第20話 今後のこと(2)
お風呂に入り、晩御飯も食べた俺は、その後は部屋で一人やることもなく。
なので俺はベッドに大の字で寝ころんだ。
「前世でも孤児院でもこんな良いベッドで寝たことなんてなかったよ」
キングサイズのベッドは広いだけでなく、ふかふかで柔らかいのに、しっかりと反発力があって、そのバランスが絶妙でとても寝心地がいい。
まるで「あなたの睡眠を全力でサポートいたします」と言われているかのようだ。
「特にすることもないし、このまま寝るかな」
前世の記憶を思い出し、勇者ロボを召喚し、ロボットバトルをして。
さらにはステーキを600グラムも平らげたのもあって、身体が疲労感を覚えるとともに、睡眠を求めているのが分かる。
ここで睡眠欲にあらがう理由が全くなかった俺は、部屋の明かりを消した。
日本の部屋の電気と同じように、スイッチ一つで部屋中の魔法照明が一斉に消える。
「ランプの火を1つ1つ消して回った孤児院とは大違いだ」
ここ一等エリアの生活は、俺が子供の頃――昭和末期くらいの少し古い日本の生活に近い気がする(テレビや電話はないが)。
窓からは夜空にキラキラと輝く星たちが見えている。
真っ暗な部屋でベッドに横たわりながら、少しずつ眠気を深めつつ、俺は今日という日を振り返っていく。
「まさか俺が異世界転生者だったなんてな。しかも勇者ロボの操騎士なんて」
もしかしたらあの時、子供を助けたことへの、神様がくれたご褒美だったのだろうか?
もしくは氷河期世代ブラック会社勤めで苦労したことへのお詫びかも?
もちろん理由なんてわかりはしない。
だけどどんな理由であれ、
「俺はこのチャンスを全力で全うするんだ。勇者シリーズのように勇者ロボと一緒に正義のために戦って、俺はこの国を守ってみせる」
そこに一片の迷いもありはしない。
勇者ロボと戦えるんだから、迷うわけがなかった。
「ふわぁぁ……」
どんどんと眠気が深まってくる。
左腕の勇者ブレスレットは不思議なほどに付け心地が良くて、寝ころがっていても全く邪魔には感じない。
それを、
「いかにも勇者シリーズらしいご都合主義だなぁ。そういうの嫌いじゃないぜ」
なーんて、勇者シリーズ脳で感心しながら、俺は深い深い眠りの国へと旅立っていったのだった――。
第1章「勇者転生」(完)
ちょっとですね、かなり反応が悪いので、いったんここで終了にします!
本当に申し訳ありません!
この作品を楽しみにしてくれている皆さんには本当に申し訳ありません。
ブレイブレイバーに合体するところまではなんとか不定期で進めていければなと思っております。
でもね、かなたんも2年以上、本が出せなかったので、必死なんです(´;ω;`)ブワッ
ラブコメだともう少し読んでもらえて、マナシロカナタという名前も見てもらえると思うので……!
新作ラブコメは、
『俺が恋愛不感症になったわけ。~俺を恋愛アンチにした元カノが隣の席に座っている。今度は友達になった~』
https://kakuyomu.jp/works/16818093092248036066
です。




