眷族会議。
みんなで、温かいミルクティーを飲む。
「ねぇ、社長は母様の事何か知っているの?」
「両親から多少聞いておりますが、私自身は拝謁させてもらった事が無いので。ユウナ様が産まれた事すら、知りませんでしたから。」
「ユウナ様って、やめない。傍から見たら、おかしいよ。今まで通りで、いいよ。みんなも、そうして。ねっ、由香お姉ちゃん!それに、ボクが産まれた時って社長まだ生まれてないじゃん。」
「確かに、由香もそれでいいかな?」
「わかったわ、ユウナが言うんならしょうがないわね。」
頬を真っ赤に染めながら、口を尖らす由香。
満更でもなさそうだね、由香お姉ちゃん。
「あのさ、側室って何だ?」
バッコーン!
「お兄ちゃん、黙ってて!」
「痛いな、ユウナ。お前、オレの許嫁だろ?もっと、優しくしな。」
「いつ、ボクがお兄ちゃんの許嫁になったのよ。調子に、乗らないでよ!」
「えっ、違うのか?母ちゃん、話が違うだろ。」
「十年早いよ、慎吾。」
「慎吾君、私と言う者がありながら!」
バチッコーン!
「はは、オレ女嫌いになりそう…。」
「ここで話していてもしょうがないから、敏彦君達家に来ない?」
「じゃあ、そうさせて貰おうかなぁ。香、いいか?」
「ユウナちゃんを可愛がられるなら、いいわよ。」
「あっ、ママずるい。ユウナは、私のものなんだから!」
ハァ、ママ早く帰って来て。
ユウナのHPが、削られていくよ。
【ただいま!】
【お邪魔します。】
「お帰り、おぉ敏彦。久方ぶりだな、香さんも由香ちゃん大きくなったなぁ。」
「お久しぶりです、先輩。スキー場で、郁恵さんと一緒になりまして。」
「そうか、早くあがんなさい。ユウナ、スキーは楽しかったかい?」
抱き上げられた、ユウナ。
「ボク、滑れなかった。でもね、ソリは楽しかったよ。お兄ちゃんが、一緒に遊んでくれたの!」
「よかったな、ユウナももうちょっと運動神経が良かったらな。」
「ムゥ、ボクこの間ギルドでA級貰ったんだから!」
「まぁ、文太君の娘だからな。敏彦は、鳳鳴高校の剣道部の主将だったんだ。インターハイでも、個人優勝しているぞ。後で、色々教えてもらうといいぞ。」
「先輩だって、柔道部で国体二連覇しているじゃないですか。」
「あらあら、いい大人が自慢大会しないの。ユウナは、全日本剣道選手権の王者よ。しかも、男子に混じってね。とりあえず、お茶にしましょ。由香ちゃんは、慎吾達と同じ山葡萄ジュースでいい?」
「はい、美味しそう。」
「だろ、これ一杯で千円位するんだ。オレとユウナで、山から採って来たんだ。」
「由香ママも、飲んで。美味しいよ、ゴクッゴクッ!」
「ありがとう、ユウナちゃん。本当に、美味しいわね。」
「おい、ユウナ。お前、本当に全日本選手権で優勝したのか?」
「うん、したよ。今は、機動隊で剣術師範している。」
「何で、スキー滑れないんだ?」
「シャチョウサン、コマカイコトハキニシナイヨ。」
「やめろ!本当に、そのしゃべり方やめなさい。どこで、覚えてくるんだか。」
「なぁ、ユウナ。お前、いったい何者なんだ。」
「慎吾、それを聞いてどうするの?」
「母ちゃん、俺さぁユウナの事可愛くてしょうがないんだ。なんだか、オレのユウナじゃないみたいで。」
「ボクは、いつまでもお兄ちゃんのユウナだよ。ユウナの事、きらい?」
上目遣いで迫る、ユウナ。
恐ろしすぎる、この子。
「いやー、ユウナはやっぱりかわいいな。ところで、ユウナっていくつ?」
「やだな、永遠の9才に決まってるじゃない。」
「うっ、よくわからん。姉ちゃんも、ユウナのママだから結構…。」
「お兄ちゃん、それ以上詮索すると死ぬよ。」
「ははは、そうだな…。姉ちゃん、まだ女子大生だもんな。」
「慎吾、由香ちゃんと向こうでケーキ食べてきなさい。敏彦君、あんた達ご飯は食べたの?」
「はい、プリンスホテルのレストランで。」
「じゃあ、こっちで相談にのってくれない?ほら、お父さんも。」
「ボクも?」
「ユウナの事なんだから、当たり前でしょ。」
「ボクも、ケーキ食べたい!」
「後に、しなさい。無くならないから。」
「ムゥ、お兄ちゃん残しておいてね。シュークリームは、ボクのなんだからね!」
「んで、何の話だい?」
「ほら、昨日言ってたでしょ。ユウナを預かってくれる所、どうしようかって。」
「あぁ、その話か。ユウナ、お前麻里と一緒にいたいのか?」
「うん、ママと離れるの嫌!」
「麻里は、大学が忙しいぞ。夜は帰って来るだろうが、ずっとは一緒にいれないよ。一人だと、無理だろう?」
「ママの学校に、ついて行っちゃダメ?ボク、同じ学校だよ。」
「学校は一緒に行けるだろうが、授業は無理だな。増して、研修で病院にも行くだろうから。」
「麻里ちゃん、医学部なの?優秀ね、ユウナちゃんは?」
「ボク、経済学部。もう、卒業する。」
「えっ、ユウナちゃん大学生なの?もう、卒業するって!」
「入学したばかりだけど、教える事が無いから卒業だって。それに、子どもが大学通ってたら目立つし。」
「そうか、ユウナちゃん一人じゃ皆心配よね。」
「何で?」
「いいか、ユウナ。叔母さんも言ってたけど、お前一人だと何も出来ないだろう。それに、誘拐とか色々心配なんだ。」
「えっ、ボク何でも出来るよ。それに、弱くないよ。」
「あのね、ユウナ。積み木やお絵かきは、上手よね。でも、生活はそれでは出来ないの。弱くはないと言うか、強すぎるのよ。それは、それで問題なのよ。9才にしては、お利口さんなのよ。」
「おばあちゃん…。」
「なぁ、ユウナ。今のマンション、引っ越さないか。」
「どこに?」
「俺の家の、向かいのマンションだ。」
「社長の?」
「あぁ、一応従業員の社宅に使っているんだ。部屋は空いているから、大丈夫だ。」
「ママも、一緒?」
「もちろん、麻里ちゃんがいない間は家にいればいい。妻もいるし、由香も遊んでくれるぞ。」
「敏彦君、いいのかい?ユウナは、だいぶワガママだよ。」
「ムゥ、おばあちゃん!」
「ユウナちゃん、是非そうして。本当は、家に来てほしいけど。麻里ちゃんが、気を遣うでしょうから。」
「それは、いい考えだな。しかし、だいぶ敏彦に迷惑かける事になるな。」
「いえいえ、ユウナがいればうちの会社はだいぶ儲かりますから。」
「モデルは、辞めたんじゃないのか?」
「はい、経営プランの方で助けてもらいます。」
「すごいな、ユウナ。だてに、大学首席じゃないんだな。」
「シャチョサン、コキツカワナイデクダサイネ。」
「だから、辞めて。それ、絶対辞めろ!」
シャチョさん、気苦労が絶えませんね。
あざとユウナは、今日も色気を振りまく。
男の子だったよね?




