第五話 スキル:『神皇知能』
短めです。
ほとんどの人のレベルが10〜20の中で、俺のレベルは異様に高かった。
なんで?
俺がこっち来てやったことといえば、でかい蟻を退治し、大量のカタツムリみたいなのをでっかい穴開けて倒しただけだぞ。
《ピコッ》
いつものように頭の中で文字が浮かんでくる。
『ウアデル洞窟は別名死の洞窟と呼ばれており、魔物のレベルが非常に高いです。』
死の洞窟ってやばいやつだよね。俺よく今まで生きていたな。
《ピコッ》
『個体名:左海光咫のレベルは転生時は50でした。そのため、この洞窟に生息する魔物は接近してきませんでした。』
あれ?『神皇知能』の返答がさっきよりスムーズになってる。
《ピコッ》
『対象名:左海光咫がレベルアップおよび進化した際、スキル『神皇知能』もレベルアップいたしました。現在では音声での受け答えも可能となりましが、いかがでしょうか。』
ワオ!スキルまでレベルアップしていた。
それにしても音声での返答もできるようになったんだ。
っていうか、『神皇知能』の能力確認してなかったな。
《ピコッ》
『スキル『神皇知能』の能力・・・
並列思考:複数の思考・演算を同時に行う。
(スキルおよび魔法の使用も可。)
解析鑑定:対象の解析および鑑定を行う。
(使用者のレベル以下なら生物に対しても可。)
世界の理:この世界において秘匿されていない事柄・事象にアクセス可能。
秘匿されていてもスキル使用者が知ればアクセス可能。
音声返答:音声での返答ができる。
などです。』
こいつ「などです。」とか言ってるぞ。まだ他にもあるってことか。
よし、早速音声返答に変えてみるか。
《ピコッ》
『音声返答に変更しました。』
いきなり喋り出した。
う〜ん。なんか機械的な喋り方だな。抑揚がないっていう感じだ。
まあ文句を言うのはそこらへんにしといて。
じゃあ神皇知能さん、あとどれぐらいで外に出られるかな?
『現在地点から洞窟の出口までおよそ20km程度です。』
kmって単位こっちでも使えるのか?
『この世界でも使用可能です。』
そっか。使えるってことは誰かが広めたのか?
まあ、軽く走りながら出口を目指そう。
位置についてよーいどん!
はや〜いはや〜い。すっごく早く走れてる。もっと最初から走っとけばよかった。
『ただいまの時速は60km程度です。』
えげつない。狼がそんな速さを出せるとは思わなかった、と思ってると、
「速いのう、若いの。しばらく儂と話をせんかね。」