ルビーの想い 2
ちょっと更新が久しぶりになってしまいました。
母娘で暫し抱き合い、ふと顔を上げると鼻をすする音が聞こえる。
見れば父オニキスが涙を拭っていた。
初めて見る父の涙に、またルビーの頬も濡れていく。
そういえばアレキは?
アレキの方を見ると一瞬合った目が赤かった気がするが、スグに顔を逸らされた。
暫し、静かな時間が流れる。時計の音だけが部屋に響いた。
「ん゛、ん゛っ!」
咳払いをしたアレキが沈黙を破る。
席を立ち、「父上、母上、ルビーをお借りします」
ルビーの腕を取り、両親へと一礼して部屋を出るアレキ。
「え…え?」ルビーが戸惑いながら両親へと目を向けると泣き腫らした笑顔で手を振っている。
アレキはルビーの手を引き暫し廊下を歩き、彼女へと振り向くこと無く自室の扉を開けソファーへ座らせると、隣に腰を下ろす。
ルビーはアレキの意図がわからず、どうしたものかと俯く。
「ルビー」
「は、はい」
不意に名前を呼ばれ、顔をあげるが なんとなく気不味くてアレキを見ることが出来ない。
「俺はお前を妹だと思ったことは無い」
頭を叩かれた様な衝撃。
先程の母からの話だと、確かに妹ではない。
でも、ずっと妹として家族として暮らして来た筈。
ルビーのまだ乾ききらない頬に新たな涙が流れる。
そんな様子に慌てたアレキがルビーを抱き寄せた。
「ごめん。好きなんだ」
…好き?
お兄様が私を?
動きを止めたルビーを尚も抱きしめたアレキが囁く様に話し出す。
「妹じゃない。家族としてじゃない。女性として、ずっと好きなんだ」
そう言われると、納得しない訳にはいかない、今までのアレキの行動。
ルビーを大切に扱うそれは、けして妹に対するモノではなかった。
ルビー自身でさえ、アレキを兄としてだけではない想いが湧いてきていたのだから。
「ルビーは俺を兄としてしか見れない?」
少し身体を離し、普段は冷たいとも思われそうな凛々しい目を不安げに歪ませて顔を覗き込まれると、堪ったものではない。
分かってやっているのか?計算なのか?
そんな目で見られて普通でいられる女が居たらお目にかかりたいものだ。
「おおおお兄様?」
最早涙も止まってしまい、視点が定まらずに上手く言葉すら発せないルビー。
「お兄様じゃない。アレキだ」
ルビーの手を取ると掌へとキスを落とす。
そのまま上目遣いに見詰めらたら、もう頭から火が出そうになるほど掌から熱が伝わってくる。
もう、抗えない。
「私…私も好きです」
恥ずかしさに俯き小さく呟く様に言うと、頬を両手で包まれて上を向かされる。
すると嬉しそうに破顔したアレキが見えた。
言葉にしてしまうと更に意識してしまい、キラキラと今まで見たことも無い笑顔のアレキから目を逸らしてしまう。
その視線を追うように顔を覗き込まれること数回。
「…ぷっ…」
アレキの行動に思わず吹き出してしまった。
「やっと笑った」
先ほどよりも、もっと嬉しそうに優しく笑うアレキの笑顔が眩しくて。
気付けば涙も引っ込んで、直視するのが辛いながらも笑顔を返せたルビーだった。
もう少し続きます。




