バスケ。
秋になり、私もユウナも大学が始まった。
文系とは言えユウナも単位は取らねばならず、真面目に通っている。
ユウナとランチを学食で食べていると、ジャニーズ系のかわいい男の子と岩の様な大きい人がやって来た。
「ユウナ、一緒に食べていい?こんにちは、ユウナと同じ教室の坂本です。」
ジャニーズ系の男の子が、挨拶して来た。
「同じく、櫻井です。」
大きい人だ。
「こんにちは、ユウナと同郷の麻里です。」
「へぇ、ユウナにこんなに綺麗なお友達いたんだ?」
「うん、すごいでしょ。」
もう、照れるじゃない。
「麻里さんって、何学部ですか?」
「うんと、医学部。」
「頭も、いいんだ。」
「ダメだよ、結婚してるからね。」
「へぇ、旦那さんがうらやましいな。櫻井、体育館予約取れた。」
「あぁ、今度の土曜日なら大丈夫だ。」
「ユウナ、この前言ってたバスケの練習来ない?」
「どこで、すんの?」
「俺達の地元の中学、昼からだけど。」
「邪魔にならない?」
「ユウナ、スポーツ苦手でしょ?大丈夫なんですか、この子で?」
「俺達、体育の授業で同じ班なんだけど。ユウナのおかげで、負け知らずなんだ。」
「それは、二人共インターハイ常連校のレギュラーだからでしょ。それに、ボクシュート入れた事ないよ。」
「あれだけ正確なパス出来るなら、ウチの高校でもレギュラーだぜ。」
櫻井君が、大きな頭を上下させている。
「ちょっと待って、ユウナ何で男子と体育しているの?」
「だって、ウチの教室女子ボクしかいないもん。」
「そうなの、医学部も女子少ないしね。」
「麻里さんも、来ません。医学部だから、忙しいかなぁ。旦那さんの許可が、もらえればだけど。」
「お母さん、行こうよ。」
【!お母さん!】
「はぁ、ユウナ!」
「麻里さん、失礼ですけど同じ学年ですよね?」
「そうよ、現役だから年齢も一緒よ。」
「お母さん、ボクのお父さんのお嫁さん。」
「大変ですね、色々と。」
「えぇ、すごく大変。」
「坂本君、櫻井君、ユウナと仲良くしてあげてね。」
「はい、ユウナは弟じゃないや妹みたいでかわいいですから。」
櫻井君も、首を縦に降る。
「ムゥ、ボク大人だよ!」
そういう所なのよ、ユウナ。
「麻里さんも、たまに運動しないとストレスたまりますよ。」
「そうね、じゃあお願いしようかな。ユウナ、いい?」
「やった、お母さんも一緒!」
そして、三人と別れて私は午後の授業に向かった。
そして土曜日、私達は車で川越にやって来た。
この間買い物に来たロジャースは、坂本君達に教えてもらったらしい。
体育館に行くと、坂本君の高校のバスケ仲間が集まっていた。
皆上手で、本格的だ。
女の子が、何人かいる。
マネージャー、やっていた人達なんだって。
坂本君や櫻井君の彼女も、いるらしい。
青春だね。
最初に自己紹介みたいな、事をする。
ん、米倉希子?
「米倉?」
「進藤?」
「二人、知り合いか?」
「進藤ね、私の小中の同級生なのよ。久しぶり~、奇遇ね。」
「米倉、ここに引っ越したんだ。知らなかったわ。今ね、坂本君や櫻井君と同じ大学に通っているの。」
「そうなんだ、私この坂本と付き合っているの。よろしくね、そっちにいるのってもしかユウナ?大きくなったね。」
「お久しぶり、希子。今日は、よろしくね。」
「ちなみに、進藤さんじゃなくて如月さんだぞ希子。」
「うん、どういう事?」
「麻里さん、ユウナの母親だそうだ。」
「やっぱり!」
「やっぱりって、何よ。驚きなさいよ!」
「まっ、いいじゃない。良かったね、ユウナ。」
「うん!」
はぁ…。
「じゃあ、準備運動から始めようか。」
坂本君は、高校時代キャプテンだったらしい。
櫻井君と共に日本代表にも選ばれたが、大学では二人共バスケはしていない。
なので、昔の仲間達とたまに集まってしているみたいだ。
「おっ、お母さんなかなか動けるねぇ。」
「坂本君!」
「ごめんゴメン、つい。」
男子だけでは足りないので、女子も混ぜてゲームをする。
最初は、ユウナと希子が対戦するチームにそれぞれ入る。
始まるとユウナは、センターコートから動かない。
少しは動いているが、ボールとは離れた所にいて攻撃にもディフェンスにも参加しない。
櫻井君がリバウンドしたボールをユウナにパスする。
ユウナがドリブルしている間に、敵味方がリング下に集まる。
坂本君が切れ込んだ足下に、ユウナがボールをバウンドさせる。
吸いつく様にゴールに伸ばした手に納まったボールをそのままシュートする。
周りが、驚いている。
マネージャーだった女の子に、聞いてみる。
アメリカのNBAの選手が、使う技だと。
それでも、あまり成功した所は見た事が無いと。
なんかずるいと思ってたら、結構凄かったんだ。
納得いかない。
休憩挟んで、私と女子マネだった子が交代する。
「ユウナ、お疲れ。」
「お母さん、頑張って!」
力、抜けるわ。




