保護者。
「敏彦君、晩ごはん食べて行ってね。なんなら、泊まっていけば?」
「いやー、そんなに気を遣ってもらわなくても。で、晩ごはん何かな?」
「ふふっ、相変わらず食いしん坊だね。ハタハタが大量に手に入ったから、しょっつる鍋にするわ。由香ちゃん、食べれるかしら?」
「わーい、ハタハタ大好き!」
「良かった、どうしたのユウナ?
「イクママ、ボク…。」
「はいはい、ユウナにはドラえもんカレー出してあげるから。少し食べてみなさい、ハタハタ。」
「ユウナ、本当赤ちゃんね。お姉ちゃんが食べさしてあげるから、安心なさい。」
「うん、がんばりゅ!」
「いい子、いい子。」
由香が、ユウナを抱き寄せて撫で撫でする。
由香にシュークリームを食べさせてもらって、ご満悦のユウナ。
お前、誰にでも可愛いがられるな。
「香さん由香ちゃん、今の内にお風呂入っておいで。香さんは、麻里のでサイズはいいとして。由香ちゃんは、ユウナが大きかった頃のが入るわね。」
「ユウナ、大きかった頃あるの?」
「あるよ、ボク大学生なんだから!」
「何言ってんの、赤ちゃんのクセに。ほら、ユウナも一緒に入るわよ。」
「ムゥ!」
抱っこされて、そのまま連れ去られた。
「由香ママ、いい匂いがする。」
「ふふっ、ユウナちゃんと種族が近いからね。女王様の匂いが、するのかな?」
「うーん、ボク分かんない。物心ついたら、母様はこの世にいなかったから。」
「ユウナ、ウッウ、グシュン、ア~ン!」
「由香お姉ちゃん、痛いよ。」
ぺったんこな胸に、押し付けられても。
「ユウナ!」
何、心読んだ?
「由香、ユウナちゃんが苦しがっているわよ。こっちに、貸しなさい。」
何、この安定感。
ママと、同じ。
やっぱり、大きさは武器だ。
「ユウナ、ママのおっぱい欲しいんじゃない?」
えっ、又心読んだ?
「ほら、いいわよ。たくさん、お飲みなさい。」
あんたは、天使かいや女神様や。
「ゴクッ、ゴクッ、チュッパ、ゴクッ、プハァー、ゲップ!おいちい。」
「ンフフ、良かった。由香も、飲む?」
「私は、お姉ちゃんだもの。でも大きくなったら、私のおっぱいあげるからね。」
ほう、それは期待大だな。
遺伝は、正直だ。
お風呂から上がって髪を乾かしてもらっていると、お兄ちゃんが大きな木枠の箱を持ってきた。
お魚さんが、いっぱい。
ハタハタ、凄い量。
玄関が天然の冷蔵庫なので、田舎では何箱も購入するんだって。
お腹から紫がかった粒粒が、見える。
ブリコって言う、ハタハタの卵なんだって。
これが、美味だと。
なんか、気持ち悪い。
じいじが、一匹のハタハタからブリコを取り出した。
そのまま、食べている。
「じいじ、大丈夫?」
「酢漬けだから美味いぞ、ユウナも食べてごらん。」
うえっ、遠慮したい。
そのまま、口に放り込まれる。
「ブリッ、ブリッ、ブリッ、あっ、おいちい!」
「だろ!これが、大人の味だ。」
「何が、大人の味ですか!ユウナが、お腹痛くしたらどうするの?あんたみたいな、野蛮人じゃないのよ!」
「おぅ、ばあさんは怖いな。ユウナ、ポンポン痛くならない様におまじないな。」
じいじが、お腹に手を当てて呪文を唱えた。
「オンケン…、タァ!」
「じいじ、ありがちょ。」
鍋にハタハタを投入したら、あっという間にしょっつるが出来た。
しょっつる以外にも、庄司魚屋から届けてもらった仕出しがテーブルに並ぶ。
「ハフッハフ、いやー美味い!久しぶりのハタハタ、やっぱり最高だなぁ。」
「敏彦、高清水もあるぞ。さっ、一杯。」
「サーセン、先輩。先輩も、どうぞ。郁恵ちゃんも、好きだろう?さっ、どうぞ。」
「ありがとう、香さんもいける口よね。はい、どうぞ。」
大人達は、日本酒で盛り上がり始めた。
ボクは、由香お姉ちゃんにハタハタを食べさしてもらっている。
「はい、アーン。美味しい、ユウナ?」
「うん、こんなに美味しいと思わなかった。」
お兄ちゃんが、不貞腐れている。
いつもモテモテなんだから、たまにはいい薬なのだ。
「敏彦君達、いつまでこっちに居るんだい?」
「明後日の夕方の飛行機で、帰る予定だよ。」
「それじゃ、麻里達は帰ってないわね。」
「なら、叔母さんを通して一度向こうで会うよ。その前に、如月さんにも話を通しておくよ。」
「何から何まで、済まないねぇ。ユウナは、それでいいかい?」
「うん、ママが一緒なら大丈夫!」
「ユウナ、本当に麻里お姉ちゃん大好きね。パパは、放っておいていいの?」
「パパ、役立たずだもの。ご飯も作れないし、仕事と狩りだけは一流だけど。パパといると、いつももみ海苔ご飯だもん。」
「かわいそう、これからはお姉ちゃんが面倒みてあげるからね。」
「由香も、自分の事ちゃんと出来る様にしましょうね。」
「ママ~。」
「そういや、ユウナっていつも家に来てたな。最初は、父さんの隠し子かと思ってたぞ。」
「おい、慎吾!」
「あれはね、麻里とユウナが同じクラスだったからいつも連れて帰って来てたのよ。あの頃から、麻里はユウナの母親だったのかね。」
「ボクのお母さんは、ママだけ!」
じいじとばあばが、泣き出した。
「先輩、郁恵さん、幸せですね。」
「あぁ、ユウナの事これからもよろしくな。」
「ユウナ、おいで。」
「ばーば、だいちゅき。じいじも、だいちゅき。」
「いいな、父ちゃんと母ちゃんは。」
「お兄ちゃんも、だいちゅき。」
「なんか、違う様な気がするけどいいかぁ。」
ユウナ、カスタードじゃなくて生シューが好き!




