九尾狐の帰還。
「お父さんが、嫌いになったのか?」
「なる訳、無いじゃん。師匠に、怒られたの。だから、ここで魔法の修練する。」
「あなた、師匠って誰?」
「フクロウの、ミミ様だ。居ったろう、ユウナの従魔の。森の長老で、何でも知っている。麻里が聖者の称号持ちなら、ミミ様は賢者の称号持ちだ。ユウナは、魔法使いのクセに近接戦闘ばかりしよる。ミミ様が、怒るのももっともだ。ただな、ユウナがいないとパパは寂しいな。」
「気持ち悪いって、パパ!」
「でも、師匠なのに従魔なの?」
「ミミ様は、賢者だから眷族にはなれない。それに、魔力が多すぎて人型には変化しないからな。」
「ユウナも、魔力多いでしょ?」
「うん、師匠は多分ボクの10倍位。だから、弱い人型に変化出来ないんだ。」
「良く、従魔に出来たわね。」
「ボク、かわいいから。」
「はぁー、ミミ様にいっぱい鍛えて貰いなさい。」
「ママ、お土産待ってるね。」
両親が、今度こそ新婚旅行に旅立った。
ボクは、長と社長一家を空港まで送る事にした。
帰りにギルドに寄って、ハクとユキにミューちゃんを連れて帰るのだ。
これで、ボクの従魔が勢ぞろいだ。
「ユウナ、向こうで待っているからね。慎吾君に、よろしくね。」
「由香お姉ちゃん、待っててね。社長も香ママも、迷惑かけるけどよろしくお願いします。」
「大人みたいだな、ユウナ。何も、心配するな。叔母さんには、私から伝えておくな。」
社長一家も、飛行機で東京に帰った。
そして、この人。
狐族の族長、九尾狐の柳山のおじちゃん。
由美お姉ちゃんの、お父さんだ。
「ユウナ、久しぶりだな。長と、迎えに来てくれたのか。済まんな。」
「うん、ギルドに寄ってもいい?由美お姉ちゃんも、いるよ。」
「そうか、ほれ天狗のお面だ。立派だろう。」
もっと、かわいいのあったよね。
まっ、社長を送ったついでに迎えに来たんだ。
文句も、言えない。
「柳山さん、詳しい事はギルドで聞こう。とりあえず、乗った。」
「ハク、ユキ、ミューちゃん、お姉ちゃんが迎えに来ましたよ!」
ハクとユキにべろべろされて、ミューちゃんをモフる。
はぁー、幸せ。
「お父さん、お帰り。長、ユウナは?」
「ほれ、そこに。」
「ユウナ、お話があるからこっちに来なさい。」
「ヴゥー、わかった。」
「私、学呼んで来るね。」
「はい、柳山のおじちゃん。長も、お茶だよ。」
「ユウナ、賢くなったな。偉いぞ、いつまでも赤ん坊だと思ったが。」
「ムゥ、ボク大人だよ。」
「長、何で泣いておる。」
「いや、バカっ子がこんなこと出来るとは。」
「長は、甘やかしだな。」
「おぅ、来たか学。」
「お帰りなさい、お義父さん。」
「はい、学兄ちゃんお茶。」
「ンッ、毒入ってないよな。」
「何でよ、ボク一生懸命淹れたのに!」
「ハハハ、冗談だ。おっ、旨いな。ユウナ、いいお嫁さんになるぞ。」
「てへぺろ!」
「さて、柳山さん聞こうか。」
「先ず、ユウナ結界を頼む。」
「ここは、ギルドだぞ。怪しい者など、おらんぞ。」
「それは、知っている。相手だって、そのくらいの事は承知だろう。探っているのは、こちらだけじゃない。ユウナの結界なら、誰にも邪魔されないだろう。」
「うん、張ったよ。二体ほど、意識体がいたよ。ハクとユキに、退治させているよ。ミューちゃん、見つけてくれてありがとう。ほい、人参スティック。」
「優秀な従魔だな、ユウナ。これで、大丈夫だな。」
「学君、東京の報告が先に聞きたいな。」
「学兄ちゃん、東京に行ってたの?」
「いや、俺の配下からの報告だ。もう、偽天孫は長く無いとの事だ。大戦での降伏宣言した事で、長生き出来たのにな。この国を捨てて、楽隠居だ。案外、幸せだったかもな。次代は、何とかマシだが年齢を考えると短命だろう。その後が、まずい。この世を滅ぼすかもしれない位、愚物だ。八瀬の童子が慌てて、本物の天孫族を探している。どうやら、直系の唯一の男子に提供したいらしい。ユウナ、気をつけろよ。」
「えっ、何で?」
「その話はしない約束だろ、柳山さん。」
「長、だけど…。」
「ユウナ、親方について行かなかったのか?」
「ボクだって、子供じゃないの。親の新婚旅行について行くほど、アホじゃないよ。ミミと、魔法の訓練するんだ。」
「そうか、山や谷を壊すなよ。お前の法力、半端ないから。」
「えっ、法力?魔力じゃなくて。」
「ああ、お前の使っているのは法力だ。全開にしたら、周囲の地形が変わる。良かったな、麻里ちゃんのおかげだぞ。」
「学兄ちゃん、ミミの魔力とどっちが強いん?」
「そんなの、比べるまでも無い。お前の法力は、ミミ様の何万倍いやもっとだな。長、話してないのか?」
「いや、文太から聞いておると思ってた。」
「親方は、知らないぞ。俺も、ミミ様から聞くまで知らなかった。まっ、孤児のユウナは知らない事がいっぱいありそうだな。」
「あっ、ボクの本当のお父さんって誰?今さら知っても、どうでもいいけど。」
「それは、誰も知らんぞ。ミミ様が知らないなら、知っている者は生きておらんだろう。」
「長も知らないんじゃ、しょうがないね。まっ、鬼パパがいるからいいや。」
「文太も、幸せ者じゃな。して、京の様子は?」
妖狐族って、モフモフ出さないとエルフと見分けつかない。
耳長だし、みんなスレンダーだしね。
ユウナは、幼児体型だけど。




