トマムの雲海。
翌朝、ホテルで朝食を済ませて羊蹄山を眺めながら千歳を目指した。
修学旅行では、来なかった街だ。
千歳を通りすぎて札幌方面へ向かうと、どこかの工場に入る。
サッポロビールの工場なんだって、車の運転あるよね?
そのまま、庭園のある駐車場に行く。
「麻里、ここでお昼ご飯にしようか?」
「ビールじゃ、お腹いっぱいにならないわよ。運転、どうするの?」
「んっ、ここの併設レストランでジンギスカンの食べ放題しようと思ってな。」
「ジンジン、ジンギスカ~ン♬食べ放題、飲み放題も。」
「古いな麻里、幾つだ?飲み放題は、俺が飲めんから我慢してくれ。」
「古いって、何やねん!酒も飲まんと、肉食えるか!」
「わかった、わかった俺はソフトドリンクでええわ。」
最近、酒飲み出す様になって我が強くなって来た。
いい、傾向だな。
ジンギスカン、美味しかった。
さすが、工場直結。
生ビールも、どことなく違う。
あぁ、飲みすぎたわ。
貴方ゴメン、ウップ!
「大丈夫か、麻里?いくら飲み放題でも、飲み過ぎだろう。」
「ウ~、話かけないで。」
このまま、ホテルへ行くか。
着く頃には、チェックイン出来るだろう。
すっかり、寝入った麻里。
イヤー、本当可愛いッスよ。
ロリと言われようが、何でもいい。
そろそろ、トマムだな。
自動車道を外れて、ホテルへ向かう。
ここは、雲海が窓から見えると言うタワーホテルだ。
「麻里、着いたよ。」
「ふぇっ、私寝てた?ここ、どこ?」
「トマム、ホテルに着いたよ。」
「うわー、高い。ここに、泊まるの。札幌は?」
「後でも、いいだろう。やはり、流氷を拝まんとな。夕飯、食べれそうか?」
「うん、大丈夫。ただ、お肉はいいかなぁ。」
「だな、蕎麦にしようか。今日は飲んだから、夜はいいだろう。」
「夜と言うか、しばらくいいわ。」
飲み放題の元を取ろうとして、頑張った様だ。
お金には困っていない筈だが、こう言う所は美徳だな。
実際、無駄遣いもしない。
ユウナは、自分で買わないから気付いていないが無駄遣いが多い。
麻里が躾ている様だが、俺が甘やかしたせいで中々治らない。
まっ、子供の無駄遣いなど高が知れているが。
ホテルで聞いた蕎麦屋に、やってきた。
こじんまりとした、雰囲気のいい店だった。
「貴方の、好きそうな店よね。私も、もっとこう言う所に来たいわ。」
「そうだよな、大学の友達とだと中々行かないだろう?」
「確かに、カフェとか洋食屋さんとか。味より、オシャレかどうかって感じよね。」
注文した物が、来た。
俺は、天ざるそば。
麻里は、鴨だしのつけそばだ。
旨い、が麻里の作る方が美味しい。
お店では、言わないが。
麻里は、美味しそうに食べている。
「麻里は、蕎麦が好きなのか?」
「私は、麺類が全般的に好き。ユウナが、蕎麦好きなのよ。あの子、チュルチュル作ってって強請るのよ。」
凄く、笑顔が眩しい。
本当に、母親なのだな。
ユウナ、良かったな。
「何で泣いてるの、貴方?ユウナに、逢いたくなったの?」
「いや、お母さんだなと思って。」
「何それ、フフフ。」
「明日は雲海見たいから、早めに休もうか。」
「雲海?」
「あぁ、窓から雲が下に見えるらしいぞ。朝寒いらしいから、見える確率高いって。」
「わぁ、楽しみ。」
朝と言うか、まだ陽が昇らない早朝。
だんだんと明るくなる空、その下に広がる雲のじゅうたん。
凄い、まるでラピュタみたい。
このままタワーから、飛び下りたい。
ユウナなら、できそう。
ううん、旦那なら私を受け止めてくれそう。
「おっとと、どうした麻里?」
思わず、ベッドから旦那にダイブしてしまった。
「地球って、不思議ね。」
「そうだな、こんな景色めったに見れんな。」
「ユウナなら、美味しそうって言うわよ。」
「割り箸持って、グルグル回しそうだな。」
「さっ、朝風呂入ったら朝食バイキングに行くか。」
うっ、又動けなくなる予感。
ドスコイ!




