朝の旗振り
拙い文章ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
ピッピッー!
「おはようございまーす」
交通指導員さんの横断歩道の誘導に、子供たちが順番に渡る姿。手を振る子、挨拶をしっかりと返す子、俯き急ぎがちに過ぎ去る子、ニコニコと笑っている子。本当にさまざまな子供たちがいる。
毎朝小学生の登校風景を見ると微笑ましいもので、ついつい車中で「気をつけるんだぞ〜」と、声をだしてしまいそうになる。まあ、声を出したところで聞こえないのだけど。
今は横断歩道の白線は長い線がなくなり、どの地域でも短い線だけのゼブラ柄になっているのではないだろうか。過去にゼブラ柄の白線内に水が溜まって危ないことから長い白線はなくなったそうだ。
しかし横断歩道の白線は、めちゃくちゃ滑るんだ。
子供の頃、アイススケートみたいにスーっと滑って前のめりに転んだことがある。
大人になって、過去の教訓かバランス感覚が優れたからか分からないが、道を歩いていて転ぶ機会はだいぶなくなったけれども……。だが、疲れていたり急いでいたりすると、あんな僅かな段差でも未だに躓いたり転びそうになったりするものだ。
冬場になると白線が凍結することもあって尚更だ。
毎朝横断歩道を結構なスピードで横切るドライバーを目にするが、ほんの少しだけでも家を出る時間を早くして出勤して欲しい。忙しいのも疲れているのも私も同じだし、皆同じなんだから。
PTAで朝の旗振り係を経験した当時は、仕事が本当に忙しくて妻と交代でしか参加出来なかったけれど「親の背中を見て子は育つ」という、ことわざがあるように、子供達は私達の言動をしっかりと見ている。
「パパも昔、旗降ってたね」
「あん時は大変だったなぁ……」
「そうなの?」
「うん。忙しかったのはあるけど、ハルがパパだと恥ずかしいって言うから、それをなだめるのが特に」
「何だよそれー!!」
「まぁハルが子供ができた時に分かるよ」
「ハルには、まだまだ先のことだなぁ……」
こんな会話をしていて、ふっと過ぎった。
亡くなったばーちゃんに「何でも順番なんだよ」って言われた言葉。
何度となく起きる痛ましい事件や事故。面白半分にやらかす人。そういった人達をサイコや非常識と断じるのは簡単だけれど「どうしたらそうならなかったのだろう」と、立場が上がって特に考えるようになった。
この考えも傲慢かもしれない「どうすべきだったのだろう」が正解かも分からない。
娘がくれる言葉は本当に尊い。
私の部下の言葉は社交辞令に過ぎないだろう。だって自分がそうだったのだから。でも、少しだけでも本音をだしてくれたなら、鬱陶しいかもしれないが出来るだけ付き合いたいと思う。
だって次は君たちの順番なんだから。
最後までお付き合いありがとうございました。
朝の交通指導員さん、PTAやボランティアで交通指導をされる皆さん、いつもありがとうございます。
皆さんも足元にお気を付けてくださいませ。