スラムダンク。
「明日朝早いから、二人共お風呂入って寝なさい。」
「ハーイ!お兄ちゃん、待って~。」
「お母さんも、早いんでしょ?私が後片付けするから、ゆっくりしなよ。」
「そうするかね、麻里ぬる燗見ておいて。」
洗い物をしている間に、徳利もいい感じの様だ。
「はい、お母さん。飲みすぎないでよ。」
風呂から上がって来た子供達が、お父さんと旦那に捕獲されていた。
「遊んでないで、髪の毛乾かしなさいよ。」
「うるさいなぁ、ババァ!」
「ユウナ!お前って、子は!」
「わっ、パパ助けてー!」
「今のは、ユウナが悪いぞ!あんなに、可愛いママにババァなんて。ユウナ、目が潰れてるんじゃないか?」
「パパ、気持ち悪い!」
「なっ、ユウナ!」
「あなた、ユウナを抑えつけて!ウラウラ、ヒョーヒョヒ!」
「ヤメレ!くすぐったい、死ぬ!ゴメンナザイ、ユルジテクダザイ!ア~、ウア~!」
「慎吾、ユウナを連れてこのまま寝なさい。」
「ハァ、ハイ!」
「あんた達、楽しそうだね。」
「あの子は、私達の宝ですからね。麻里が、お母さんで本当に良かった。」
「わし等にも、宝じゃよ。なぁ、ばあさん。」
「おい、あんたが言うな!クソじじい!」
「二人共、いつまでも仲良いですな。なるほど、麻里が真っ直ぐ育った訳だ。」
「片付け終わったわよ、お母さんたまには一緒にお風呂入ろう。何だか、甘えたくなってきちゃった。」
「ほいほい、では行こうかな。大きな、赤ちゃんや。」
朝起きると、母はとっくに準備を整えていた。
慎吾とユウナは、興奮して早起きしたみたい。
私達は、昼ごろに秋田に行く予定なのでゆっくりだ。
お父さんは、新聞片手にニュースを見ていた。
「麻里、お父さん朝は食べたからお昼だけ用意してやって。」
「うん、わかった。ユウナをお願いね、慎吾も。」
「おぅ、任せろ!」
「ユウナ、おばあちゃんとお兄ちゃんの言う事ちゃんと聞くのよ。さびしくない?」
「うん、ちゃんと聞く!」
「麻里、お前が寂しそうだぞ。」
「あなただって。」
「慎吾、ユウナを頼むな。」
「はい、文太兄ちゃん!」
めっちゃ、懐いてるやん。
憧れの、冒険者って奴か。
お母さんの軽四が、行ってしまった。
私達も、軽い朝食を食べる。
旦那は、お父さんと何やら難しい話をしている。
私は、ミシンでユウナのおむつを何枚か作る。
サイズが無いので、仕方ない。
赤ちゃんか老人用しか、売ってない。
ならば、作らねば。
お母さんに、置き手紙をした。
これで、おねしょしても大丈夫だろう。
いい時間になったので、玉子丼とおひたしでお昼ご飯にする。
後片付けは、お父さんがしてくれるそうなので秋田へ向かう事にする。
一応、おむつの事はお父さんにも伝える。
普通に、納得していた。
荷物もさほど無いので、すぐ出発だ。
今回は、山越えでは無く海岸沿いで向かうらしい。
冬は、こちらが安全だし時間もさほど変わらないとの事。
空港から伸びるバイパスにのると、1時間ほどで能代を通過する。
ここは、バスケットで有名な街だ。
米倉、元気かなぁ?
そのバスケットで有名な工業高校出身なのが、あのイケメンヤンキーの努だ。
平川さんと、上手くいってるかしら?
「麻里、どうした?何だか遠くを見つめて、寂しそうだぞ。」
「ううん、思い出した事があって。努が、ここの高校出身だったなぁって。」
「努って、誰だ。昔の、ボーイフレンドか?」
「違うわよ、何だっけ。ユウナと、リトルリーグでバッテリー組んでたって言ってたわ。お父さんから、お米が送られて来て助かってるの。」
「あぁ、あの藤島土建の小せがれか。わしの若い頃と、似た様な感じだったの。」
「ユウナに、バチコンされてたけどね。」
「ユウナが、相手ではな。」
ここから、海岸線に出る。
そのまま南下すれば、秋田市だ。
この辺は、ほとんど雪も積もらない。
あっという間に、市内へ入った。
車はそのまま、議員会館を通り過ぎて東に向かう。
「あなた、どこに行くの?」
「わしが借りている、ワンルームだ。少し汚いが、そっちの方が落ち着くだろ?」
着いた、少しどころではない。
書類とビールの空き缶で、足の踏み場も無い。
「何なの、これじゃ女の人連れ込めないわね。」
「わしが、そんな事する訳無いだろう。」
「とりあえず、片付けましょう。あなた、ゴミはベランダに一度まとめてね。」
私は、シーツやカバーを洗濯する。
「あぁ、それは大事な書類じゃ。ゴミでは、無いぞ。」
「わからないわよ、あなたが全部やって。私、向かいのスーパーに行って来るわ。帰るまでに、終わらせてね。」
「はぁ、終わるかなぁ?」
「終わらせるの、やってなかったら晩ごはん抜きよ!」
麻里のお尻が、どんどん大きくなっていく。




