怪盗セイントさくら
知ってる人は知っている、セイントテールです。
俺は、さくらに起こされた…。
雪が降っているらしい…
「お兄ちゃん!
すごい!真っ白だよ!」
俺は窓の外を見た…
うっすらだが、雪が積もっている。
「雪かぁ…
さくらは初めて見たのか?」
「うん!
なんかきれいだね…」
そう言って窓の外を見るさくらは…
すごく可愛いかった…
「お兄ちゃん!?」
俺はさくらを抱きしめる…
だって可愛いんだよね…
「…さくらが可愛いからだよ」
「…お兄ちゃんあったかいね…」
ちっちゃくて可愛いなぁ…
ガチャ…
「朝からなにしてんの?」
えっ…母さん!?
「…なに驚いてんのよ」
「…それ何?」
母さんの手には1枚の服が…
「さくらちゃん見てたら、思い出しちゃってね…。
さくらちゃん、着てみる?」
「うん!」
なんか見たことあるんだよな…その服…
「さくらちゃん可愛い!」
「えへへ〜
ありがとうママ!」
そう笑顔で言うさくら…可愛いなぁ!
…ガチャ
「純〜…って、
お母さん!?」
…姉ちゃんも来た。
「どう、可愛いでしょ?」
「…こうしたら、もっと可愛いわよ」
そう言って姉ちゃんはさくらの髪型を変える…。
「…できた!…どう?」
そう言って姉ちゃんがセットした髪型は…アレ?コレって…
アレかな?
「すごいわね〜
ちっちゃい芽美ちゃんみたいね」
やっぱりアレだ…
えーと…確か…
怪盗セイントテールの芽美ちゃんの格好だ!
(ステッキが無いから…漫画の方かな?)
「怪盗セイントさくらってトコかな?」
…アレ?
なんで俺の方を一斉に見る…
そんなに驚いた目で…
「純一…なんで知ってるのよ?」
「怪盗さんなの?」
「純…知ってたの?」
えっ…
…知ってて悪いか!
「姉ちゃん漫画持ってるだろ?」
「うん、全巻持ってる」
「何年か前に見せてくれたじゃんか。
…覚えてない?」
「…そうだっけ?」
「ハァ…
それと、さくら。」
「なあに、お兄ちゃん?」
「セイントテールは怪盗でも良い怪盗なんだよ」
「そうなの?」
「えっと…
悪い人が騙し取った物を持ち主に返したりしてるんだよ
…だからさ、
良い怪盗なんだよ」
「へぇ〜そうなんだ〜」
「さくらちゃんって、漫画読めたっけ?」
「多分大丈夫だよ…
…小説読めたしさ」
「さくらちゃん、漫画読む?」
「うん、読む!」
そう言って、さくらと姉ちゃんは部屋を出る…
母さんと二人きり…
「ねぇ、純一?」
「なに?」
「その…美奈ちゃんとはどうなの?」
…どうって…
「まさか…二人で…
…まだ中学生だからね
…それはちょっと早いんじゃ…」
すごい勘違いだな…
「あのさ…
…まだだからさ」
「えっ…そう…
純一のコトだから…もう美奈ちゃんと…」
…あのな…
「俺だって常識はあるんだからさ…」
「そうね…」
「ところでさ…あの服って、買ったの?」
「…作ったのよ…
美希がクリスマスに欲しいって言ったから
…でもすぐに着れなくなっちゃってね。
さくらちゃん見てたら…思い出してね…」
「へぇ…やっぱ、姉ちゃんって少し変わったトコあるよな…」
「そうね…
ところでさっき電話があったわよ」
「誰から?」
「隆之くんから…
たぶんもうすぐ来るんじゃないかな?
…美希には内緒だからね…」
ドッキリか…
…隆兄やるなぁ。
俺は隣の部屋から姉ちゃんの声を聞きながらそう思った…




