秋田犬?
「お姉ちゃんは、どこか入りたい所無いの?」
「タマが一緒なら、どこでもいいわ。」
「運動、何かやってた?」
「剣道の道場に、ちょっと通ってたかな。」
「一度、見に行こか。」
「何だか、閑散としているわね。」
「君達、入部希望かい?」
「ううん、見学。」
「そうか、ご覧の通りもう廃部寸前でね。女子は、一人もいないんだ。見るだけでも、うれしいよ。僕は、一応主将の藤本だ。」
「如月です。」
「進藤です。」
三人しか、いない。
全員、男子でしかも3年生らしい。
顧問は、女子バスケットと兼任でほとんど来ないとの事。
後、道具は備品を使って構わないと。
引退する時は、欲しければもらえるらしい。
女子と子供用は、新品があったりする。
「どうする、お姉ちゃん。」
「ちょっと匂いが嫌だけど、のんびりやれそうね。先輩も、優しいし。」
「じゃあ、入ろうか?」
「藤本先輩、私と如月入部します。」
「本当かい、いやー良かったよ。みんな、喜べ。待望の、新入部員だぞ。」
【やったー、よろしくな。】
来週の放課後から来たら、いいそうだ。
稽古着は、慣れたらお店に一緒に買いに行ってくれるそうだ。
防具は、備品から。
竹刀は、来週までに用意してくれるらしい。
本当に、優しい人達だ。
「お姉ちゃん、可愛いいから得だね。」
「まあねぇ!」
それが、あんなマンモス部活になるとは。
しかも、タマがあんなに豹変するなんて。
「タマ!起きなさい、そろそろ始まるわよ。」
つい、昔懐かしで呼んじゃった。
「ピカッ~、ピッカッピッカッ。ピカチュウ!」
まだ、言ってる。
台詞がこれしか無いらしく、練習のつもりかな。
ベランダに出て、空を見上げる。
徐々に、月が欠けていく。
「ウ~、ウォー、ワン!」
「寒いの、ユウナ。」
何、その耳。
そんなに、毛深かったけ?
ん、尻尾?
「ワン、アンアン。」
フサフサ、ケモ耳気持ちいい。
「ユウナ、あんた犬やったん?なぁ、人間に戻れるん?」
月が無くなると、完全に子犬になってしまった。
これは、これで萌える。
又、月が満ちていく。
あっ、ユウナに戻っていく。
「ユウナ、大丈夫?」
ダメだ、熟睡している。
明日、聞こう。
ベッドに運んで、布団をかける。
私は、混乱している意識をもどす事にした。
お湯を沸かして、濃いめのコーヒーを飲む。
そう言えば、ユウナを育てたのはメスの秋田犬とか。
ユウナも、秋田犬?
わからん、オスかメスかもわからんのに。
ややこしい、子やわ。




