レジスト。
「ミミってさ、好物は何?」
「そうじゃな、野ネズミやらの小動物かな?たまには、ウサギなどの大きいのもいただくがな。」
ミューちゃんが、ビクッとした。
「大丈夫じゃ、ミューよ。大切な娘っ子を食べたり、せんよ。」
「だって、食べられそうになったら言ってね。ミミは、焼き鳥にしちゃうから。ミミ、干し肉食べて大丈夫なん?」
「本当は、生き餌が良いがな。冬は、ワシも祠に肉を干して保存食にしておる。里の物が、供え物で持って来てもくれるがな。」
「なんで、里で暮らさないの?寂しくない?」
「夜行性だからの、里の暮らしはムリじゃ。寂しくは、無いぞ。それなりに、獣達と交流しておるからの。」
「そっか、ミューちゃんもっと人参スティック食べて。」
「ユウナ、防具はオリハルコンにせなんだのか?」
「ボク、小さくなったり大きくなったりするから作れないんだ。それに重くなると、瞬発力が落ちるから。」
「それでは、耐性をつけないとだな。」
「どうやって、つけるの?」
「ひたすら、攻撃を受けるのみじゃ。痛くても泣きたくても、我慢だな。」
「えーっ、嫌だよ。痛いの、嫌いだもん。そんなの、攻撃される前に殲滅すればいいじゃん。」
「バカモン、これからもっと強い敵が現れるかもしれないじゃろ。里の者や、大事な人を楯にされたらどうするのじゃ。」
「そっか、そうやって母様やママの両親も死んじゃったんだね。」
「そうじゃ、今からワシがお前に攻撃する。耐えれる限りは、頑張ってみろ。」
「うん、やる!」
それから、ボクはお師匠様の攻撃を受け続けた。
何度も死にかけながら、何度も生き返った。
どのくらい耐性がついたかは、わからない。
気がついたら、ボクは民宿の布団の中だった。
ハクとユキが、心配そうに見つめている。
ミミに呼び出されたハクが、運んでくれたらしい。
起き上がろうとしたけど、どうやっても無理だった。
おばばが、お粥を持って来てくれた。
食欲が無くて、食べれそうにない。
ミューちゃんが、マスクメロンオレを抱えて来た。
ボクは、ストローに口をつけて一気に飲み干した。
今日は、お休みで良かった。
そして、又ボクは深い眠りについた。
ボクは、今母様の懐に抱かれて寝ている。
ボクも小っこいワンコだけど、母様も小っこい女性だ。
ボクの毛を優しく撫でながら、母様は遠くを見つめている。
「クーン、クー。」
ボクが鳴くと、母様はボクを見つめる。
「いい、ユウナ。あなたは、自分の好きな様に生きなさい。誰かの為じゃなく、自分が幸せになる道を進むのよ。」
そして、母様はボクを置いてどこかへ行ってしまった。
母様、ごめんなさい。
ボクは、やっぱり母様の子供です。
自分のためにだけなんて、生きられません。
里の人達やハクやユキにミューちゃんとお師匠様、そしてパパやママにじいじやいくママと慎吾お兄ちゃん。
ボクの周りには、大切な人がたくさんいる。
誰も、失いたくない。
ミミ様が、夜でもないのに様子を見に来てくださった。
「どうじゃな、ユウナは?」
「ぐっすり、寝ております。ミミ様、少々厳しいのでは?」
「あぁ、わかっておる。時代が、変わる。こんな時に産まれてしまったのだ、しょうがあるまい。」
「あんた、ユウナはみんなを守りたいんだよ。私らは、弱いからね。」
「しかし、まだ赤ん坊の様なものだぞ。あの子に、罪は無かろう。あの子らしく、生きてほしいのだが。」
「ムリじゃ、あの者の娘である限りは。運命からは、逃れられん。お主らは今まで通り、甘やかしてやれ。」
「どうした、ユキ?」
ユウナが、起きたらしい。
「わっ、お師匠様!今日、休みだよね。」
「そうじゃ、今日は何もせんとゆっくり休んどったらええ。」
「うん、わかった。もっと、すごい魔術教えてね。グゥ~!」
「お腹空いたろ、ユウナ。」
「うん、おばばオムライスが食べたい。」
「それは、何だい?とりあえず、お粥食べな。」
ママの、オムライスが食べたいなぁ。
ママ達、今何してるかなぁ?
「ウェーン、ママァ!グシュ、ア~ン!」
全く、いつまでもママじゃ大人になれんな。
「ユウナ、好きな男の子はおらんのか?ドアーフの少年とは、どうなんじゃ。」
「ミミ、何で知っているの?陽介は、今受験中だから会ってないよ。」
「あらま、ミミ様。この子、そんなのがおったのかい?」
「あぁ、優秀な奴だ。恐らく、次期賢者であろう。ユウナ、奴との子供は出来そうか?」
「なっ何言ってるの、ミミ!ボクは、ボク…。」
「子供だと思ってたら、この子は。爺が聞いたら、血圧上がって逝ってしまうよ!今度、ここに連れてらっしゃい!」
「おばば…!」




