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第二話 初めてのスキル

_____________________________________


 暗闇の中に2人の男が現れた。


「おい、気づいたか。」

「ああ、とんできたな。」

「そろそろ出て来そうだし、ちょうどいい頃だ。あと何人だったか?」

「あと8人。まだ時間はかかるだろう。」

「そうだな。他の2人にも連絡はしておこう。」

「頼んだ。」


 男たちはその場所には何もなかったかのように消えていった。

_____________________________________



 ここは、どこだ?あたり一面真っ暗闇で何も見えない。何もわからない。何も、聞こえない?

 あれ、そういえば俺何してたっけ。確か、空と一緒にデートに行って、…そうだあの時鉄骨に押しつぶされたんだ。

 ってことは死んじゃった?

 やばい、やばい、やばい。まだ俺にはやりたいことがあったのに。

 いや、こういう時こそ落ち着くのが大事なんだったな。

 焦りは禁物。消防官だった叔父さんがよく行ってたっけ。

 落ち着くには深呼吸!吸って〜(スゥ〜)はいて〜(ハァ〜)よし落ち着いた。

 死んだってことはここは死後の世界か?死後の世界といえば天国と地獄だけどなんか感じが違うような。ちゃんと体がある感覚というか、地面がしっかりしてるというか。

 というよりさっきから気になってることがある。体の向きというか、なんというか。「立った」感覚はあるのに両足両手が地面についてる感じだ。

 前に進もうっ…おっと。躓きそうになるな。ん?今の感覚、脚が四つあるような。

 ははは、そんなはずはないだろう。

 俺は人間だ。もちろん人間だ。何があっても人間。足は2本だ。

 …いや、今のは間違いなく霊長類以外の動物の感じだ。

 ってことは、俺はなんかの動物に生まれ変わったってことか。

 生まれ変わっても、記憶というか自我というか、残ってるもんなのかな。

 でも、生まれ変わったとして、真っ暗なのはおかしくないか?地面も結構凸凹してるし、どっかの砂利の上にいるのか。

 

 よし、今までのことを整理しよう。

 まず、俺は死んだ。そして生まれ変わってなんかの動物になった。そしてなんらかの影響で記憶だけが残ってるってとこかな。




 はぁ〜。ここどこだろうな。真っ暗闇の中1人とか精神やられてくるぞ。


《ピコッ》


 うわっ。なんの音だ。

 えっ、頭の中に文字が浮かんでくる。

 目で見てるわけではない。

 頭の中で文章が組みあがってくる。

 えっと、どれどれ『現在地点はレンコウ王国南に位置するウアデル洞窟です。』

 なるほどなるほど。

 レンコウ王国か。    …それってどこ?


《ピコッ》


 まただ。

 今度は違う文字が。

『エラティスにある5つある国の一つです。』

 なるほど。

 っていうかあなた誰?

 いきなり頭の中に文字が浮かんでくるですけど。


《ピコッ》


 ちょっと慣れて来たぞ。

 どれどれ、『スキル:『神皇知能』です。』

 えっ?ちょっとまった。

 神皇知能だと?人工知能じゃなくて?


《ピコッ》

 

『『人工知能』に関するデータがありません。』


 おっとなんでも知ってるわけじゃないようだな。

 いやでもスキルと来たか。どうやら俺はスキル?がある世界に転生したのかもしれん。

 


《ピコッ》


『エラティスにはスキルのほかに魔法、呪術、神術などがあります。

 現在所持しているスキル:『神皇知能』『雷乃者』『光乃者』『消去』』

 へー。魔法もあるのか。それにすでに俺四つもスキル持ってるな。どういう能力なんだろう。今度試してみるか。

 よし、じゃあ神皇知能さん、ここを明るくする方法を教えてくれ。


《ピコッ》


 頭の中で文字が浮かんでくる。

『スキル:『光乃者』を行使し『光源』を作成します。』


 まぶしっ。いきなり明るくなった。

 ふぅ。これで周りが見えるかな。




俺はこの日、初めて『スキル』というものを使った。

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