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Detective  作者: 土水一日
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第一話 理由 問題編の前に

時刻は午後三時。薄暗い部屋――私の仕事場だ――の中に、夏らしい日差しが差し込んでいる。少々部屋の中が汚いのが減点だが、悪くない光景ではある。

そんな部屋で私が何をしているのかというと、本を読みながら人が来るのを待っている。別にそういう約束があるわけでも何でもないが、彼の生活なら確実にここを訪れるだろう。

そう、あの日からちょうど、五年の月日を経たのが今日なのだから。

カチャ。ほとんど音を立てずにドアが開く。開けたのは、間違いなく私が待っていた人物だ。

「久しぶりね宮門。来ると思っていたわ」

「はて、俺はここに来るなんて誰にも漏らした記憶がないんだがな、ま、いいか。久しぶりだなトウグウ。元気してたか?」

久しぶりにあった宮門は、昔と全然変わっていないが、それも当然だ。宮門のこの人格は対人用に作り上げたものなのだから。

「忙しくて、心を亡くしちゃいそうな感じね。簡潔に言うなら、休みが足りなくて死にそう」

「そいつは重畳。いっそそのままロボットにでもなってろ」

ククククと、悪役みたいな笑い声をあげる。これもまた、昔からの彼の特徴だ。

「ま、積もる話も色々あることだしゆっくりとしていくといいわ」

「そんなの言われるまでもねえよ」

再び、彼は笑った。


前作「秘められしものは……」の中では、具体的に触れなかったとある伏線を回収するための作品であり、独立した作品でもあります。

どちらかといえば、こちらが本編で、「秘めもの」(長いので省略)がスピンオフと言った感じです。楽しんでいただければ幸いです。

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