夜景。
「ねぇ、貴方。お腹、空かない?」
「麻里は、そればっかりだな。何で、そんなスタイル維持出来るのじゃ?」
「ユウナにも、食いしん坊って言われるのよね。私、そんなに食べる?」
「量は、それ程でも無いな。美食家と言う、事だろう。美食家には悪いが、ラーメンでもいいか?」
「いいわよ、美味しいの?」
「わしは好きだが、煮干しを出汁にして大鰐もやしをたくさん使った物だ。」
「一度東京で煮干しラーメン食べたけど、ドロドロして美味しくなかったわ。」
「今から行く所は、あっさり系だ。もやしは、美容に良いそうだ。」
「じゃあ、行こ。」
ちょっと早めのランチだが、超美味しかった。
もやしが、凄く大きいの。
温泉で栽培しているらしく、本当に美容に良いらしい。
スープもあっさりなのにコクがあって、全部飲み干しちゃった。
「貴方、美味しかったわ。又、ユウナも連れて来ましょうね。」
「そうだな、もやし食べれるかなぁ?」
あっ、あの子もやし嫌いだった。
なんて、好き嫌いが多いのかしら。
旦那が、もみ海苔ご飯しか食べさせなかったからだわ。
私は、運転席の旦那の横腹に思いっきりパンチしてやった。
「痛っ、危ないだろう。どうしたんだ、麻里?」
「大して、痛くないでしょ。我慢、しなさい!」
「何だ、おはようのキスしてないから拗ねてるのか?ラーメン食う前に、言えばいいのに。」
「前見て、運転して!」
馬鹿旦那!
車は、青森に着いた。
市場で適当につまめる物を買って、フェリー乗り場に来た。
着く頃には日も暮れているだろうけど、これに乗ったら北海道だわ。
修学旅行、以来だ。
あの時は、美奈子達と一緒に色んな事をした。
ユウナが泣きながら、私の布団に来た時は皆で奪い合いになって益々泣かれた。
いい、思い出だ。
つい最近の事なのに、又人妻として来るとは思っていなかった。
しかも、母親だ。
「うぅー、苦しい。頭が、ぐるぐるする。」
トイレに駆け込んで、ラーメンを吐いた。
「大丈夫か、麻里。お前、治癒のスキル持っておるじゃろ。」
「あっ、忘れてた。もぅ、早く言ってよ。」
「いや、何かの修行かと思ったよ。それに、お前の治癒ってそんなにすぐ効くのか?」
「そうね、悪用しないでよ。」
「さすがに、聖女様。南無~。」
「おい、勝手に仏にするな!」
函館に着くと、ホテルに向かう。
夫が、湯の川温泉と言う所を予約してくれていた。
チェックインして先ず、温泉に入る事にする。
部屋付きの露天風呂があり、ベランダに向かう。
津軽海峡と太平洋が一望出来、外の寒さと相まって気持ち良かった。
「貴方、邪魔!」
「んっ、気持ちいいぞ!」
「寒くないの、裸で外に立って。」
「鍛え方が、違う。麻里もこっちに来て、一緒に海を眺めないか?」
確かに、鍛えている。
あっちも、ギンギンだ。
やだ、もう!
夫が、湯舟に入って来た。
私に寄り添い、大事そうにもてあそぶ。
あーっ、やっぱりたまらない。
あんだけ長距離運転したのに、夫の精力はつきない。
「夕餉を食べたら、函館山行こうか?」
何ですか?
「はぁー、もうご飯なの?」
「大丈夫か、麻里?疲れたかな、夜景見に行こうかなって。修学旅行で、行ったのか?」
「私達の時は雨降って見れなかったから、もう一度行きたいわ。今日は、天気もいいし。」
「よし、早めに夕餉頼もう。」
夕餉は、タラバガニがたくさん使ったコースだった。
焼きやお刺身、天ぷらに鍋とどれも絶品。
イカそーめんも、透明でぷりぷり。
私は、馬糞うにを夢中でほじくり返していた。
ユウナも、連れて来たかったなぁ。
まぁ、ホタテが無いから泣くかもしれないけど。
カニがあると、人は無言になる。
「あー、美味しかった!」
「ふぅ、お腹いっぱいだな。一服したら、行こうか。」
車で、函館山に登る。
平日でも、結構賑わっている。
やはり、山頂は寒い。
夫がコートの上から、抱きしめてくれた。
「冬だから、綺麗ね。」
「麻里には、負けるがな。」
一児の母でも、こう言われると照れる。
「明日は、どうするの?」
「函館を観光して、もう一泊かな。明後日は、札幌に向かうつもりだ。どこか行きたい所は、あるか?」
「うーん、トラピスチヌかな。後、市場も。」
「やはり、食べる方か。少し早起きして、市場で朝飯にするか。」
「うん!」
「可愛いなぁ、麻里。」
抱き上げて、頬ずりしてくる。
「お髭、痛い!私、ユウナじゃないわよ。」
「知ってるさ、麻里だ。」
「てへぺろ!」




