弟もかわいい。
お昼ご飯は、きりたんぽ鍋だった。
久しぶりの、おふくろの味。
ユウナの為に、セリもたくさん用意してある。
「さぁ、たーんとお食べ。」
【いただきま~す!】
「ママ、もっとセリ入れて。」
「姉ちゃん、オレも!」
「二人共、残しちゃダメよ。」
「如月さん、お一つ。」
「これは、これは。おっ、マルメロワインですな。」
「飲みすぎないでよ!ユウナ、食べたらスキーウェア買いに行こうか?」
「母さん、私のお古まだあるんじゃない?」
「大きくて、入んないよ。それに、可愛いの買ってあげたいじゃないか。ねっ、ユウナ。」
「マーマ、いいの?」
私のじゃ、大きいのか。
確かに、昔から大きかったか。
パイオツカイデーだもんな。
それに、可愛いのって何よ!
娘と孫の格差、激しくない!
「オレも、行く。ユウナ、お兄ちゃんが可愛いの見つけてやるからな。」
だから、お前お兄ちゃんじゃないだろ!
あっ、叔父なのか。
「ユウナ、あまりワガママ言わないのよ。最初だから、安いのにしてもらいなさい。」
「うん、わかった。」
「母ちゃん、オレも新しいの買ってくれよ。」
「ばーば、お兄ちゃんにも買ってあげて。ボク、安いのでいいから。」
「しょうがないね、二人共ちゃんといいの買ってあげますよ。」
【やったー!】
慎吾が、ユウナを抱き寄せて撫で撫でしている。
お前は、私の娘に何しとる!
ユウナ、もじもじしないの!
「お兄ちゃん、チュッ!」
「ホゥ~!」
なっ、ユウナ!
慎吾が、逝ってしまった。
【フフハ、子供は微笑ましいのう。】
おっさん等は、呑気いや呑兵衛だねぇ。
「ごちそうさまでちた、ばーばおいちかった!」
ユウナが、食器を片している。
「お利口さんだね、ユウナ。ほら、じいじがケーキ買って来てくれたよ。」
「わーい、じいじありがちょ。ボク、チュークリーム!」
「それ食べたら、ショッピングモール行こうか!」
おっさん等は、ポン酒になってご機嫌だ。
「ハムッ、グチュ!おいち!」
「ユウナ、お兄ちゃんのイチゴ食べな。」
お前、完全にユウナにホの字だな。
歯磨きもして、ばーばによそ行きに着替えさてもらったユウナが私に抱きついてきた。
「ママ、かわいい?」
「お母さん、ありがとう。スキーウェアは、私出すわ。」
「ダメよ、嫁にもらうまではちゃんとしなくちゃ。」
今、嫁にもらうまではって言いませんでした?
常識人のお母さんが、何て事言う!
本当に、感謝しか無い。
お父さん、お母さん、ありがとう。
「ユウナ、行くぞ!」
「待ってよ~、お兄ちゃん。」
何か、しっくりしてきたなぉ。
ユウナ、さらに縮んでない?
「二人共、あんまり飲みすぎないでくださいよ。じゃあ、行って来ますね。」
お母さんの運転で、ショッピングモールにやってきました。
「ユウナ、そっちじゃないわよ。こっちに、来なさい!」
「お兄ちゃん、早く早く!」
おもちゃ売り場に、走って行ってしまった。
後ろから首根っこを捕まえて、内ももを抓る。
「ママ、痛っ!痛~いよ。ウェーン:グシュ、ア~ン!ばーば!」
「麻里、虐待したらダメでしょ?ちゃんと、話して効かせなさい。」
「この子が、言う事聞く訳無いでしょ!」
「ママ、怖いね。ユウナ、何が欲しいの?」
「お母さん!」
「姉ちゃん、諦めろよ。あれも、親孝行のうちだぜ。」
ほう、言うようになったじゃないか。
後で、説教三昧なユウナ。
「ばーば、これ買って!」
「クマの冒険?絵本かい、いくらだい?」
「ごしゃくえん!」
「あんた、持ってるでしょ?」
「これ、最新の4巻だよママ。」
「それだけで、いいの?ほら、貸しなさい。」
「うん、ばーばありがちょ!」
お前、大人を転がすの上手いな。
転がされている私が言うのだから、間違いない!
かわいいって、得や。
綺麗なだけの私は、損や。
「姉ちゃん、これ買って!」
「はぁ、自分で買え!」
何で、可愛くも無いお前に買わなあかんねん!
「姉ちゃん、結婚しても綺麗だな。どこかの、高貴なお姫様みたいだよ。」
「買った!」
やってもうた、三千円もするやん。
私って、かなりちょろいな。
まっ、たった一人の弟だしな。
かわいくないわけでは、無い。
そして、スキー用品店へ。
凄い、田舎なのに品揃えが半端ない。
目が痛くなるほど、キラキラだわ。
ばーばも、まだ30代。
若くて、スキー場のアイドルなのよ。




