第六話 仙人ザマラ
更新遅くなりました。
狼になってすごい速さで走れることを楽しんでいた時、
「速いのう、若いの。しばらく儂と話をせんかね。」
えっ。。。
隣から声が聞こえる。
。。。
ぎゃあああああああぁぁぁぁぁ
出たああああああぁぁぁぁぁ
おばけだぁぁぁ。急いで逃げろーーーー。
「聞いとるかの?若いの?」
まだ声が聞こえる。さっきより速く走ってるのに。
と思って周りを見て見たら…隣に長いひげを垂らしたおじいさんが。
「ヒィぃぃぃぃぃぃぃ」
へんな声が出てしまった。
なんでなんで。俺今時速80kmぐらいだよ?
隣り合って走るとかおかしいでしょ。
「やっぱりお化けだ〜〜。」
「若いくせに失礼なやつじゃのう。こう見えてもまだ生きとるわい。」
あれ、話ができてる。
てっきり狼になったから喋れないと思っていたのに。
『この世界において、高位の魔物は人語を喋ることが可能です。』
なるほど。じゃなくて。
ずザザザー。
一旦止まった。
話しかけてきたハイスピードおじいちゃんが何者かを聞きたかったからだ。
「お前誰だ?」
「フォッフォッフォッ。儂はこの洞窟の仙人じゃよ。知らんかったのか?」
いや、そんなこと知りませんでしたよ?
それより仙人てなに?修行してたら悟っちゃいました系のやつ?
「お主、何も知らなさそうな顔じゃな。高位の気配がしたからきて見たんじゃが、どこからやってきたんじゃ?」
どこからって言われても、ここ違う世界だし行ってわかるかな?
「日本っていうところから来たんですけど。わかりませんよね。」
「ニホンじゃと?う〜む。お主もしかして異世界から来たやつじゃな?」
「そうですけど、よくわかりましたね?こちらの世界ではこういうことってよくあるんですか?」
「うむ、人が落ちてくるのは良くあることじゃからの。たまにニホンというとこから来る人もある。してお主、どうして、人型じゃなく魔物となっているのじゃ?まさか元が狼じゃったなどとは言わないじゃろ?」
この人なんでそこまで聞いてくるんだ?でもさっきの様子じゃ逃げようとしても追いつかれるし、油断はしないようにしないと。
「どうしてそこまで聞いてくるのですか。仙人って言ってましたが、何なんですか。」
「フォッフォッフォッ。そこまで警戒せんでも大丈夫じゃて。ただの好奇心じゃよ。話してみてみんかね?いずれお主の役に立つこともあるかもしれんしの。」
「そこまでいうなら。俺はあっちの世界で普通に人間として生活してました。だけど道を歩いてたら、鉄骨が落ちて来て死んだっぽいです。それで気づいたらこの洞窟の中で、狼になってました。」
結構雑な感じだけどこれ以上詳しくは・・・
「なんじゃと!?お主転生したということか?」
「まあそうなるんですかね?珍しいことなんですか?他にも異世界人がいるようでしたけど。」
「いやいや、落ちて来た人というのはこの世界に来た人全員を示す言葉じゃが、ほとんどが転移して来た人たちじゃよ。転生してこちらの世界に落ちてくる人など今まで見たことも聞いたこともない。初めてのレアケースじゃな。」
よくわからなかった。
普通異世界に行っちゃったとかいうのは死んでから転生したが多いんじゃないのか?
この仙人さんが言ってることが本当なら、なんで俺は転生できたんだ?
「そうじゃのう。もしやあやつが関係…いや、まだのはずじゃ。」
「あやつって、なんか心当たりがあるんですか?」
「いや、お主には関係なかろう。お主が気にすることはない。」
なんか違和感を感じたけど、それ以上聞くのはやめた。
「さっき、仙人とは何か?と聞いていたな。よし、しばらくその話をしてやろうじゃないか。
仙人とは、自然と一体化したもののことを言う。儂のようにいずれかの洞窟と一体化する者、滝と一体化する者、森と一体化する者、中には空気と一体化した者もいたそうじゃが、本当かどうかは儂にもわからんの。」
その後も仙人さんは仙人についてや自分のことについて長く話してくれた。
話してくれたことをまとめると、
仙人とはさっきも言ってた通り、自然と一体化したものをいう。
一体化というのは、自分が自然の一部になると言うよりは、自然のエネルギーを感じ取り、自身への力へと変える代わりに、仙人となった人は、その自然を守る必要があるらしい。
仙人となった人は自然エネルギー(仙力と言うらしい。)を体に取り込むことで、不老長寿となり、身体能力が上昇する。
仙人になるのはそれほど難しいことではないらしいが、その場所のエネルギーを感じ取ることができるようになるまで、瞑想を続ける必要があるらしい。
また、エネルギーを感じとることは簡単にできても、仙人になるまでには少なくとも、100年以上は瞑想を続けなければいけないそうだ。そうして続けていると、やがて自然と一体化し、仙人になることができる。
自分の精神の強さが一体化できる範囲を決めるらしい。
強い鋼の精神を持ってるものほど、大きな森や滝などと一体化できるらしく、逆にあまり意欲的ではない軟弱な精神を持ったものは小さな林などの仙人にしかなれないらしい。
それに加えて、長い間仙人としてその場に守り続けてると高位の仙人になっていくらしい。
仙人にも上下関係があるらしく、自分より長い期間その地を守り続けている仙人の方が、自然に対する影響力が強いそうだ。
思ってたのと少し違うところもあったが、だいたい認識はあっていたようだ。
仙人ともなると不老長寿らしいから、俺は遠慮したいことだな、とおもっていると。
「お主、せっかくじゃから仙人になるのはどうじゃ?」
更新が遅くなりすみませんでした。
これからも遅くなることがあるかもしれませんが、楽しんで読んでいただければ幸いです。