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イケメン猫様ズに溺愛されています②  作者: はやしかわともえ
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知らない子

子猫たちはなかなかのやんちゃ者だった。がりがりと畳の部屋で爪を砥ぐし、よく二匹で走り回ってじゃれている。

「はは、元気だな」

兄さんも子猫たちの可愛さをようく実感したらしい。数日後、ついに飼っていいとお許しが出た。この子達を見つけた時、兄さんが猫のための生活必需品を買って来てくれていた。

「なあ」

グリグリとキジトラに足に頭を擦り付けられる。その様子があまりにも可愛かった。もう一匹は黒猫だ。

クールな印象を与える子だ。でもキジトラくらい甘えん坊でそのギャップが可愛すぎる。

僕は猫たちにメロメロだった。

「名前、つけないのか?」

「え、あ、そうか」

兄さんに指摘されるまで気が付かなかった。

「えーと、ふたりとも男の子だし、男らしい名前がいいよね」

真剣に悩み始めたら兄さんが吹き出した。

「呼びやすい名前で頼むよ」

そう言われてもなぁ。じゃあ!

「キジトラがスイ、黒い方はクロね」

「お、呼びやすいな」

兄さんにも受けが良かったみたいだ。

「これからもよろしくな。スイ、クロ」

僕が頭を撫でると二人は鳴いた。

***

僕は学校にいる。今、高校二年生だ。

男子校なので気楽なものだ。次は移動の授業だから急がなくちゃいけない。

「翔也、一緒に行こうぜ」

肩を抱き寄せられて視線を上げると、大好きな北斗くんだった。

自分がカッコいいってこと、このコはたぶん分かっていない。実は僕の密かな想い人だったりする。

「翔也、どうした?行こうぜ」

「う、うん」

北斗くんと理科室に向かったら、僕たちと同じくらいの男の子が廊下に立っていた。黒髪に青の瞳。綺麗な子だ。転校生かな?

「翔也ー!」

明るい声がして、後ろから抱き着かれた。え、誰だろう?その子は明るい茶髪だ。瞳は青。

「あ、あの、どちら様でしょうか?」

その子達にそう尋ねたら明らかにしゅんとされた。

「僕たちのこと、分かんないの?」

「スイ、翔也はこの世界の住人だ。無理を言うな」

僕は固まった。え、今「スイ」って言わなかった?

「翔也、知り合いか?」

「えーと」

予鈴が鳴っている。

「二人も来て!」

僕は彼らにそう告げたのだった。


続く

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