後悔。 2
タマをキッズルームに寝かせる為に、努に運んでもらう。
「タマに、変な事しちゃダメよ。」
「あぁ、わかってるよ。」
残念そうな顔で、戻って来た。
「麻里ちゃん、タマちゃんと同棲してるの?」
「ううん、私は大学の寮に住むの。昨日わかったんだけど、すぐそこなのよね。」
「タマちゃん、一人暮らしなんだ。大丈夫かなぁ?」
「たぶん、ムリね。」
私は、冷蔵庫と冷凍庫を開ける。
みんなで、ため息を吐く。
「麻里、お前一緒に住んでやれよ。」
「私は、タマのお母さんじゃないもの。それに、うちの両親に説明出来ないわ。」
「そうか、まっ近いだけ少しは安心だな。」
「努、もう立ち直れたみたいね。平川ちゃんの、おかげね。平川ちゃんは、つらくない?」
「ちょっとね、でもタマちゃんに言われたの。人間なんて、たかだか何十年かしか生きれないよって。確かに、悩んだり喜んだり楽しいのは更に短いなって。」
「タマって、何も考えないでいい事言うわよね。」
「努も、タマちゃんに言われるまで苦しんだって。」
「あぁ、俺はタマにお前は生きてる。ただ、それだけだって言われた。」
「それで、良かったんだ努は。」
そうでもないらしい、たぶんタマに更にボコボコにされたんだろう。
こいつは、完全な脳筋だからね。
いかほど、タマのショーツを見たんだろう。
ニマニマ、気持ち悪い顔して。
そう言えば、大体ケンカで名を売っている連中はタマと話す時ニマニマして気持ち悪い。
「努、そろそろ帰りな。せっかくの休みなんだから、平川ちゃんを楽しませなきゃ。」
「ヘイヘイ、タマの事よろしくな。」
「麻里ちゃん、又遊んでね。」
二人が帰った後、タマの様子を見に行く。
かわいい!
あぁ、ダメだ。
又、食べたくなっちゃった。
リビングに戻って、ミュウちゃんと遊ぶ。
ちゃんと世話している様で、安心した。
こういう所は、マタギの子供なのかな。
しかし、利口なウサギだ。
お手もするし、伏せもする。
極めつけは、フローリングの雑巾掛けだ。
見てて、ほっこりする。
「ヴー、ヴー!」
変な鳴き声だなと思ったら、タマだった。
そのまま、私に抱きついて甘え出した。
「タマ、そろそろ帰るね。」
「イヤッ!」
「イヤじゃないの、外泊は一日しか許可もらってないの。」
「ウエーン、ウッ、ウッ、ウワーン!」
「又、来週来るから。」
「本当?」
「明日、事務所の人来るでしよう。だから、月曜日に来るわ。」
「うん、待ってる。」
そして、私は寮に帰る。
危ない、アブナイ。
帰るのに、相当エネルギー使っちゃった。