幼児の行方。
飲んべえ達が待っている実家に、帰って来た。
ユウナが、買ってもらったウェアをダンナに見せに行く。
「パパ、かわいい?」
遂に、ダンナもパパ呼びし始めた。
幼児退行が、極まったみたい。
「ウォー、見てください。うちの娘、最高でしょう。」
「うちの孫は、世界一かわいい。いや、宇宙一だな。」
ユウナが、ドン引きしている。
わからないでも無いが、酔っぱらいは相手しない方がいい。
トボトボこちらに来る、ユウナ。
「よかったわね、ユウナ。ばあばとママは、ご飯の準備するから慎吾に遊んでもらいなさい。」
「ユウナ、友達の家行くか?スーパーファミコン、あるぜ!」
「ううん、行きたくない。」
「そうか、小学校の同じクラスで結構いい奴なんだけどな。ユウナ、向こうの小学校は楽しいか?」
「ボク、小学校行ってないよ。別の学校に、行ってるの。」
「へぇ、そうなんだ。ユウナ、お外で遊ぼう?」
「うん、お兄ちゃん行こ!」
「ユウナ、お外行くの?寒いから、手袋して行きなさいよ。慎吾、あまり遠くに行っちゃダメよ。」
「おう、わかった。ユウナ、オレのマフラーしていきな。」
「ありがとう、お兄ちゃん。」
【行ってきまーす!】
小っちゃい子は、風の子元気な子だ。
下ごしらえをして、母とリビングでお茶をする。
「おお、ユウナ達は外か?」
お父さんとダンナが、深刻そうに話している。
「どうしたの、アナタ?」
「んっ、ユウナの事でな。こっちだとここやギルドなんかで預かってもらえるけど。向こうでは、なかなかなぁ。お前の負担にも、なるし。」
「別に負担では無いけど、一人にはしておけないものね。」
「ベビーシッターを雇うほど小さくも無いし、どうしたもんかなぁ。」
そもそも、大学生なんだけどな。
小学生の慎吾をお兄ちゃんって言っている時点で、どうなのか。
「麻里、ユウナここで暮らさせようか。大学も、卒業出来るんだろう?」
「嫌よ、私とユウナは一緒にいなきゃダメなの!」
「じゃあ、お前が大学辞めるかい?もう結婚しているんだ、行く必要も無いだろう。」
「大学は、ユウナの為にも行っておきたいの。それに、飛び級で早く医師になれるんだもの。」
「しょうがない、奥の手を使うか。」
「何だい、文太君?」
「伝手を頼って、小学校に通わせよう。都会なら学童保育もあるから、麻里の負担も減るだろ。」
「本人が、納得するかしら?」
「ムリじゃろ、大学院生なんだ。それに、あの子は小学校にトラウマがあるからな。」
ワンコだったせいで、だいぶ虐められてたって言ってたもんね。
「それなら、私が行くしかないがね。」
「えっ、母さんが!慎吾は、どうする?」
「慎吾も連れて行けば、いいのよ。どうせ、スキー場は人手も足りているんだし。」
「いやー、しかし。」
「文太君だって、こっちで一人なのよ。いい大人のあんたが、何言ってるんだい!」
「母さん、うれしそうじゃないか?」
「そんな事、無いわよ。ユウナを独り占めするなんて、これぽっちも思ってないわ。」
「母さん!」
「いやー、郁恵さんにそんな負担は掛けられませんよ。ただでさえ、麻里にだいぶ助けてもらってるんですから。」
「他人行儀ね、アナタ!」
「わわっ、麻里ごめん。免許取りに行っている間に、北海道に行かないか?新婚旅行の代わりでは、ないけど。」
「ホント、うれしいアナタ!」
「文太君、お前さんも尻に敷かれているな。」
「お前さんもって、どういうことかしら!」
【ただいま~!】
ちびっ子達が、帰って来た。
「お外、寒かったでしょう。二人で、着替えておいで。」
【ハーイ!】
「この話は、又後にしましょう。それじゃ、おっさん達はここ片付けてね。」
【はい!】
着替えて来た二人を酔っぱらいが、もて遊んでいる。
「ユウナ、手伝いなさい。あなた、女の子でしょう。」
「はーい、何するの?」
「湯がいた蕎麦をザルで、水洗いして。火傷しない様に、気をつけなさい。」
「わぁ、冷たい!フゥフゥ、ママ~。」
「ガマンしなさい、水切りしたらこっちの籠に移して。」
パチパチ、唐揚げがいい匂いしている。
「フゥフゥ、ユウナほら熱いから気をつけるのよ。」
ママが、1個くれた。
「ハフッハフ、おいちい!」
「唐揚げも、持っていきなさい。」
「ふぁーい、ヨッコイショっと。」
「麻里、ユウナはあんたの子なんだね。」
「まだまだよ,私は。」
「ママ~、次は?」
ママに、抱っこされた。
なして?
「ママ、唐揚げが黒いよ。」
「あっ、もう。これは、お父さん達の方において。」
「了解です、ママ!」
「行け、ユウナ!」
「ふふふ、親子だねぇ。」
ユウナ、小さくなりすぎ。




