アレキの想い※閲覧注意
少々、クセのある内容です。
アレキが病的かも。
苦手な方はご遠慮くださいませ。
こちらは読まなくても連載には影響ありません。
僕はアレキサンドライト・クンツァイト。
侯爵家の嫡男。…ちゃくなんて何か分からないけど、お父様の跡取りなんだって。
僕が小さかった頃のある日、家に可愛い赤ちゃんが来たんだ。
小さくて、本当に小さくて。
お母様に抱っこされて、不安そうにキラキラした春の朝の葉っぱみたいな緑色の瞳でキョロキョロと周りを見ている。
クリクリフワフワな紅い髪の天使が迷い込んで来たのかと思って、触っちゃいけない気がしたんだ。
お母様が「あなたの妹よ」と言ったけど、僕は知ってるよ。お母様のお腹に赤ちゃんは居なかったって。
タンザナイトの弟が来る前は、タンザナイトのお母様のお腹が大きくて「此処に赤ちゃんが居るのよ」って言ってたから。
「ふ…ふぇぇ…」
紅い髪の天使が顔を歪めて小さな声で泣き出した。
「あらあら」お母様がゆっくり揺らしながら、天使の背中をよしよしとトントンする。
近寄って、人差し指でふくふくとした頬っぺをそっと触ってみた。
すると、まだ涙の残る緑の瞳を見開いて不思議そうにしたかと思うと、僕の人差し指を小さな小さな柔らかい手で握って「きゃっきゃ」と笑いだした。
可愛い!可愛い!
「お母様、僕、この子をお嫁さんにしたい!」
妹とは結婚出来ないって知ってるけど、妹じゃなければ結婚出来るよね。僕は、この子を最初に見た時から大好きなんだもん。
お母様は驚いた顔をしていたけど、スグにお父様と執事長を呼んで何かをお話していた。
お父様から「アレキ、この子を一生護って愛してあげられるかい?」と真面目な顔で訊かれた。
僕はこの子みたいな可愛い子を見たことないし、絶対にこの子が欲しいから「うん!」って答えたんだ。
「じゃあ、この子にもアレキを好きになってもらわないとね」お母様がニコニコしながら言ったんだ。
僕、この子が大好き!この子にも大好きになってもらうね!
「アレキがこの子に結婚してもらえるように、立派な大人になるんだよ。私達も協力は惜しまない」お父様が真剣な顔で言った。
だから、僕は勉強も剣術も、父上のお手伝いも頑張った。
誰にも負けないように、この子を護れるように。
愛してもらえるように。
ずっと僕はこの子だけを見てきたんだ。
誰にも傷付けさせないように、他の誰もこの子の視界に入れない様に。
大切な、大好きな、俺の『いもうと』。
ルビー。
絶対に離さないよ。
重い想いです(駄洒落か!)