妹(エメラルド視点)
明るい話を目指してますが、シリアス場面が続いてます。
次回は笑顔になれるといいな…
私、エメラルドは伯爵家の長女として産まれた。
家は嫡男の兄が継ぐことが決まっていたので、妹と一緒に学業の合間に王城へ行儀見習いに通ったり、教会や孤児院への奉仕活動を行ったりしていた。
学園で王弟殿下の親友であるクンツァイト侯爵令息と出逢い、恋愛の末、後に結婚するのはまた別の話。
オパールは、しっかり者の兄と世話焼きな私の妹としてのびのびと育ったせいか昔から少々ドジな子だった。
行儀見習いで登城して何度も迷子になったり、ちょっとした段差に躓くこともしばしば。
その度に周りに笑われていた。ただ、朗らかで優しい彼女を馬鹿にしたり虐めたりする人は無く、寧ろ皆に可愛がられていた。
その日もいつもなら行かない別棟へ迷い込んでしまい、偶然散歩に出ていたスピネル殿下と出逢ったオパール。
お互いに一目で惹かれたのだろう。親しくなるのに時間は要しなかった。
スピネル殿下は現国王陛下の実弟で、幼少期より身体が丈夫でないが優しい性格の方だった。
既に長男のジルコン陛下(当時は殿下)が王太子に決定していたので、穏やかに暮らしてほしい、と極力他人に接触することの無い別棟で多くはない使用人と共に過ごしていた。
当時の両陛下の愛故に。
とはいえ、家族と離れた生活は寂しかったと思われ、愛嬌のある可愛いオパールとの出逢いは殿下の癒しとなったのだろう。
生まれつき身体は弱いが、当時は多少体力が無いだけで生活に大きな支障は少なかった殿下の希望で傍仕えとなったオパールとの結婚も反対されることも無かった。
程なくして、新しい命を宿したオパールを気遣い大切に扱うスピネル殿下。二人の様子は本当に微笑ましく、周囲も幸せに包まれていた。
ただ、殿下の存在を知る貴族が殿下を次期王に望む声も水面下では無くなりはしなかった。
このままでは、殿下の子供も利用しようと企む輩も出てくるだろう。
そんな懸念から、スピネル殿下の兄のジルコン殿下(現国王陛下)は産まれた娘『ルビー』を先に産まれていた王子ジャスパーに嫁がせようと提案した。
でも、スピネル殿下とオパールが「ルビーには好きになった人と一緒になってほしい」と切に願い、その話は当事者の気持ちに任せようという事に。
ルビーの存在を公にする際に、王女、公女とするよりも、身の安全の為に姉夫妻の侯爵家に預けた方が良いと判断され、クンツァイト家に引き取る事になった。
ただ、息子のアレキが一目で気に入って「この子と結婚する!」と言い出したのは計算外だった。(当時、アレキ2歳)
慌ててクンツァイト家当主である夫のオニキスと相談し、遣いを出してクンツァイト家の籍に入れるのは表向きにして、ルビーは実は公女のままにした。それを知るのは王家とクンツァイト夫妻(後にはアレキも)、侯爵家の執事長のみとした。
ルビーは、オパール譲りの紅い髪で、瞳は王家に近い緑色。
髪のクセはスピネル殿下譲りだ。
娘が欲しかった私とオニキスは、妹と親友の面影のあるルビーを大切に愛情深く育てた。もちろん、アレキは私達が見ていて逆に心配になるくらいの愛情を注いだ。
ルビーが2歳になる頃にスピネル殿下は亡くなり、オパールも後を追うように…
二人共、ルビーの幸せを願っていた。
そして、「ルビーが好きになった人と結婚を」それが二人の願いだった。
ブクマいただけてるのが本当に嬉しいです。
初投稿の完全オリジナルで少々長いお話です。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
アレキを早く出したい所存…笑




