帰って来たさくら
夕方になり…
姉ちゃんの携帯に
伊舞さんからの電話があった。
「今からさくらちゃんと来るって」
「…どこに?」
「ここよ…」
「知ってるの?」
「うん、伊舞さん来たことあるからね…」
そうなんだ…
「姉ちゃん…
一人暮らしってどう?」
「どうって…
大変よ…純は絶対に無理だと思うよ…」
そうか…
俺メシ作れないしな…
「ところでさ…
俺、シャワー浴びていい?」
「なんで?」
「なんか汗かいちゃってさ…」
「いいわよ…
私も入る!」
えっ…姉ちゃんも?
「えっ…なんで?」
「私の家だもん、
いいでしょ?」
うーん理由になって無いし…まぁいっか
「いいよ…」
こうして俺は姉ちゃんとシャワーを浴びている…
しばらくしてから…
ピンポーン
と玄関から聞こえた…
…伊舞さんかな?
「純、悪いけど…でてくれる?」
まぁ俺は洗い終わったし…いっか…
「わかった」
俺は急いでタオルを巻き、ドアを開けた…
「お兄ちゃん!」
と、ドアを開けるとさくらが飛びついて来た…
そのとき俺は
体がスースした…
…タオルが取れたのだ…
つまり俺は全裸である…
…すべて伊舞さんに見られた…
「…えっ…
す…スイマセン!」
なぜか伊舞さんにあやまってしまった…
「いいのよ…謝らなくても…
…民斗のを見てるから大丈夫よ…」
伊舞さんはやさしく言ってくれた…
…やっぱり大人だなぁ…
「早く着替えて来たら?
…風邪ひくわよ…」
俺の心配までしてくれて…
なんかスイマセン…
俺は着替えてリビングに行くと…
伊舞さんは本を読んでいて、
さくらは俺に抱きついて…
「お兄ちゃん!
お腹減った〜」
…そういえば腹減ったなぁ…
もう6時かぁ…
「そうだな…」
そんな会話をしていると姉ちゃんが部屋にきた…
「ねぇ…お腹減って無い?」
「うん!」
「俺も腹減った…」
あれ…伊舞さんは?
…集中して本を読んでいる…
「伊舞さん!」
「えっ…えっと…何?」
すごい集中力だなぁ…
「伊舞お姉ちゃん…
お腹減ってない?
…私、お腹減った!」
聞いてるのに…
自分が答えるのか…
「…そうね、
さくらちゃん。
お腹減ったわね」
本当かな…と思った瞬間…
伊舞さんの腹の音が…グゥ〜
本当に減ったんだな…
「じゃあ、みんなで何か食べに行こう!…私がおごるから」
いつもは自分からおごらない姉ちゃんが…どうしたんだ?
「何が食べたいの?」
「何でもいいの?」
姉ちゃんは財布と相談した…
「…あんまり高いのは…」
うーん…この時間はドコも混んでるしなぁ…
「さくらは何が食べたい?」
「うーん…お肉!」
肉かぁ…高いなぁ…
「…ねぇさくらちゃん。
…牛丼って食べたコトある?」
伊舞さん、
さりげなく安い方へ…
「…食べてみたい!」
こうして今晩の夕食が決定した。
…今夜は牛丼だぁ!




