眷族会議。4
別室を借りて、ユウナにおっぱいを与える。
「チュバッ、ゴクッ、ゴクッ、フゥー。オイチ、ゲッフ!」
ユウナを抱っこして戻ると、みんなシラーッとしている。
「ユウナ、何で小っさいままなんじゃ?」
「あぁ、長。ユウナ、いまだにワンコのままでな。一度も、フェンリルに成れていないんだ。」
「魔力は、足りておるな。ならば、問題無い。麻里ちゃんのおっぱい飲んでる間は、安心だな。」
「どういう事、貴方?」
「麻里のおっぱいを飲んでる間は、魔力が暴走しないという事だ。聖母の力で、制御出来るからな。」
「なっ、貴方!」
「パパ、それ言っちゃ駄目な奴。」
「あぁ、すまん。ここにいる者は、遅かれ早かれみんな知る事になるぞ。」
「それでも、パパが言っちゃ駄目だよ。ボクが覚醒するまでは、内緒だったのに。」
「ユウナ、もう皆薄々気づいておるぞ。麻里ちゃんは、ハイエルフだろ。お前の母親になった時点で、みんな納得しておるわい。」
「だって、ママ。」
「すまんな、麻里ちゃん。色々、面倒を押し付けて。」
「いえいえ、私はすごく幸せです。」
「ボクって面倒なん、長?」
「自覚せいよ、ユウナ。お前さんがいるから、みんな生きて行こうとしているのじゃからな。」
「わー、面倒くさっ!」
「お前が、ゆうな!」
「長、オヤジギャグ寒いよ。」
「はっはっは、ほれみんな手伝っておくれ。熊鍋の用意、出来たわよ。」
「おばば、熊鍋しか無いん?」
「この子は、黙って食べな。いつまでも、甘やかしてらんないよ!」
「ミミ、おばばがいじめる。」
「お前さん、一層わがままになったな。森に、捨てて来るぞ。」
「わっ、フクロウが喋った!」
「由香お姉ちゃん、ミミはボクの従魔だから賢いんだよ。」
「ほう、牙狼族の娘か。やはり、牙狼族はみんな美形じゃな。」
「まっ、ミミさん。本当の事だからって、そんな…。」
「さっ、飲んで食べて!」
民宿と学兄ちゃんの家の間にある集会所を借りて、眷族の大宴会が始まった。
熊鍋だけとは言わず、山海の珍味やら各種アルコールも存分に振る舞われ盛り上がった。
「えー、ここに大体のもの達が集まった。眷族代表として、鬼族の文太殿から挨拶してもらおう。」
「皆の者、長きに渡って耐え忍ぶ事辛酸であった。都を離れて、千年余り。未だ、帰れる見通しは無い。いや、帰る必要も無いかも知れん。狸族が、江戸に打ち立てた王国によって天孫族は壊滅した。その後、我が女王様はこの里を守り抜く為江戸に多大な献上をして来た。屈辱で、あったろう。その後は、推して知るべし。南方から、エルフの民が狸族を追いやって今の日本がある。女王様も、ハイエルフを迎え入れてこの里を守って来た。しかし、八瀬の童子が大戦の後この蝦夷を圧迫したのだ。我等が望むは、平穏な暮らしだけ。それすらも、許されぬらしい。ダム造成で、里の大半が失われた。反対行動をした麻里の両親のハイエルフや眷族、さらに女王様も無残な最後を遂げた。怨嗟は、又新たな火種を産む。今のままで、良い。王女を守りて、慎ましく生きて行こう。」
「天孫族や八瀬の童子に、一矢報わないのか?」
「それが、なんになる?奴らは、又天孫族と証して偽者をどこからか呼ぶだけだ。」
「しかし、このままでは我等とて追いやられるのでは無いか?」
「そうならない様に、眷族が団結すればいい。ユウナは、その
象徴だ。」
「王女様は、覚醒しておらんだろ?」
「だから、どうした。その為に、麻里と私がそばに居る。」
「なる程、聖母様か。文太殿、戦闘種族のお前さんが王女様の父親になったのは聖母様の為か?」
「それもあるが、ユウナが愛おしくてな。少しでもユウナとおれば、駄目になるぞ。」
「お父さんのバカ!」
ユウナを膝の上に抱き上げて、頭を撫でる文太。
「確かに、そうだな。狐族の報告次第だが、様子を見るか。なんにしろ、文太殿が首長なのだ。しっかり、しておくれよ!」
「パパ、偉いの?」
「なんだ、ユウナ。そんな意外そうな、顔して。」
「だって、パパいつもニマニマして気持ち悪いんだもん。特に、ママといると。」
文太と麻里が、一緒に声を荒げた。
【ユウナ!】
ボクが上座に祭り上げられている隙に、由香お姉ちゃんが慎吾お兄ちゃんとしっぽりやっていた。
しょうがない、生きて行く世界が違う。
又、振られた。
「ユウナ、泣くなよ。」
「ミミ、ボクも空を飛びたい。」
「飛べるでは、ないか。」
「あっ、そうだった。ものの例えだよ、えへへ。」
昨晩は、民宿に泊めてもらった。
ボクは、ママの胸の中でぐっすり眠った。
「ユウナ、北海道に一緒に行こうね。」
「ううん、行かない。」
「何で、新婚旅行だからって気を遣わなくていいのよ。」
ユウナ、頑張れ!




