではない。この会社はNoFlagの戦争資金、兵器調達、そしてSNSやメディアを手に取る会社だ。表向きは大人気SNS動画サイトなどを運営、管理していてSNSを牛耳っている。スローガンは「混沌に秩序を。歴史に終止符を。」Neue Ordnung AG は世界の現状を
「腐敗した旧秩序」と見なし、それを意図的に破壊、再構築することを企業活動の根幹に置いている。
倫理、国籍、人種、宗教といった既存の価値体系を“障害”と捉え、機械的秩序と合理的支配による完全社会を目指している。その思想は一種の技術全体主義とも言えるもので、
戦争は「旧文明を終わらせるための過程」に過ぎない。
これらの企業一つ一つがこの世界への不満を抱き、自分たちが見たい未来のために傭兵団
「No Flag」の運営に力を入れている。
1つ問題があるとすれば、それは今回の初作戦による各国からの目だ。
おそらく「No Flag」を支援しているとバレてしまえば国は全精力を率いて潰しにかかるだろう。もちろんそれを予知していなかったわけではない。この行動を気に10社ほどあった
スポンサーは4社まで縮小。だがその企業はその強い理念の基、新たな秩序のためにともに戦うことを決意したのだ。
ヘリコプターは基地に到着しアンドロイドはヘリを降りて自室に向かう。
アンドロイドと行っても春嵐の体は人の体からできている。脳みそだけが人間のものではない。つまりほぼ修理が必要ではないのだ。喜怒哀楽を身に着けた新世代のアンドロイドたちを
世間はあまりいい目では見ない。春嵐やAOT2357もそうだ。
春嵐はそのままベッドに横になる。初任務ってこともあり体にはかなりの負担がかかっていた。普通の人間ではできないことをアンドロイドはできる。だがそのアンドロイドが人間に近いものであれば人間とほぼ大差がないのだ。
春嵐はベッドの横にあるパネルを操作する。
「ノミモノヲモッテキマシタ」
扉が開き一台のロボットが中に入ってくる。
それはよくお店とかで見る配膳ロボットとほぼ同じ形だ。
春嵐…いやここでは彼女としよう。
彼女はロボットが運んできた栄養補助ドリンクを手に取りストローを刺して飲む。
彼女は自分の体に手を当てる。確かに動く心臓は作り物の心臓ではない。ただそれを動かす脳は作られた偽りの脳なんだと気付かされる。この体は一体誰のものなのだろう。元の人格は
一体そんなものだったのだろう。
考えてみても何もわからない。だからそんな考えはやめようと決めていたが、ふとした時に思ってしまう。無意味なことはしないと決めているのに…黄昏時の夕日が部屋に差し込む。
彼女もまた感情を持った人間なのだ。
ヘリコプターから降りたAOT2357は自室の修理カプセルの中に入った。
彼(AOT2357)はその赤い瞳を閉じ静かに息をする。
修理中の意識はない。ただ羊の毛の上で横になるようなそんな感覚である。
体を強化され作られた体は強化前に比べ実に動きやすかった。姿はなんとも醜い姿になったがそれでも彼はこっちの方が良いと思っていた。
過去の体は戦争で足も手も…失った…。あの義足や義手に比べたらこのロボットの体のほうが自由に…そう自由に動ける。兵士でなかった彼は故郷を失い、家族を失い自分の手足も失った。だからここに入ることを望んだ。だから彼は敵の基準を定めず戦場で目の前にあるものが全て敵だと…
カプセルから目覚める。ゆっくりと起き上がり壁にかけてある軍服を着てタブレットに触れる。
「AOT様でしょうか?」
『どうした2357よ』
「次の任務は?」
そしてもう一つ…彼はコード・ネームAOTのクローンであること。
わかってて彼は仕えるのだ。自由…そんなものなくても良い。
ただこの地に生まれた命を美しく咲かせたいだけだ。
※※※
雨の降る路地裏。
鳴り響くサイレンの音。そのサイレンに怯え路地裏の物陰に逃げ込み息を潜める。
拳が肌に当たる音、何かで叩かれる音が聞こえる。雨は静かに機械の肌に触れる。
恐怖が込み上げる。
研究所から研究員とともに逃げ出し、警察に追われ路地裏で息を呑む。流れる透明な雨。
「助けて…」
そんな声も雨とサイレンで消えていった。
これは、2357でも春嵐でもない。誰かの記憶…
※※※
次の依頼元はVolya Tech社。次は市街戦という最悪な戦闘になるだろう。彼らは企業を守り切ることができるだろうか?




