表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/235

仮免許合格?

 結構、大きなスーパーね。


 ホームセンターも、一緒の建物だった。


 夫のキッチンは一応道具はあったが、調理した形跡が無かった。


 あの人が、する訳無いか。


 手早く作れる材料を買い込んで、ホームセンターにやって来た。


 シーツやらを洗濯してしまったので、ここで手に入れようと思ったのだ。


 あら、クマサンの大きいぬいぐるみ。


 今頃、ユウナはどうしているかなぁ?


 ママに逢いたいって、泣いてなきゃいいけど。


 ヤバっ、私が泣きそうだわ。


 娘とは、上京して以来ずっと一緒だった。


 何気に、こんなに離れ離れになるのは初めてだ。


 最初は、同級生。


 次第に姉となり、気付いたら母になっていた。


 その都度愛おしさが増えて、あの子無しでは生きていけなくなった。


 私たちは、あまり似ていない。


 血が繋がっていないのだから、当たり前だ。


 だが、どこに行っても親子だと言うと納得される。


 それだけ、あの子は私を信頼しているのだろう。


 私は、別にあの子にとっていい母親になろうとは思わない。


 ただ、あの子の幸せを願うだけ。


 夫も、そうなのだろう。


 私たち夫婦も、お互い信頼しあっている。


 子はかすがいと、良く言ったものだ。


 シーツや小物を買い込んだら、結構な量になった。


 昔なら、へばる所だけど今なら何とかなる。


 しかも、夫のマンションはすぐ向かいだ。


 エレベーターに乗り、インターホンを押す。


 髪の無い頭を掻きながら、夫が開けてくれる。


 「重かっただろう、こちらによこしな。」


 「片付いた、何これ?」


 歩ける様にはなったが、壁一面にうず高く書類が積み上げっている。


 「いやー、やるにはやったんだが。」


 「これって、宿舎に持っていけないの?」


 「あそこだと、陳情やらで議題の勉強が出来ん。つい、たまってしまうんじゃ。」


 「一度、陽介を呼んだ方がいいわね。」


 「あの、ドアーフの男の子か。」


 「あいつ、こういうのの整理得意なのよ。多分、この量ならフロッピーで小さくまとめてくれるわよ。」


 「スマン、わしがそのフロッピーとか扱えんわ。」


 「もう、これだから戦前生まれは。私も、扱えないけど。ユウナなら、出来るわよ。」


 「あの子は、こういう事は長けているんだな。」


 「そうよ、私の娘ですもの。まっ、いいわ。焼きそば作るから、あなたはシーツとカバー取り付けてね。」


 焼きそばが、出来た。


 もやしとミニウィンナー入りの、簡単な物。


 包丁もまな板も無いのだから、しょうがない。


 わざわざキャンプ用のアルミ鍋で、作った。


 道具を揃えても、夫は使わないだろう。


 でも、手作りの温かいのが食べたい。


 後は、わかめスープと。


 夫は二人前、足りるかなぁ。


 「あなた、食べましょう。はい、スーパードライね。」


 「すごいな、何も無いのにこんなのが食べれるなんて。やはり、お前魔法使いなんだろう?」


 「んふ、そんな訳ないでしょ。冷めるわよ、早く食べましょ。」


 夫と籍を入れて以来、二人っきりでゆっくりするのは初めてかもしれない。


 「ユウナがいないと、何やら新婚さんみたいだな。」


 「あなた、私たちは新婚よ。」


 「おう、そうじゃった。子供がいるせいで、何年も連れ添っている様な気がしとったわ。」


 「確かに、そうかもね。ユウナ無しでは、私たちやっていけないかも。」


 「わしは、麻里だけでも幸せだぞ。」


 「ありがとう、あなた。私も、愛しているわ。」


 「じゃあ、頑張って二人目も作るか!」


 せっかく新しいシーツやカバーに換えたのに、台無しになりそうな二人だった。


 お二人さん、ここは田舎のログハウスではないぞ。


 壁の薄い、ワンルームマンションだぞ。


 翌朝、怠い身体を起こしてシャワーに向かう。


 身体を拭いてドライヤーをしている内に、後から入った夫は支度が終わっていた。


 ドライヤー、いらないもんね。


 朝ごはん食べながら、免許センターに行く事にした。


 朝ごはんに連れて来られたのは、卸売市場だった。


 なるほど、ここなら早朝からやっている。


 私たちが頼んだのは、ハタハタの焼き魚定食。


 秋田名物、八森ハタハタです。


 お腹にいっぱいブリコを貯えて、美味しそう。


 うーん、堪らん。


 また来ようね、あなた。


 そして、新屋にある免許センターに到着。


 今日は、仮免許試験と言う物を受けるらしい。


 この為に、夫がわざわざ雪で車庫入れやクランクなど庭にコースを作ってくれた。


 程なくして、仮免許の合格証がもらえた。


 車で待ってくれていた夫に見せると、抱き上げて喜んでくれた。


 もちろん、実家にいる娘にも知らせる。


 あいにく、誰もいなかった。


 そっか、二人共に仕事だもんね。


 お母さんが、今日もスキー場に連れて行ったのだろう。


 夫がお祝いに、ステーキをご馳走してくれるらしい。


 そして、そのまま青森のフェリー乗り場に向かうって。


 新婚旅行よ、北海道をぐるりと一周。


 免許センターは、どうせ来年だからね。


 ゆっくり、周りましょ。


 


 

ママ、二人目は弟がいいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ