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プロローグ

クンツァイト侯爵家

比較的豊かな領地で穏やかに暮らす仲の良い兄妹と優しい両親。

周りも穏やかな雰囲気。

そんな中でのびのびと育った主人公(侯爵令嬢)のルビー。

…ただ1つ

兄(侯爵家嫡男)アレキの溺愛が過度なのが困りものである。

何処に居ても何をしていてもピンチになれば駆け付ける兄。

そんな兄妹を生温く見守る両親と周囲。

ほぼ諦めながらも悪い気はしないルビー。

今日も明るいクンツァイト侯爵家の物語。


※筆者の都合で終始「痛い」も「辛い」も「苦しい」もなるべく無いお話を目指してます。

ルビー・クンツァイト 16歳 学生

2歳年上の兄アレキに今日も朝から甘やかされている。


「ルビー、まだ眠いのかい?仕方ない…学校は休んで…「起きます!」」

ベッドに入り込み甘い声で囁かれつつ頬を撫でられながら目覚めたルビーは、そんな兄を押し退けて飛び起きた。


「お兄様、私を起こしたいのですか?それとも留年させたいのですか?」

寝癖のついた髪を気にしながら、尚も抱きつく兄から抜け出そうと藻掻く。

実際、数日前は寝ぼけながら兄の腕に擦り寄り そのまま一緒に眠ってしまい、気付いたら昼までベッドで兄に抱き締められていた。もちろん、学校は揃って欠席してしまった。


アレキは侯爵家の跡取りとして、仕事も学業もそつなくこなしているので問題無いが、然程成績が良いわけではないルビーにとっては出席日数不足は深刻である。

朝が弱い上に、兄の温もりの誘惑に負けてしまいそうではあるが、侯爵家の娘として度重なる遅刻や欠席はマズイ。

今日も今日とて、兄の甘やかしから なんとか抜け出す。


そもそも兄妹とは言え、朝から部屋に男女を2人きりにするのもどうなの?この家は。

もう、風物詩と化しているルビーへの溺愛ぶりは両親にも使用人にも浸透している為、誰も構わない。

こんなだからか、アレキもルビーも婚約者が未定のままである。

それについても両親が心配する様子も無い。

逆にルビーだけが、成人を迎えている兄がいつまでも妹ばかり構っていたら婚期を逃してしまうのでは?と気を揉んでいる。


部屋から兄を追い出し(酷い)、使用人を呼び身支度と着替えを済ませて食堂へ入ると既に両親と何食わぬ顔をしたアレキが席に着いていた。

「ルビーちゃん、おはよう。よく眠れた?」

おっとりとした母が穏やかな笑みで声を掛ける。

「おはようございます、お母様。眠れましたが、どうも寝起きが…」

「あらあら、それは心配ね。就寝前にハーブティーでも用意させましょうか。」

寝起きの良くない理由は分かっている筈なのに…という思いは笑顔で隠す。

そんな母娘の遣り取りを温かく見守る厳格な父。

「ルビー、今朝はお前の好きなトマトのスープだぞ。」

食べなさいと言わんばかりに口元にスプーンを運ぶ兄。

クンツァイト家の、いつもの朝の風景である。


両親と兄の愛に包まれて、健やかに育ったルビー。

彼女はある1つの疑問を抱きながらも幸せに暮らしている。



初めての投稿です。

温かく見守っていただけると嬉しいです。

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