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花嫁修業。

 昼頃になると、学さんと由美先輩が文太君を迎えに来た。


 「麻里伯母様、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」


 「由美先輩、伯母様って!ふふふ、モフモフさせてくれたら無しにしてあげる。」


 「わー、ヤメレ!麻里ちゃん、その性癖治した方がいいわよ。」


 学さんが、文太君を連れて来たので私はどうするか迷った。


 「ユウナが帰ってきたら、又遊びに行けば。」


 お母さんの言に、従う。


 お父さんは、もうダウンしているし。


 「お世話に、なりました。麻里、待っておるでな。」


 「はい、ムリしないでね。」



 みんなが帰った後、お母さんとお茶をする。


 「麻里、いい人見つけたわね。」


 「うん、案外近くにいたみたい。」


 「あなたも、母親になるのね。あんなに小さい子だと、色々大変よ。今まで通りには、いかないわよ。」


 ユウナは、小さくはない。


 身長なら、とっくに抜かされている。


 ただ、お母さんはユウナの内面を知っているのだろう。


 「その時は、頼りにしているわお母さん。」


 「はいはい、この年で孫娘が出来るなんてね。」


 「かわいいでしょ、ユウナ。」


 「そうね、目の中に入るかしら。」


 「お母さん、慎吾の事どうする?」


 「悠長にしてたら、あっという間に大人になるしね。まだまだ子供だと思ってたあんたが、結婚するくらいだから。」


 実年齢は、大分年上だけど私。


 「ユウナは、どう思っているのかしら?慎吾は、ユウナにベタ惚れだけど。」


 「憎からずとは、思っているわよ。一丁前に、慎吾の前じゃ女らしくするし。」


 「そう、成り行き次第ね。どうせ、慎吾の方が早く大人になるだろうし。」


 「お父さんは、もう決めているみたいだけど。」


 「お父さんは、何よりユウナ優先だから大丈夫よ。麻里、何だか大人になったわね。何か、あった?まさか、文太君と!」


 「違うわよ、ダンジョンで覚醒したみたいなの。ステータスはまだ見てないけど、多分間違いないわ。」


 「ユウナも、覚醒したのかい?あの子は、全然変わってないわよ。」


 「どうなんだろ、帰って来たら聞いてみるわ。」


 「麻里、買い物行きましょ。嫁に出す前に、色々教えなくちゃ。」


 母さんと買い物に、新市街のショッピングモールにやって来た。


 食料品の前に、私は本屋に寄る。


 「こんな田舎の本屋で、買う物なんかあるのかい?」


 「ユウナの絵本を買おうと思って、寝聞かせになるの探しているのよ。」


 「あんた、そんな事もしているのかい?もう、立派な母親だね。」


 「まぁ、学校の時から考えれば結構長い間面倒見てたし。」


 「そうだね、やっぱり本当の母親の面影を探してたんだね。」


 「母さん、それは…。」

  

 決して、私はワンコでは無い。


 美貌輝く、ハイエルフなのだ。


 「大丈夫かい、麻里?」


 「あっ、あったあった!クマさんの冒険3。これと、シンデレラを買って行くわ。」


 「ユウナ、喜ぶかね?児童書だよ、あんた。」


 「大丈夫よ、あの子一般常識持ってないから。」


 「あんなに勉強出来るのに、何でだろうね。」


 「まだ、赤ちゃんなのよ。追々、解決するわ。」


 「麻里、スーパー行こうか。あんた、文太さんのお嫁さんになったら医師はしないのかい?」


 「ううん、するわ。心理学を専攻するから、病院勤めじゃなくても大丈夫よ。それに、うちの旦那様とってもお金持ちだから。」


 「まったくこの子は、誰に似たんだか?」


 「お母さんに、決まってるじゃない。」


 「麻里!」



 お家に帰って、たくさんごちそうを作った。


 今晩は、お世話になっている三浦さん達にお礼をするのだ。


 お酒を飲みたい人の為に、ヤクザになった成田君に頼んで代行も待機してもらった。


 本人は、ヤクザでは無く代行運転の社長だと言い張るけど。


 小さいころから何かにつけ、影日向にユウナを気に懸けてくれていた。


 親子揃って、ユウナがお気に入りで組長のお父さんもユウナに良くしてくれていた。


 今どきのヤクザっぽくない、一本気な気持ちいい人達だ。


 お父さんが起きて来て、慎吾と一緒に庭で鮎を焼いている。


 傍らでは、赤べこの肉のかたまりも焼かれていた。


 中々、手際がいい。


 文太君に、教えてもらったらしい。


 今日は、文太君は呼んでいない。


 もう少し、文太君との結婚は伏せて置く事にした。


 事情は、言わんとも理解して欲しい。


 母親とは言え、私も、大学生だ。


 小遣いは、欲しい。


 娘から、せびる訳にもいかない。


 文太君?彼は、そう言う機微に疎い。


 ユウナが、帰って来た。


 何故に、ウエディングドレス!


 母を差し置いて、何しとんのかな?


 慎吾が、MAXで発情してしまった。


 「麻里、お前もあれ着るのか…。」


 泣かないの、お父さん!


 お母さん、それ着たいの?


 お父さん、お母さんをとめて!


 ユウナ、お前は何かにつけ騒がしいな。


 今夜の説教は、大分長くなるわ。


 覚悟、しなさい!


 着替えて落ち着いた所で、三浦さんが重大発表をするらしい。


 その前に、乾杯だ。


 【乾杯!】


 「来年発売される、ゲームソフトのイメージガールに麻里ちゃんが決まりました。本人には負担かけないので、うんって言ってくれると助かるわ。契約金は、こちらになります。」


 渡された文書に書いてあった金額に、私よりも両親がぶっ飛んだ。


 オリハルコン級だわ。


 おい、何ハンコ押しとんねん!


 「ありがとう、麻里ちゃん。宣材写真でやり繰りするけど、明日だけユウナの撮影に付き合って。お願い!」


 「ママ~、一緒に行こう。」


 「明日だけよ、それ以外はダメよ。」


 「やったぁ、おばちゃん明日だけならいいって。」


 1億円に、目が眩んだわ。


 ユウナ、ママねお金に弱いのよ。

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