逆襲のユウナ。
黙って下を向く、ユウナ。
店を出て、美奈子を家に送って行く。
私達は、そのままユウナのお家に行く。
途中、赤いカードのデパートと同じ名前のスーパーで買い物をする。
ここは、駅ナカ温泉の向かいにある。
スーパーとは言うが、雑然として市場に近いかも。
野菜を中止にカゴに入れていると、鮮魚コーナーでユウナが誰かと話している。
同級生の森川君のお母さん、本当は養母だと後で聞いた。
「こんにちは、ユウナの母の麻里です。いつも、娘がお世話になっております。」
森川さんが、驚いた顔をする。
そうなるよね~。
「いいえ、こちらこそ。ユウナちゃん、やっぱり女の子だったのね。」
そっちか!
私が母だと、誰も突っ込まない。
「お母さん、これ買って!」
また、筋子ですか。
好きね~、塩辛そう。
「ユウナちゃん、オマケしてあげるわ。」
「となりのトレーのも一緒にして、パックしてくれる。」
「ありがとう、おばちゃん。」
「ありがとうございます、淳元君は元気ですか?」
「あらっ、お母さん淳元を知ってるの?」
「はい、同じクラスだったので。」
「……。」
何、この沈黙。
私、ウソは言ってないわ。
「ごめんなさい、あの子東京の専門学校に言ってるの。出版社に、就職したいらしいわ。ユウナちゃん、東京でしょ?仲良くして、あげてね。」
「うん、あっちゃん格好いいから。」
パーフェクトヒューマンか!
「またね、おばちゃん。」
そして、私が他の魚をみてると。
ユウナが、別のカゴにお菓子を満載にして来た。
私は、思わずユウナにげんこつを落としてしまった。
はっ、体罰!
「グシュ、ウワーン!」
泣き出すユウナに、謝る。
「ごめんねユウナ、手を上げて。」
「ヴヴん、ボクがゴメンナザイ。やっぱり、お母さんはたった一人のお母さんだ。」
いい子ね、お母さんお菓子全部買ってあげるわ。
会計が終わると、ユウナがニマニマしてVサインをしている。
やられた、まんまと騙された。
育児スキルの意味は?
ログハウスに着くと、文太君が重機で地均しをしていた。
「おおぅ、来たか。ユウナ、手伝え。麻里は、ゆっくりしとっていいからな。」
「うん、お母さん休んでて。」
「ちょっと、ウッドデッキでみてる。とりあえず、買い物したのしまってくるわ。」
冷たい飲み物を用意して、表に出る。
ユウナが、三脚についた望遠鏡みたいな物を覗いている。
向こうで文太君が、大きな定規みたいな物を立てている。
「飲み物、持って来たわよ。」
私が声をかけると、きりの良い所で二人がこっちにやって来る。
「ねぇ、何やっているの?」
「レベル、土地の高低を測ってるの。じっちゃん、測量士だからね。教えて、もらったんだ。」
一級建築士じゃないの、色んな顔を持っているのね。
「ユウナは、すごいぞ。三脚の設置なんぞ、瞬間だからな。ベテラン技師の、領域だな。」
あんなの、広げて設置するだけでしょ。
「お母さん、やってみる?」
「どうするの?」
「この気泡が、円の中心に来る様にすればOKだよ。」
うーん、意外と難しい。
汗流しながら、5分くらいかかった。
「初めてにしては、上出来じゃな。ユウナ、そこの斜面でやってみなさい。」
広げて、脚縮めて、もう終わった。
うわー、ど真ん中。
5秒で、終わったよ。
「すごいわね、ユウナ。」
「慣れだよ、慣れ。」
「わし等上級者でも、こんなに速くは出来ん。」
私は、ユウナの頭をやんわりと撫でる。
「さっユウナ、もうひと頑張りじゃ。ユンボで、先の測った所掘ってくれ。」
「ユウナ、重機も乗れるの?」
「うん、限定解除の免許持ってる。来年は、大型特殊取ってじっちゃんみたいにクレーンの免許も取るんだ。」
「ふぇー、ユウナ。あんた、何になりたいの?」
「ふっ、赤い彗星だよ。認めたくないものだな、若さと言う過ちを。」
「私、夕飯の支度するわ。頑張ってね、旦那様。」
「おっ、おぅ。」
「お母~さん。」




