眷族会議。3
北海道に向かっていると、自動車電話が鳴り出した。
「誰から、あなた?」
「学だ、ユウナの事で民宿織田に集まるらしい。」
「ユウナの事、何かしら?」
「この間の話もあるし、後ややこしい話もあるから来てほしいそうだ。」
「どうするの?」
「せっかく、新婚旅行だってのに。麻里が嫌なら、行かなくてもいいぞ。」
「私のせいに、しないでよ。あなたが、行きたくないんでしょ。とりあえず、一旦戻りましょ。」
両親も夜にならなければ来ないみたいなので、このままステーキを食べてから向かう事にした。
さて、誰がこんな高級店に。
黒毛和牛A5、お会計一人三万円。
金遣い荒いねん、おっさん!
ありがとう、美味しかった。
ユウナには、絶対食べさしちゃダメ!
あれは、大人の食べ物よ。
「ユウナ、そろそろ両親が来るの?」
「うん、まだかなぁ。」
ずっと、幹線道路を見つめている。
「あっ、車が来た!」
「何やってんだ、ユウナ?」
「なんだ、学兄ちゃんか。」
「なんだって、何だよ。お前、ずっと親方達を待ってんのか?風邪惹くぞ、中に入りな。」
「うん、兄ちゃんどこに行ってたの?」
「酒を仕入れに、織山酒屋までな。」
「えー、お菓子は。」
「お前、そんなに食ったら又お腹壊すぞ。」
「又おんぶして、藤原小児科連れて行ってよ。」
「ああ、おっ来たみたいだぞ。」
車に駆け寄る、ユウナ。
「パパー、ママー!」
麻里が、抱き上げて頬ずりする。
「ユウナ、一人で大丈夫だった?」
「うん、皆待ってるよ。ママ、仮免合格おめでとう。」
「んふ、ありがとう。ほら、マジカルママでおやつをいっぱい買って来たわよ。」
「わーい、ママだいちゅき!」
「全く、甘やかして。パパからは、トーマスの自転車な。」
「えー、セーラームーンのが欲しかったのに。」
「いやいや、それマウンテンバイクだからな。さすがに、セーラームーンは無い。トーマスでも、探すの大変だったんだそ。」
「親方も、甘ちゃんっすね。」
「おっ、学。話って、何だ?」
「俺も、知らないっす。先、酒屋から戻ったばかりなので。」
「そうか、じゃあ運び込むか。ユウナ、暗くなるからあまり遠くまで行くなよ。麻里、見といてあげてくれ。」
「ママー、後ろ持ってて。」
「ユウナ、自転車乗れないの?」
「んと、えっと。わっ!」
「車乗れるのに、自転車乗れないなんて。本当、運動神経無いのね。」
「それ、じいじにも言われた。スキーも、結局滑れなかったし。」
「いいわ、私が教えてあげる。あら、由香ちゃん。それ、由香ちゃんの自転車?」
「いいなぁ、セーラームーンだ。」
「うん、じいちゃんに買ってもらった。」
「道路に出たら滑って危ないから、お庭を出ちゃダメよ。」
【はーい!】
「お邪魔、します。」
「失礼、します。」
「おぅ、文太来たか。嬢ちゃんも、わざわざ済まなかったな。」
「その節は、お世話になりました。」
「ほう、覚醒した様だな嬢ちゃん。」
「はい、それと嬢ちゃんはちょっと。もう、ユウナの母親なので。」
「そうか、ユウナはわがまま言うとらんか?」
「大丈夫です、厳しく躾てますから。」
「はっはっは、最近大人しくなったのは麻里ちゃんのおかげか。」
「文太、良かったな。お前には、過ぎた女房だな。」
「ありがたい、ことです。長、それで話って何ですか?ややこしい、事とは?」
「ややこしい事は、進藤さんの所が来てからにするか。先ずは、ユウナの事だな。敏彦、お前から話せ。」
「文太兄さん、お久しぶりです。」
「いや、こちらこそ。ユウナも麻里も、すっかり世話になって。」
「こちらこそ、助かってます。ユウナの事なんだけど、麻里さんが卒業するまで家で預かれないかなって。」
「ユウナをですか、これ以上迷惑はかけれませんよ。それに、娘はなるべく手元で育てたくって。」
「もちろん、麻里さんの所にいるのが一番だ。だから、家の向かいにあるマンションに引っ越してもらえないかなと。麻里さんが手一杯の時は、家で香や由香と一緒にいたらいい。マンションは、うちの社宅だから気兼ねしなくていいよ。」
「願っても無いお話ですが、そんなに甘えてよろしいのですか?」
「あぁ、ユウナには経営で稼いでもらうから。」
「ユウナがよければ、私に異論はありません。よろしく、お願い致します。」
「ユウナからは、承諾の答もらっているから。ママが一緒なら、大丈夫だそうだ。」
「ユウナ、グシュ、ウゥー!」
「麻里、ユウナと一緒にいてやってくれ。」
「はい、貴方!」
「ちなみに、パパはいらないって。」
「なっ、ユウナ!」
「文太兄さん、モミ海苔ご飯ばかりじゃかわいそうだよ。」
「はは、はぁー…。」
「ママ~、じいじ達来たよ。」
「お邪魔、します。おっ、文太君来てたか?麻里、試験どうじゃった?」
「麻里は、問題無いですよ。慎吾、お前結局!」
「違うよ、兄ちゃん!これは、由香ちゃんが自転車で転んで…。」
「照れなくても、いいのに。慎吾君、いの一番に駆け付けて抱っこしてくれたじゃない。」
「由香ちゃん、どこが痛いの。慎吾、そこに横たえて。」
「姉ちゃん、手が光ってるぜ!」
「うるさい、黙ってなさい!はい、由香ちゃん。これで、大丈夫よ。」
「わぁ、本当だ。どこも、痛くない。麻里お姉ちゃん、聖女様なの?」
「違うわよ、ちょっと治癒の力があるだけ。」
ジト目で見つめる、ユウナ。
「ユウナ、おっぱい飲む?」
「うん、ママ早く!」
チョロい、ユウナ非常にチョロい。
慎吾!




