第6話(ロサンゼルス編3)
第7章
僕はエイミーの家で12月6日の朝を迎えた。着替えている時に彼女は僕の部屋のドアを開けて入ってきた。
"帰りの航空チケットはどこだ?"
僕の家族はこの言いがかりが晴れるまでの時間を稼ごうとチケットの確保を出来るだ遅らせる方針でいた。
"持ってない。"
こう答えたら彼女は激昴した。
"ふざけるな!あんたが往復チケットできたことは知ってるんだ!"
そんなこと言われても僕は本当に片道チケットで来たから持ってない。たしかに留学生の多くは事前に帰りのチケットも確保してから来るがそれも全員ではないしそうしなければならない規則も無い。
"本当だよ。僕は片道チケットでアメリカまできた。"
彼女の怒りは止まらない。
"いい加減にしろ!チケットを隠してるんじゃない!"
呆れて何も言えなかった。ただ黙っていてもことは進展しない。
"本当だって。僕は貴重品はここに管理してるけれどチケットは一枚しかない。そしてこれは僕が成田国際空港からLAXに来た時のチケットだよ。"
そういって整頓されている小さなスーツケースからノートパソコンを取り出してそこに挟んでおいたチケットを渡した。サークルクラブから小遣いとして渡される小切手も基本はノートパソコンに挟んでスーツケースに入れて保管している。
"いい?留学生は全員往復チケットをそれぞれの国で取ってくるの!"
彼女は墓穴を掘った。
"残念だけどエイミー。そんな規則はサークルクラブには無い。アメリカではそうかもしれないけれど日本のサークルクラブでそのような規則を指示された記憶もない。"
彼女にはっきりとそう言った。
"チケットはもういいわ!とりあえず早く学校に行くわよ!"
自分に不利になるとエイミーはさっさと会話を切り上げて部屋から出ていった。僕は着替えて学校の準備をするとエイミーがまだ準備しているエイミーの部屋の前で扉越しにガレージに行ってると一言告げた。ガレージで待ってるとエイミーがやって来て車を出した。無言の車中を過ごし、車はやがてサウスハイの前で止まり、僕は今日も練習あるから迎えは4時くらいでお願いします。とエイミーに頼んでから車の扉を閉めてサウスハイの中に入った。
そしてこの日、僕と家族は大きな大きな賭けに出ようとしていた。
授業中も僕はその賭けに関しての段取りを考えていることで精一杯だった。そして昼休み、その賭けの第一段階が開始された。
今回1日の出来事を書こうかと思ったんですがこの日の昼~午後に結構大きなことがあったんで午後は来週に持ち越しです。