私の妹―サラ視点―
今回はサラ視点です。
レイリスは、私の言ったことに心あたりがあったのか慌てて言い訳を始めた。
「あ、あの時は読みたかったシリーズの最新刊でどうしても続きが、気になったから仕方なかったというかなんというか・・・」
自分でも悪いと思っていたのか最後のほうは、声が小さくなり顔もうつむいていた。
この際、説教をして二度と同じことが起きないように反省させようかと考えていたら扉をノックする音が聞こえたあと聞きなれた若干怒気を含んだ声が扉の向こうから聞こえてきた。
「お嬢様、奥様や旦那様がお待ちですよ。急いだほうが よろしいかと思いますが、まだ、着替えすら終わっていないなんてことありませんよね?」
その言葉を聞いたレイリスは、ヤバイかもしれないみたいな顔をしているが今更気づいたのかと私は、言いそうになった。でも、次の言葉でレイリスへの心配どころではなくなってしまったけど。
「サラ、あなたもいつまでもお嬢様と話をしてないで仕事を先にしなさい!あと10分で二人とも来なければ後々どうなるか分かりますね?それでは、お待ちしていますからね。」
その言葉を最後に扉から離れていく足音が聞こえた。足音が聞こえなくなったのを、確認してから私たちは大急ぎで支度を始めた。
始めてからすぐにレイリスは、しっかりやることをしながら誕生日会がどれだけ嫌なのかを話始めた。
「はぁ、あたし 本当に誕生日会嫌なんだけど。
何で、人前に出てまであんなくだらないことしなきゃいけないのよ!そこまで仲良くもない相手に『来てくれてありがとうございます。』とか心にもないこと一人一人に言うとか本当に嫌!・・・サラ、今日のドレス 手が見えないような袖の長いのにしてくれない?」
「・・・・レイリスの文句言ってもなんだかんだしっかりやるところは本当に尊敬するわよ。
それで、袖の長いのでもいいけどあんまり イライラしても手が見えないからって引っ掻かないならいいわよ?」
「ど、努力はなるべくする。」
私は、この返事にきっと努力すらしないかもしれないと思った。レイリスは、イライラすると手を引っ掻いてその痛みで表情を崩さないようにするという癖があるので困ったものだが今日ぐらいはそのことに目をつむろうとストレスが溜まるのを分かっているので 私は思った。
あと何話かは、サラ視点でいこうと思います。