表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/22

市場で必要な物を集めよう!

 街に入るのに審査など必要なかったので、問題無く中に入ることができた。

 一緒に来たメルカーは魚市場に早く行かないといけない、とのことだったので城門付近で下ろしてもらい、そこから一人で買い物をすると言って別れた。

 初めての街と言うこともあって、意外とおのぼりさんになっており、商店や露天見ながらふらふらしていると、食料品を扱う店を発見した。

 そこには、前世の日本のように小麦粉や米、醤油といった食品や調味料が大量に陳列されていた。少し値は張るが、それでも前世の値段とさほど変わらないように思えた。

 ここは買うしかない!と意気込んで色々見て回っていると、店員から声をかけられた。


「兄さん、何かお探しかい?」

「えぇと、色々必要な物があって、どれをどれだけ買っていくか考えていたところですよ。」

「なんだい、そんなに大量に買ってってくれるのかい。それなら多少の値引きもしてやるさ。」

「もしかして、ここの店主さんですか?」

「そうだよ。私の名前はマーサって言うんだ。それで何をどれだけ必要なんだい。」

「それじゃあ、調味料から塩と胡椒と、後野菜なんかもいいですか?」

「そんなに買って、大丈夫なんかい?こちらとしては大量に買ってってもらえるなら助かるが、そんな大荷物をどうやって運ぶって言うんだい?見たところ何も用意してないみたいだが。」

「そう言えば、そうでした。じゃあ、今回は持ち運べる量にしときます。」

「なんだったら、うちで使ってない小さい荷車なら貸してやれんこともないんだが。」

「本当ですか!?もし貸してもらえるなら、ぜひ貸してください。」

「いいよ。その代わり色々買ってもらうからね。」

「分かりました。必要な物は沢山あるので、目一杯買わせてもらいます!」


 こうして調味料をはじめとした各種食材などを大量に購入した。金額にして、金貨一枚ほどになった。商品は荷車に山積みとなり、かなりの重量がある。これを喫茶店まで運ぼうとしたら、どれだけ時間がかかるか分からない。何故こんなに買ってしまったのか頭を抱えながらもだえている。

 周りから奇異の視線にさらされながらも、ここだけでは食材のすべてを仕入れることができなかったので、他の店も回らないといけない。しかも、行った先でもまた購入する量を考えないと、この荷車にはすべては載らない。どうするべきかと悩んでいると、これまた偶然の産物かメルカーと再会することができた。


「さっきの兄ちゃんじゃないか。そんなところでどうしたんだ?」

「メルカーさん。今必要以上に商品を買ってしまって、それの移送をどのようにしたらいいか、悩んでいるところですよ。」

「ああ、その荷車一杯の商品兄ちゃんが買ったんか。それなら1度戻ったほうが賢明だと思うぞ。」

「そうですよね。しかし、俺の喫茶店は門から出て10分以上かかるので、この荷物を持っていこうとすると、かなりの時間がかかるので、今日一日で何とかしたかったんですが、それはあきらめたほうがいいのかも知れませんね。」

「それは無茶ってもんだ。それより、そんなに買い物するなら、荷馬車を用意するなり、小分けにして仕入れるなり、もう少し考えて買わないと。」

「耳が痛い話ですよ。少しテンションがあがってしまって、この有様ですからね。」

「もう少し考えろよ。それなら料金は貰うが、途中までまた乗っていくか?」

「いいんですか?でも料金っていくらほどですか?」

「そうさな~、向かう場所にもよるが、銀貨一枚ってところか。どうする?」

「それだったら、お願いしてもいいですか?」


 こうして、帰りもメルカーの荷馬車に乗せてもらうことができた。しかし、喫茶店は馬車道から少し外れているので、最終的には荷車を押していかないといけないので、そこは割り切るしかないと思っている。

 しかし、今回のことで買い物は、小分けにして購入しないと、帰りが大変だと身をもって知ったので、それだけが救いかもしれないと思いながら、メルカーの荷馬車に荷物と一緒に乗り込むのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ